鷺の停車場

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イオンシネマ幕張新都心で観る「この世界の片隅に」

ちょっと前になりますが、イオンシネマ幕張新都心で「この世界の片隅に」を観てきました。
最寄駅はJR京葉線海浜幕張駅ですが、駅からはちょっと離れています。
上映開始の20分ほど前に海浜幕張駅に到着。ちょっと迷いましたが、チケットは予約済なので、本編開始に遅れることはないだろうと歩いてみます。
気持ち早めに歩いて15分ほど、一番駅に近いグランドモールの食品売場入口からイオンモールの館内に入ります。
ここのイオンモールは、4つのモールに分かれ、ただ端から端まで歩くだけで20分はかかると思われるくらい広いショッピングセンター。イオンシネマがあるのは同じグランドモールですが、食品売場とはちょうど反対側の3階にあります。
5分ほど歩いてようやくイオンシネマに着きます。

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数週間前から公式Twitterで観客動員数200万人のカウントダウンをやっていましたが、この前の日に達成。この日は全国で360人くらい入場者がいたようですので、私はたぶん200万と3百人目前後の入場者だったのでしょう。

スクリーンは一番大きいスクリーン8。

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片渕監督が自ら音響調整を監修されたULTIRA9.1chの2度目の復活上映が1週間限定で行われていましたが、それもこの日で最後。

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都心部から見れば行きやすい場所とは言いにくく、しかも最寄駅からもそれなりに距離があって、おそらく集客に多少なり苦労されているであろうこの映画館。
こんなにハイスペックなスクリーンを備えて、それを売りにいろいろイベント的な上映をしたり、中の人がいろいろSNSで発信したりしているのも、こうしたいくぶん不利な条件をカバーしようという試みなのでしょう。
私自身にとっても、ここに来るまでのアクセス(時間&費用)を考えると、近くに用事があるとか、今回のように特別な上映があるとかでないと、なかなか行こうと思えないのが正直なところ。

さて、片渕監督の舞台挨拶&サイン会付きだった再復活上映初日は早々に完売、観客200万人を達成した前の日は44人の入りだったそうですが、この日はおそらく30人ほど。平日の午後、もともとお休みか、わざわざ休みを取ったりしないと来れない時間帯なので、こんなもんかもしれません。勝手な想像ですが、多くは私以上に何度もご覧になっている方なのでは。

そのULTIRA、日常のちょっとした物音がクリアに聞こえますし、後半に出てくる軍事的なシーンの重低音の威力も半端ない。実は、4月の「この世界の片隅に」の1回目のULTIRA復活上映の際も最終日に伺ったのですが、その後違う映画館でも観たせいで前回の時の記憶が薄らいだのか、前回よりも音がくっきりして、更に音が体に迫ってくるような感じでした。普通の映画館で「凄い迫力」というのとはレベルが違います。席が比較的まばらで、周囲の物音が気にならなかったこともあってか、これまで「この世界の片隅に」を観た中で一番といっていいくらい、映画に引き込まれて観た気がします。

ところでこの映画、セリフとセリフの間や、場面転換の間を圧縮しているところが結構あります。例えば、

結婚が決まる直前、おばあちゃんの家で昼食中、嫁入り用の着物をもらうシーンの前後、セリフの間がほとんど省略したない部分があったり、

お義姉さんと晴美ちゃんが実家に帰ってくるシーンの直前、お義母さんの語りのシーンの最後に、実家に向かって歩いてくる2人の姿が写ったり、

お義姉さんの来歴について寝床で旦那さんが説明しているシーンで始まったのに、画面が当時の様子を回想している間に語り手がお義母さんに代わって、回想が終わると翌日?の昼間のシーンに切り替わったり。

限られた時間に多くの情報を盛り込むためのやむを得ない選択なのか、あるいはもっと積極的な意図があったのかは分かりません。おそらく映画の一般的なやり方は確信犯的に踏み外しているのでしょうが、結果的には、流れが弛緩せずテンポよく進み、観客を飽きさせない効果ももたらしているように思います。

画面の構図などでも、原作の漫画のコマに忠実に描くことを優先してか、一瞬あれっと思う部分もあったりします。

意外に思ったのは、原作の構図のままなのか分からないのですが、ローアングルの構図を採って、小津映画を感じさせる部分が結構あること。最もそれっぽいなあと思うのは、憲兵に遭遇した後、旦那さんが帰宅してきたシーン。土間でうなだれる女性3人の首の傾きの相似は、まさに小津映画のようです(単なる思い込みかもしれません)。

話が逸れました。

ちなみに、このスクリーン8、この直後にサブウーファーが増設されたとのこと、「片渕監督音響調整監修」ではなくなってしまうのでしょうが、増設後の音響で一度観てみたい気もします。