鷺の停車場

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映画「さよなら、クロ」

映画「さよなら、クロ」(2003年7月5日(土)公開)をDVDを借りて観ました。  

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監督は松岡錠司。大まかなストーリーは次のような感じ。

昭和30年代、農家に育てられていた犬「クロ」は、飼い主の引越しで身寄りをなくしてしまうが、高校生の亮介(妻夫木聡)が登校途中に自らの弁当を与えたことをきっかけに学校に向かう。学校では亮介やそのクラスメートの雪子(伊藤歩)が文化祭で仮装行列の準備中、西郷隆盛のお供の作り物の「犬」が壊れてしまうが、そこに、クロが現れ、急遽代役を果たし、学校に住み着くようになる。

その後は住み込みの用務員(井川比佐志)に世話をしてもらいながら一緒に暮らし、夜の警備の見回りに同行するなど、学校に溶け込んでいく。そんなある日、クラスメート・孝二の事故死にショックを受け教室の窓から飛び降りようとする雪子のもとにクロが現れ、雪子は自殺を思いとどまる。

それから10年後。亮介は東京の大学を卒業して獣医となり、雪子は高校卒業後、地元の役場に勤める公務員となっていた。

旧友の結婚式に参列するため帰郷した亮介が母校にも立ち寄ったとき、クロの異変に気づき、地元の動物病院に連れて行くが、手術が必要と診断される。

しかし、在校生たちの募金運動などの熱意もあり、亮介は地元の獣医と手術に挑み、無事成功する。退院したクロは学校で余生を過ごし、数ヵ月後、他界する。学校で行われた葬儀では多くの弔問客が訪れ、校長が弔辞を読む。その中に東京から駆けつけた亮介の姿もあった。葬儀の後、亮介と雪子は、互いの思いを初めて伝え、共に生きていくことを誓う。(ここまで)

長野県の松本深志高校での実話を基にした作品だそうで、実際に同校でもロケが行われたそうです。歴史を感じさせる校舎や校内の光景はいい雰囲気でした。

以前観た「僕のワンダフル・ライフ」もそうでしたが、飼い主など周囲の人間に忠実に仕える犬の姿は、実際に犬を飼っている眼で観るからかもしれませんが、じんわり心にしみるものがあります。主演の妻夫木聡、用務員役の井川比左志を始め、俳優陣も好演。

ちょっと残念だったのは、クロが学校で暮らすようになった時期から、10年後の手術の時期に突然飛んでしまったこと。全体の時間の都合もあったのでしょうが、駆け足でもその間の時期のエピソードがあると、10年後に生徒が募金に立ち上がるほど愛されていたことにより説得力が出てさらに良かったのではないかと思いました。