鷺の停車場

クラシック音楽、映画、旅行、日常のできごとなどを気ままに書いていきます

アルヴォ・ペルト「アルボス」 ARVO PÄRT/ARBOS

f:id:Reiherbahnhof:20170508220404j:plain

 〇アルヴォ・ペルト「アルボス」
1.アルボス「樹」[ 1977/1986]
2.私達はバビロンの河のほとりに座し、涙した[1976/1984]
3.パリ・インテルヴァロ(断続する平行)[1976]
4.デ・プロフンディス(深淵より)[1980]
5.何年もまえのことだった[1984]
6.スンマ[1978]
7.アルボス「樹」[1977/1986]
8.スターバト・マーテル[1985]

1・7:デニス・ラッセル・デイヴィス指揮シュトゥットガルト国立管弦楽団金管アンサンブル
2・4・6:ヒリヤード・アンサンブル
2・3・4:クリストファー・バウアーズ=ブロードベント(Org)
4:アルバート・ボウエン(Perc
5:スーザン・ビックリー(Alt)
5・8:ギドン・クレーメル(Vn)、ヴラディミール・メンデルスゾーン(Va)
8:リン・ドーソン(Sop)、デイヴィッド・ジェイムズ(C.Ten)、ロジャーズ・カーヴィ=クランプ(Ten)、トーマス・デメンガ(Vc)
(録音 1~4・6・7:1986年3・8月ルードヴィヒスブルク、5・8:1987年1月ロンドン)

タブラ・ラサ」に続いて、アルヴォ・ペルトの作品集です。

この中で私が最も好きなのは8曲目の「スターバト・マーテル
ソプラノ、アルト(※)、テノールの声楽とヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの6人(6部?)という編成、シンプルなリズム・語法の積み重ね、雰囲気は中世の教会音楽のようでもありながら、心に深く染み入る、ある意味では非常に豊穣な音楽が生み出されることに、とても驚かされます。

※このCDではカウンターテノールで演奏されていますが、スコア(だいぶ前に好きが高じて衝動買いしました…)を見る限りでは、アルトと表記されています。
(スコアの1ページ目)

f:id:Reiherbahnhof:20170508231757j:plain

この曲も弦楽によるppの下降音型で始まり、次第に大きさを増してたところでfで声楽が入ってきます。(スコアの番号4)

ご覧のとおり、楽譜に拍子記号等の記載はないものの、冒頭しばらくの間は1小節が二分音符3個分になっています。
ただ、歌が動き出すと、フレーズに合わせ?1小節の長さは(二分音符の倍数で)自由に動きます。
二分音符の数で勘定すると、1個分、2個分、4個分、5個分…と小節により様々ですが、3、6、9個分の小節が多いので、全体的には、2分の3拍子が基調のように感じられます。

途中、3回、弦楽のみで奏する間奏的な部分が挟まりますが、(番号11・18・25)、シンプルな音型の積み重ねながら、回を重ねるたびにmp→f→ffと、また音型も激しくなって、音楽(歌)の高ぶりを導いていくところも見事です。

そして最後、声楽3人がユニゾンで「肉身は死して朽つるとも、霊魂には、天国の栄福をこうむらしめ給え」(和訳)と歌うと、弦楽の冒頭の下降音型が戻ってくるのですが、この部分は何度聞いても心打たれます。
その後は、コーダ的というと不適当かもしれませんが、声楽が順番に「アーメン」と歌う中で、全体が静まっていき、最後はpppの弦楽のラ・ド・ミの和音で終わります。
(なお、楽譜には、和音の後も、4小節半分の休符があります)

他の曲も、それぞれ編成・雰囲気は異なるものの、小さな音型の積み重ねから豊かな音楽が生まれるという点で、共通しています。

なお、現在、国内盤は廃盤になっているみたいですが、輸入盤なら入手可能なようです。

Arbos

Arbos