鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「コーヒーが冷めないうちに」

映画「コーヒーが冷めないうちに」(9月21日(金)公開)を観に行きました。

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(以前もらったチラシ)

川口俊和の同名小説を原作に実写映画化した作品で、主要スタッフは、監督:塚原あゆ子、脚本:奥寺佐渡子など。

行ったのはMOVIX柏の葉。会員になると有料鑑賞1回ごとに次回1,200円で鑑賞できるクーポン(60日有効)がもらえ、さらに有料鑑賞6回で無料鑑賞券1枚分のポイントが貯まります。うまく使うと7,200円で7回観れる計算になるので、映画に行くのが週末中心であれば、TOHOシネマズやイオンシネマなど他の大手シネコンよりもお得だと思います。

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こんな立て看板?もありました。

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103席のシアター5。観客は私たちを含めて10人程度でした。

いとこの時田流(深水元基)が営む喫茶店「フニクリフニクラ」で働く数(かず:有村架純)。そのお店には、特定の席に座ると、望んだ過去に戻れるという都市伝説があった。

その席には、いつも不思議な女性(石田ゆり子)が座って、本を読んでいる。過去に戻りたいお客は、彼女がトイレに立った隙に、その席に座らなければならない。
その席に座ってコーヒーを入れてもらうと、望んだ過去の時点の喫茶店の店内に戻れるが、現実を実際に変えることはできず、コーヒーが冷めるまでに飲み干さなければ、現実に戻ってくることができない。彼女は、数の母だが、戻ってくることができず、幽霊になってしまったのだという。

ある日の喫茶店、常連客の八絵子(吉田羊)や高竹佳代(薬師丸ひろ子)とともに、都市伝説を聞いてやってきた大学生の亮介(伊藤健太郎)、アメリカに旅立った幼なじみの五郎(林遣都)とケンカ別れをしてしまったキャリアウーマンの二美子(波瑠)がいる。その席が空くのを待っていても、なかなか席は空かない。八絵子と佳代は帰っていくが、亮介と二美子は待ち続ける。閉店時間の20時になって、ようやく幽霊はトイレに立つ。その隙にその席に座った二美子は、ケンカ別れをした日の喫茶店に戻り、伝えることができなかった本当の気持ちを伝えようとする。現在に戻ってきた二美子は、決心を固め、五郎を追ってアメリカに渡っていく。

このお店の常連客となっている佳代は、戻って夫に渡したい物があると語るが、いつも席は空かず、時間になると夫の房木(松重豊)が迎えに来るが、彼女は彼が夫であることを忘れてしまっている。ある日、財布を忘れて会計ができず、閉店後に支払いに来た房木を、マスターの時田が日本酒でもてなしていると、幽霊はトイレに立っていく。房木は、マスターの勧めで、佳代が渡したいという物を受け取りに行こうと、以前に2人でこの喫茶店に来た日に戻る。そこで会った佳代は、房木が未来から来たことに気付き、未来の自分がどうなっているかを尋ねる。房木の頼みに佳代が渡したその物を、房木は現在に戻ってきて読み、涙を流す。

八絵子は、スナックを営んでいるが、妹(松本若菜)を裏切って、仙台の名門旅館を営む実家を飛び出してきた過去がある。妹は時々喫茶店に八絵子に会いに来るが、八絵子は厨房に隠れて会おうとしない。そんな中、妹が事故で亡くなったと連絡が入る。葬儀から戻った八絵子は、気持ちを整理しようと、最後に妹が来店した日に戻る。久しぶりに面と向かって話す2人。妹の本心を知った八絵子は、実家の旅館を継ぐ決心をする。

そんな日々の中、少しずつ亮介と数は親密になっていく。ある日、数の妊娠が判明し、亮介は妊娠を喜び、数との結婚を決めるが、母が戻ってこなかったことに自責の念を抱いている数は、幸せになっていいのか悩み、過去に戻って母に会いたいと願う。しかし、過去に戻るためには、時田家の女性がコーヒーを淹れないといけないのだという。今、時田家の女性は数しかおらず、自分で淹れても戻ることはできない。
秘策を思いついた亮介は、ある日、数を開店前の8時に喫茶店に呼び出す。喫茶店を訪れた数は、亮介の秘策のおかげで、母に最後に会ったクリスマスの日に戻ることができ、母と話す。数は母は先に亡くなった父に会いに行って戻らなかったと思い込んでいたのだが、実は、病気で余命3か月と診断された母は、自分亡き後の数が心配でたまらず、過去から数か月後のクリスマスにやってきたのだった。母は、行かないでとすがる数を見て、コーヒーを飲み干す機会を失ったのだった。別れを惜しむ数に、コーヒーを飲み干させ、数を励ます母。母の本当の気持ちを知った数は、気持ちの整理が付いて、前向きに人生を歩み出す。・・・というあらすじ。

感想を一言でいえば、大人向けの心暖まるおとぎ話。
涙を誘う展開、演出、よくできています。最初のエピソードは唐突感がありましたが、後の方のエピソードでは途中の伏線も効果的に生かされていて、より深く心にしみるストーリーになっていました。特に最後の数のエピソードは涙するシーンが多かった。俳優陣もいい感じ。とりわけ伊藤健太郎松重豊が良かった。

「4回泣けます」との謳い文句ですが、その席に座って過去に戻るエピソードが4つあるので、1つにつき1回泣けるということなのでしょうね。私自身は全てのエピソードで泣いたわけではないので、4回泣けるかどうかはさておき、泣ける系の映画としてはなかなか優れた作品だと思いました。