鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「あいあい傘」

平日の夜、TOHOシネマズ流山おおたかの森に行きました。 

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夜の21時ごろ、ほとんどお客さんはいません。

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(以前もらったチラシ)

この日観たのは「あいあい傘」(10月26日(金)公開)。宅間孝行監督が、自身が主宰する劇団でかつて上演した舞台作品を映画化したものだそうです。

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この日の上映は58席の「プレミアスクリーン」。映画館自体は何度も来ていますが、このスクリーンで観るのは初めて。

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スクリーンに入る手前には、このような専用ロビーまであります。過剰な設備なような気がしますが・・・

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シートはカップル向けの仕様。座面の幅や前の列との間隔もゆったりしていて、いつも以上に快適な鑑賞環境です。

お客さんは5人ほど。郊外の映画館の平日レイトショーだとこのくらいなのかもしれません。

大まかなあらすじは、かつて母と自分を捨てて姿を消した父の六郎(立川談春)を探しにとある田舎町にやってきたさつき(倉科カナ)は、たまたま六郎と電話していたテキ屋の清太郎(市原隼人)と出会い、声を掛ける。さつきに一目惚れした清太郎を通じて、六郎が玉枝(原田知世)とその娘の麻衣子(入山杏奈)と家族として暮らしていることを知るさつき。初めは自分たちを犠牲にして幸せに暮らす父とその家族を憎く思うさつきだったが、麻衣子、玉枝、六郎それぞれの思いを知っていくにつれ、その気持ちが変化していく・・・というもの。

前半は、清太郎とテキ屋の仲間のデフォルメされたドタバタ劇(これは演劇作品由来のものなのでしょう)のウェイトが大きくて、そういうタイプの映画は好みでないので、これはセレクトを失敗したか、と思いながら観ていきましたが、終盤には、さつきや六郎たちの心情を描きしっとり泣かせるドラマとなっていました。

さつきと清太郎たち、六郎とその家族の現在を描くメインストーリーの合間に、六郎の回想シーンが織り込まれ、六郎がさつきたちを捨てて姿を消した理由が次第に分かってくる、序盤に何気なく織り込まれたシーンが、実は伏線となっていて終盤にその意味が明らかになる、といったあたり、構成もよく練られた作品だと思いました。

俳優陣では、立川談春は好みではなかったですが、特に原田知世の玉枝の穏やかに受け入れる人柄がにじみ出るような演技は素晴らしいと思いました。