鷺の停車場

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「この世界の片隅に」@土浦セントラルシネマズ

先日、「この世界の片隅に」(2016年11月12日(土)公開)の連続上映に大きく貢献している土浦セントラルシネマズに行ってきました。

この映画館、昨年2月から1年以上にわたって「この世界の片隅に」を上映し続けられています。SNSの書き込みを見る限り、観客は多くて数人、日によっては貸切(1人だけ)という中で、これだけ長く続けられているのは、スタッフの熱意があってのことだろうと思います。微力ながら応援の意味でいずれは行きたいと前々から思っていたところ、たまたま週末にちょうど良く時間が空いたので、CINEMA Chupki TABATAで観て日が経ってなかったのですが、これを逃すと無理なく行ける日がまた来るかわからないので、行ってみることにしました。

上映時間は、昨年11月初旬から一貫して10:00~になっています(次の上映作品の都合で09:40~の時期も少しあったようです)。JR常磐線で上野始発8:25勝田行きの普通列車中距離電車)に乗ると09:34に土浦駅に着きます。

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常磐線は、茨城県の南端の取手駅の北側で電化方式が直流から交流に切り替わることもあって、取手までの快速列車と、その先まで走る中距離列車(さらに、東京メトロ千代田線と相互乗り入れしている我孫子・取手までの各駅停車)にダイヤが分かれています。土浦駅は中距離列車の多くの始発・終点となっていて、その先まで乗り入れる電車も、先の区間が11両編成までしか対応していないため、上野方面から15両編成で走ってきた電車は、この駅で一部車両が切り離されることになります。この列車も、土浦駅で4~5分停車して、切り離しを行うようでした。

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駅の西口を出ると、土曜の午前ですが、人影はまばらで意外に閑散としています。
出た正面には土浦市役所が見えます。

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こちらは市役所の先まで歩いて駅方面を撮った写真。以前はイトーヨーカドーが入っていた駅前の商業施設に市役所が移転したようです。かつてはセブンアンドアイのマークだったはずのところが、市章と市役所のロゴになっています。郊外型のショッピングモールが増えた影響で、こうした駅前の商業施設は厳しい状況なのでしょうけど、寂れた感じを受けました。 

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駅前通りを道なりに5分ほど歩くと、映画館の建物が見えてきます。 

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近づいてみると、ちょっと古そうな感じです。入口は写真左手になります。 

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入口手前にあった上映中&上映予定の作品のポスター。「私は絶対許さない」と「レッド・スパロー」は次の上映予定作品なのでしょう。「この世界の片隅に」のポスターは1年以上上映していることもあって、だいぶ色あせている感じです。 

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本館入口には階段とエスカレーターがありますが、エスカレーターは節電営業で運転を休止しています。階段を2階に上がると、シネマ3とシネマ4の入口と券売所がありますが、東日本大震災で被害を受けて以降、閉鎖されているようです。 右手に奥の新館にあるシネマ1・シネマ2への連絡通路があります。

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入口にあった上映作品の案内(上の写真の左下に見えるのと同じもの)。 

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連絡通路は閑散として殺風景です。明かりもついておらず、悪く言えば廃墟ビルのような雰囲気もあって、ちょっとびっくり。 

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心細く1~2分歩くと、シネマ1・2の券売所に着きます。 着いたのは上映時間の10分前くらい、券売機でチケットを買っていると、スタッフが駆け付けてくれました。

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一時期はシネマ2での上映もあったようですが、この日はシネマ1のみの上映。スケジュールはこんな感じ。
この映画館、SNSの書き込みを見ると、アナウンスされている上映時間より10分ほど前に上映が始まる場合もあるようで、何でだろうと思っていたら、受付の脇にある掛時計の時刻が正確な時刻よりも10分ほど進んでいました。この時計に従って上映を始めると10分前に上映が始まるということなのでしょう。 

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館内はこんな感じ。昔ながらの見上げるスタイルですが、スクリーンは思ったより大きいです。300席の箱ですが、この日は私を含めて6人、私が最後の客のようでした。前から5~6番目の列の中央通路沿いに座りました。

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座席はこんな感じ。ドリンクホルダーも付いていて、いまどきのシネコンと比べても遜色ない感じです。

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座った席から見たスクリーン。結構な大画面。

やはり5~6分前に上映が始まりました。
久しぶりに大画面でみた印象。経営的には良くないのだろうと思いますが、同じ列にお客さんがいないので、心おきなく作品に没頭し、周りの目を気にせず涙を流せるのは初めてかも。私は混んでるスクリーンだとどうしても周りのことが気になってしまうので、これはありがたかったです。
音響も、重低音の迫力はない普通の音響ですが、こもったりすることなくナチュラルに響いて、見た目は場末の映画館でも、こんなにいい音がするんだ、とちょっと驚きました。節電営業中ということで、暖房などの空調はなく、ちょっと寒かったですが、来て良かったと思いました。

後で知ったのですが、この日はこの映画館での上映400日目だったそうです。

上野からで1,140円(ICカード1,144円)と、首都圏から往復すると映画料金よりも交通費の方が高くなってしまう人も多いだろうと思いますが、上映を長く続けているから、という要素を除いても、この映画をもう一度観たいと思っている方であれば、行ってみる価値があるのではないか、と思いました。

(その後の9/9の片渕監督来訪時の様子はこちら