鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「言の葉の庭」ほか

柏駅西口のキネマ旬報シアターの特集上映「新海誠の世界」の1つ、「言の葉の庭」(2013年5月31日(金)公開)を観てきました。

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7/22からの「君の名は。」の上映から始まったこの特集、7/29~8/11は「雲のむこう、約束の場所」(2004)も上映していましたが、8/12からは上映作品が入れ替わり、「秒速5センチメートル」(2007)、「星を追う子ども」(2011)、「言の葉の庭」(2013)の3作品が8/25まで上映されます。(「君の名は。」は当初8/11までの予定でしたが8/25まで上映延長されています)。なお、「君の名は。」以外の旧作は、1,000円(高校生以下500円)の特別料金です。

柏駅西口、高島屋本館の手前で右に曲がり、階段で1Fに下りると、映画館があります。
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この映画館は、今年4月の「マイマイ新子と千年の魔法」が初めてだったのですが、その後も観に来る機会があって、この日で4回目。
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朝早い09:10~の回、目論見どおり起きることができず、ちょっと慌てて映画館に向かいましたが、上映開始時間ギリギリに何とか間に合いました。
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スクリーンはロビー右手の階段を上がった2Fにあるスクリーン3。座席数は136で、この映画館で3つあるスクリーンのうち最も小さいスクリーン。
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スクリーンの入口脇には、チラシも掲示してありました。さすがにパンフレットは売っていません。
入ってみると、20人弱という感じでしょうか。朝早い時間帯ですが、思ってたよりは入っています。お盆期間の週末なのはプラス・マイナスのどちらに働いたのでしょうか?

冒頭の、周囲の風景を映した水たまりに水紋が広がるシーンから、緻密な描写に引き込まれていきます。この映像美だけでも、観る価値がある見事な作品だと思います。

主人公は革靴職人を目指す15歳の男子高校生。雨の日の午前中は、授業をサボって学校近く?の新宿御苑で過ごす。ある雨の日、新宿御苑でベンチで金麦を片手に佇む社会人らしき若い女性に出会い、雨の日に新宿御苑で会うのを重ねる中で、将来への不安/心の闇を抱える2人はお互い惹かれ合っていく・・・。

描かれる舞台は、新宿御苑のほか、学校、通学経路の駅や道、互いの自宅、主人公のバイト先という程度で、「君の名は。」のような舞台転換はありません。展開も、降り積もる雪のように静かに物語を積み重ねていく感じ。しかし、その中で伏線が埋め込まれていき、2回、大きな振幅で物語(感情)が動きます。

劇的な展開があるわけではなく、前述の大きく動く場面のセリフに青臭さがなくもないので、観る人を選ぶ(=好き嫌いが分かれる)映画でしょうが、私にはいい作品でした。

言の葉の庭」は約45分の短い作品、「彼女と彼女の猫-Everything Flows-」が同時上映でした。約30分のこの作品は、新海監督が作った約5分の小品を基にリメイクした作品のようです(違ったらすいません)。画風は明らかに新海監督のものとは違いますが、しみじみ静かに展開していくあたり、「言の葉の庭」との共通項も感じられて、これはこれで良かったです。