鷺の停車場

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劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」を再び観る

しばらく前になりますが、劇場アニメ「君の膵臓をたべたい」を再び観ました。

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以前もらったチラシ。

行ったのはMOVIX柏の葉。 

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この映画館では小さい方の105席のシアター1。

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ほぼ真ん中のE列からは、スクリーンは大画面ですが、大きすぎることもなく、ちょうどよい感じ。観客は2~30人くらいだったでしょうか。

以下、大いにネタバレですが、記憶の範囲でのあらすじと感想です。

高校2年生になった4月、クラスメートと交わろうとせず、いつも本を読んでいる「僕」は、盲腸の手術の抜糸に行った総合病院の待合室で、床に落ちた本を見掛ける。拾い上げて開いてみると、表紙に手書きで「共病文庫」と書かれた日記帳で、膵臓の病気になったことが書かれていた。そこに、同じクラスで活発な人気者の桜良がやってくる。それは自分の本で、学校の誰にも言っていないが膵臓の病気で死ぬことを打ち明けるが、「僕」は冷たい反応で本を桜良に返し、病院を出る。

その後間もなく、「僕」に興味を持った桜良は、「僕」が務めている図書委員の空席に名乗りを上げ、学校の図書館で共に時を過ごすようになる。昔の人は内臓が悪いときその内臓を食べると良くなると信じていた、また、食べた人にその魂が生き続けるという信仰もあったと聞いた桜良は、図書館で本の整理中、「君の膵臓をたべたい」と「僕」に語る。そして、「僕」を半ば強引にホルモン焼肉店や喫茶店「Cafe Spring」、スイーツパラダイスなどに連れ出す桜良。クラスでは2人の関係が噂となり、親友の恭子などの友人は「僕」を警戒し忠告するが、桜良は全く意に介さない。

「僕」は、桜良に、親友さんに病気のことを話さないのと言ってみるが、桜良は、恭子は感傷的だから言うと会うたびに泣いちゃう、そんな時間は楽しくない、君だけが、真実を知りながら自分と日常をやってくれる存在なんだと語る。

5月、連休に桜良は電車で遠出しようと「僕」を連れ出す。「僕」は日帰りのつもりで軽装で出掛けるが、乗ったのは新幹線、行き先は福岡だった。ホテルの手違い?もあってダブルベッドの高級な部屋に泊まることになった2人。シャワーを浴びる桜良に洗顔クリームを取ってと頼まれ彼女の鞄を開いた「僕」は、鞄に何種類もの薬が入っているのを見つけ衝撃を受ける。

シャワーの後、桜良が買ってきたお酒を飲みながら、トランプで互いの質問に答えていく「真実か挑戦かゲーム」を始める2人。桜良の質問に「僕」がクラスで3番目にかわいいと答えると、桜良は恥ずかしいと照れて顔を赤らめる。最後のターン、桜良の質問は「私が本当は死ぬのがメチャクチャ恐いと言ったらどうする?」。「僕」は回答を拒み、桜良は一緒にベッドに寝るよう命ずる。
帰りの電車、桜良が、また旅行に行こう、今度は冬に、と言うと、「僕」は素直に同意する。旅行は楽しかったと言う「僕」に驚く桜良。

連休明けの放課後、2人で旅行に行ったことを知った恭子は、「僕」に、桜良は傷付きやすい子、中途半端な気持ちで付き合うなら近付くな、桜良を傷付ける真似をしたら本気で殺す、と強く迫る。その夕方、桜良は「僕」に自分が好きな本「星の王子様」を貸したいと自宅に招く。テレビゲームで遊んだ後、「僕」が帰ろうとすると、桜良は、「死ぬ前にやりたいこと」の1つ、恋人でも彼氏でもない男の人といけないこと、と後ろから抱きしめ、キスをしようとする。唇を合わせる直前、冗談よ、と離れた桜良を、気持ちが高ぶった「僕」はベッドに押し倒すが、抵抗し涙を流す桜良の姿を見て我に返り、桜良の家を後にする。
桜良の家を出た「僕」は、待っていたタカヒロに絡まれる。彼女とは皆が思っているような関係ではないよ、と言って立ち去ろうとするが、なお突っ掛かるタカヒロに、彼女はしつこいのは嫌い、前の彼がそうだったらしい、と言葉を投げる。激高したタカヒロは「僕」を殴る。前の彼とはタカヒロだったのだ。そこに駆け付けた桜良は、「タカヒロを嫌いになったから、もう私や私の周りの人に何もしないで」と退ける。タカヒロや恭子のように本気で桜良を思っている人といるべきだと言う「僕」に対し、桜良は「僕」への思いを、そして、偶然や運命ではなく選択の積重ねで、自分たちの意思で2人が出会ったのだ、死ぬまで一緒にいてほしい、と語る。

2人で「死ぬ前にやりたいこと」を半分ほどクリアした7月、桜良は、病状が悪化し、入院してしまう。心配して見舞いに駆けつけた「僕」に桜良は、一回勝負で「真実か挑戦かゲーム」を挑むが、負けてしまう。君にとって生きるってどういうこと?との質問に、桜良はちょっと考えて、誰かと心を通わせること、と答える。本当に君にはいろんなことを教えられる、ありがとう、と言う「僕」に、桜良は、冗談じゃないよと言ってハグをする。そこに恭子が入ってくる。桜良は「僕」を問い詰めようとする恭子にハグし、「僕」を逃がす。その夜、桜良は母親(和久井映見)に、死んだらお願いしたいことがあると、何かを頼む。

8月、桜良の入院は2週間延びてしまう。桜良に呼び出された「僕」が病室を訪れると、桜良は病院近くの見晴らしのいい高台に連れていく。間もなく、花火大会が始まる。花火を見ることは「死ぬ前にやりたいこと」の1つ、だからこの日に「僕」を呼んだのだ。「僕」は、これでも大病を抱えた君を心配しているんだ、生きていてほしいと伝え、桜良の求めに応じて彼女をハグする。

間もなく、桜良は退院できることになる。喫茶店Cafe Springで待つ「僕」は、喫茶店に向かう桜良と携帯メールを交わす。桜良の「私を褒めなさい!」とのメールに、最初は「君の爪のアカを煎じて飲みたい」と打つが、少し考えて「君の膵臓を食べたい」と返事する。しかし、桜良は夕方になってもやってこなかった。帰宅した「僕」は、テレビのニュースで、桜良が通り魔に刺され、亡くなったことを知り、打ちひしがれる。

心の整理を付けることができない「僕」は、桜良の通夜も葬式も出ず、桜良に借りていた「星の王子様」を読んだりして家にこもっていた。10日経って、ようやく現実に向き合える程度には心の整理が付いた「僕」は、物語の結末に向き合おうと、桜良の家に向かう。母は、ちゃんとお別れしてきなさい、と「僕」に香典を渡す。

桜良の家で焼香した「僕」は、お母さんに、僕は桜良さんの病気のことを知っていました、と伝え、「共病文庫」を見せてほしい、と頼む。お母さんは「君だったのね」と涙する。桜良は生前、自分の病気のことを、「共病文庫」を知っている人が1人だけいるから、その人に渡してほしい、その人は臆病だから、葬式には来ないかもしれないけど、絶対に取りに来てくれるから、と言っていたのだと。

「共病文庫」を開き、知り合ってから、亡くなった日までの日記を読む「僕」に、桜良との思い出が走馬燈のように蘇る。 「共病文庫」を閉じ、お母さんに返そうとすると、母親は、桜良が伝えたいことは、もっと先にあると言う。後ろのページを開いていくと、桜良の「遺書」(の下書き)が出てくる。みんなへ、両親へ、恭子へ、そして「君へ」。自分への「遺書」を読んで彼女の本当の思いを知った「僕」は、お母さんに、お門違いとは分かっています、でも、もう泣いていいですか、と言葉を絞り出し、号泣する。

桜良の「遺言」で「共病文庫」を受け取った「僕」は、恭子を喫茶店Cafe Springに呼び、「共病文庫」を見せる。それを読み、生前の桜良の思いを知った恭子は、その場に崩れ落ち、号泣する。しかし、泣き止んだ後、生前に教えてくれれば、もっと桜良と時間を過ごせた、部活も学校もやめた、病気のことを教えてくれなかった「僕」を許さない、と言って店を出る。恭子と友達になってほしい、という生前の桜良の言葉。「僕」は恭子を追いかけて走り出し、恭子に、少しずつでいいから僕を許してほしい、そして、友達になってほしい、と伝える。

そして1年後、桜良の墓参りをする「僕」と恭子。「僕」は、桜良のように、人を認め、そして人を愛することができる人間に変わろうとして、ようやくここまできたのだ。墓参りを終えた2人は、一緒に桜良の家に向かうのだった。 

・・・というのがあらすじ(多少の記憶違いがあるかもしれません)。

感想を、あえて気になったところから書くと、一番もったいないのは、やはり、「僕」が桜良の「遺書」を読む場面。「星の王子様」風の映像を挿入するのは悪くないアイデアだと思うのですが、結構長い時間続くので、だんだんと桜良の言葉が死を覚悟して書き残した告白というより、「僕」の空想のようなファンタジーっぽい感じがしてきて、真実味が薄れてしまう印象がありました。例えば、「遺書」を読む「僕」の姿や「遺書」の記述に対応する回想シーンを時々挟むとか変化があれば、かなり印象が違って、さらに素晴らしい作品になったと思うのですが・・・。花火大会のシーンは、実際よりもかなり豪華に満開の花火が次々に花開きますが、これはご愛嬌。

しかし、桜良と「僕」が関係を深めていく過程や、桜良の心の襞みたいな部分が丁寧に描かれていて、じんわりと引き込まれる、とても良い作品。主人公2人の声を演じる高杉真宙とLynnも好演。桜良の声は少し明る過ぎる気もしますが、死への不安を隠しあえて明るく振る舞っている感じもして、冷酷な現実とのギャップがより強くなっている感じもします。

心が動くシーンはたくさんありますが、とりわけ、桜良が入院してから、亡くなって「僕」が「共病文庫」の日記を読むあたりまでの展開は、結末が分かっていても、涙なしに観ることができない、強い印象を受ける部分。主人公2人はもちろんですが、桜良の家に行く「僕」に香典を渡す母、「共病文庫」を取りに来た「僕」に涙する桜良の母、2人の母の思いにも、涙腺が緩みました。

公開からの上映館での上映はほぼ終わりつつありますが、これから上映する映画館もあるようです。気になっている人はぜひ観てほしいと思います。