鷺の停車場

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「この世界の片隅に」映画館上映スケジュールまとめ(10/7~10/13)

(10/10修正)イオンシネマシアタス調布の上映情報等を反映しました。
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来週も引き続き上映予定の映画館の週末からの上映スケジュール一覧です。

konosekai.jp

天童と調布のイオンシネマ2館での上映が延長されました。また、MOVIX利府で、10/7~9に開催される「爆音映画祭 in MOVIX利府」の一環として、10/8・10/9の2日間、樋口泰人氏(株式会社boid代表)の音響調整による爆音上映が行われます。なお、10/13から開かれる「丸ノ内ピカデリー爆音映画祭」でも、同氏調整による爆音上映が計4回予定されています。徳島市ufotable CINEMAでは、同市で開催されるイベント「マチ★アソビVol.19」の一環で10/9に片渕監督の上映トークショーが行われます。一方で、那覇桜坂劇場で8月下旬から続いていたアンコール上映は、10/13で終了です。

◯10/7(土)~10/13(金)
宮城県・利府】MOVIX利府
[日]09:00 [月]16:25(スクリーン3:311席)※10/7・10/8限定爆音映画祭 in MOVIX利府)
山形県・天童】イオンシネマ天童
15:45(スクリーン6:160席)※10/13上映終了予定
茨城県・土浦】土浦セントラルシネマズ
[土~木]10:00/12:30 [金]12:30(シネマ2:280席)
【東京都・新宿】テアトル新宿
[日/月]08:30(シアター1:218席)※10/7・10~13休映
【東京都・調布】イオンシネマ シアタス調布
18:10(スクリーン10:526席)※ULTIRA上映、10/12上映終了予定⇒10/19まで上映延長
大阪府・十三】シアターセブン
12:30(ボックス2:36席?)
広島県・広島】八丁座
18:50(八丁座弐:70席?)
徳島県・徳島】ufotable CINEMA
[月]10:00(シアター1:100席)※10/9限定・片渕監督登壇トークイベント
沖縄県那覇桜坂劇場
[土/金]21:30(ホールB:100席) [日~木]21:00(ホールA:300席)※10/13上映終了予定

各日ごとの集計は次のとおりで、1週間分の合計は、9館・延べ53回・12,042席(推定)になります。

・10/7土 6館・延べ7回・1,452席(推定)
・10/8日 8館・延べ9回・2,181席(推定)
・10/9月 9館・延べ10回・2,281席(推定)
・10/10火 6館・延べ7回・1,652席(推定)
・10/11水 6館・延べ7回・1,652席(推定)
・10/12木 6館・延べ7回・1,652席(推定)
・10/13金 6館・延べ6回・1,172席(推定)

上映館数・上映回数は次第に減ってきていますが、現時点で明らかになっている範囲でも、11/10までは途切れず上映が続きそうです。

(注)基本的に、公式HPの劇場情報で紹介されている映画館について、更新時点でネット上で確認できた情報を基に記載していますが、誤認・誤記がある可能性もありますので、正しくはリンク先の公式サイトなどでご確認ください。
また、スクリーンが複数ある映画館での上映スクリーン番号や、各スクリーンの座席数が公式サイトに明示されていない場合には、便宜上、原則として各種情報サイトから確認できた座席数の中で一番少ない数を「?」を付けた上で記載しています。,

ジェズアルド「テネブレ」(レスポンソリウム全曲)/ヒリヤード・アンサンブル

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◯ジェズアルド:レスポンソリウム(全曲)
ー聖週間の聖務日課のためのレスポンソリウムおよびその他の曲集[1611]
ポール・ヒリアー指揮ヒリヤード・アンサンブル
(録音:1990年3月、イングランド

以前にも書いたアルヴォ・ペルトのCDで聴いたヒリヤード・アンサンブルの演奏に触発されて、一時期、ECMへの録音を中心にヒリヤード・アンサンブルのCDを買っていた時がありました。これもそのうちの1枚。

16世紀末から17世紀初頭のイタリア・マドリガル作曲家であったカルロ・ジェズアルド(1560~1613)の晩年、1611年に出版された上記曲集の全曲の録音。

古楽に詳しいわけではないので、よく知らないのですが、本盤の解説を読むと、ジェズアルドで有名なのは、同時期に出版されたマドリガーレ集に収載されている曲だそうで、本盤は、ジェズアルドの作品の中でそれほど有名ではない宗教曲集を、ヒリヤード・アンサンブルが掘り起こした録音ということのようです。

本盤は、次の29曲が収録されています。
・聖木曜日のレスポンソリウム(Feria V - In Coena Domini)
聖金曜日のレスポンソリウム(Feria VI - In Parasceve)
・聖土曜日のレスポンソリウム(Sabbato Sancto)
 これらは、いずれも次の9曲で構成されています。
 第1夜課(In I Nocturno):Responsorium 1~3
 第2夜課(In II Nocturno):Responsorium 4~6
 第3夜課(In III Nocturno):Responsorium 7~9
ベネディクトゥス(Benedictus)
・ミゼレーレ(Miserere)

ちなみに、アルバムのタイトルの「テネブレ」(Tenebrae)とは、カトリックで復活祭の前の聖週間の木・金・土に行う朝課・賛課を意味する言葉だそうです。

編成はこの時代の宗教曲に一般的なものだろうと思いますが、半音階的な動き、和声の移り変わり、時折表れる畳み掛けるようなリズムによる高ぶりなど、ルネサンス期の音楽に抱いていたイメージを裏切る激しい表現は、この時代ではかなり個性的、斬新なものだったのではないでしょうか(同時期の他の作曲家の作品と比べたわけではありませんが)。

そういう面で、音楽理論的なことはちっとも判りませんが、後期ロマン派のワーグナーマーラーなど、目まぐるしく和声が移り変わっていく音楽と共通する印象もあったりして、その後に続くバロック音楽や古典派よりも、むしろ現代音楽に近い感じを受ける部分もあります。

ジェズアルドは、若い頃、不倫した妻とその愛人を殺し(当時の貴族としては咎められる行為ではなかったようです)、晩年にはうつ病に苛まれるという人生を歩んだ人だそうで、そうした表現はそうした数奇な人生によるものなのかもしれません。 

とはいえ、カトリックの礼拝のための無伴奏の4~6声の合唱曲ですから、激しく感情が振り乱されるという性格のものでは全くなく、基本的に心の平安(永遠の救済)を希求する音楽で、心を落ち着けたい、静めたい時に聴くのがほとんどです。

それにしても、ヒリヤード・アンサンブルの演奏はやはり見事です。ルネサンス期の音楽に抵抗のない人には、一度聴くことをお勧めしたい演奏です。

国内盤は再発されることなく廃盤になってしまっているようですが、輸入盤であれば、新品も購入可能なようです。

Tenebrae

Tenebrae

小山田いく「すくらっぷ・ブック」

今さら何だと言われてしまいそうですが、しばらく前、1年半ほど前に漫画家の小山田いくさんが亡くなられていたことを初めて知りました。

小山田いく作品との出会いは、たぶん35年くらい前の少年の頃、初めて新幹線に乗って家族旅行に出かけたときに、新幹線車内での暇つぶし用ということだったのでしょう、たまたま親がホームのKIOSKの端にあった本コーナーから「すくらっぷ・ブック」の第5巻(たぶん)を買ってくれたのが初めてでした。
よくよく考えてみると、飲み物やお菓子なども売っている昔ながらのKIOSKだったはずで、コミックもせいぜい10冊あるかどうかという中に置いてあったのでしょうから、当時は人気マンガの一翼を担っていたのでしょう。

私自身はその当時、「少年ジャンプ」をときどき立ち読み/回し読みする程度で、小山田さんが執筆されていた「少年チャンピオン」は読んでなかったので(その後も読むことはほとんどありませんでした)、そのような人気がある作品とは全く知りませんでしたが、マンガ本を買ってもらえる機会がそれほどなかったこともあって、繰り返し読んでいるうちに魅了されていき、大きくなって小遣いに少しずつ余裕が出てきてから、古本屋で「すくらっぷ・ブック」全巻を買い揃えて読んだように覚えています。 

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主要な登場人物である中学校のクラスメートはみな、短所はそれぞれあっても根はいい人で、悪人は誰一人としていない青春群像劇。いろいろ醜いところもある大人の世界を知ってしまった後となって、青春時代を懐かしんで(実際の姿よりも美化して)振り返って思い浮かべたときに見える姿に近いかもしれません。悪く言えば青臭い世界ということになるのでしょうが、衒いなくそういう世界を正面から描いていることに、他の漫画家の作品にはない新鮮な印象を受けたのだと思います。

そのあとも、「星空のローカス」、「ぶるうピーター」、「ウッド・ノート」あたりまでの、高校生前後の若者の葛藤と成長を描いた作品は、単行本を中古or新刊ですべて揃えて読みましたが、小山田さんご自身が年齢、そして経験を重ねられて、青春ものを脱却して社会派的な作品に変わっていった頃からは、私自身もまた年齢を重ねてそもそも少年漫画を読まなくなったこともあって、入った喫茶店や食堂でたまたま置いてあった少年チャンピオンで「マリオネット師」をお見かけする程度で、接する機会はほとんどなくなりました。進学やら就職やらで引越しを重ねるうちに、昔集めた単行本も(もはや古本屋に売ったのか捨てたのかすら覚えていませんが)すっかりなくなってしまいました。

前述のようなことで、だいぶ遅れてから亡くなられたことを聞いて、小山田さんの作品、とりわけ何度も読み返した「すくらっぷ・ブック」を懐かしく思い出しました。今やチャンピオンの発行元の秋田書店では文庫版などの復刻を含め販売はありませんが、復刊ドットコムから全4巻に再構成され、オンデマンドで1巻3000円前後で購入できるようです。

すくらっぷ・ブック1巻 (小山田いく選集3)

すくらっぷ・ブック1巻 (小山田いく選集3)

 

シミ・汚れなどの品質を気にしなければ、中古本の単行本11巻セットも(ネットでざっと見る限り)安いもので2000円台から、多くは4~5000円台で入手可能なようです。 

久しぶりに読んでみたくなりました。