鷺の停車場

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劇場版アニメ「若おかみは小学生!」トークショー付き上映@キネマ旬報シアター

日曜の午後、キネマ旬報シアターへ。

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この週の上映作品。

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観に来たのは、「若おかみは小学生!」(9月21日(金)公開)。

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この日は、上映終了後に、高坂監督、齋藤・豊田プロデューサーによるトークショーがあるとのことで、あらかじめ予約して家族連れでやってきました。

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映画館の入口ではおっこがお出迎え。

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劇場で配布されていたガイドブック。これだけ見るととても明るて、気軽に発したかのような「あたしは・・・若おかみです!」のセリフが、本編では、とても重たくて、涙を流さずにはおれないようなセリフであるとは、全く想像がつきません。この辺は、この作品がどの層に訴求するか、というところをうまく読むことができなかったのでしょう。実際に作品を観た方のSNSの書き込みで、ここまでリカバリーしたことは素晴らしいですが、当初のマーケティングがうまくいっていれば、もっと普及していたのかもしれません。
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館内ロビーには展示もありました。

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この作品は基本スクリーン3での上映ですが、この回は一番大きい160席のスクリーン1での上映。最前列の両端など空席もあったので、お客さんは140人くらいの入りでしょうか。私たちのほかにも数組子ども連れがいましたが、客席の多くは中高年を中心とした男性のようでした。

トークショーが入り時間の制約もあるのでしょう、通常なら5分くらいは入る予告編や映画泥棒もなく、KINENOTEアプリの宣伝のみですぐに本編上映が始まります。

この作品はこの日で3回目でしたが、これまであまり気付かなかったBGM・効果音に意識が向きました。このスクリーンの音響もあるのか、細かい音もよく聞こえるような気がしました。そうしたこともあって、過去観た上映よりも心にしみて、「若おかみです」のシーンはボロボロ涙が出ましたし、ラストの神楽の締めのシーン、エンドロールのイメージボードにも涙を誘われました。

画も、これまで意識していなかったのですが、改めて観ると包丁の刃に映る切っている食材や、テーブルなどに映る人の影の動きまで精緻に描き込まれているのは驚きでした。

本編終了時には自然と拍手が起こり、5分の休憩の後、トークショーが始まりました。

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他の方のSNSへの書き込みも参考に、記憶の限りで、その一部を紹介すると、こんな感じでした(細部の表現は不正確だと思うので、こんな趣旨のことを言っていた、という程度にご理解ください)。

・こんなに受け入れられ、上映が続いて良かった。

・テレビ版監督の谷さんから、テレビ版のイメージイラストを描くよう頼まれてイメージボードを描いたが、テレビ版の制作が宙ぶらりんとなってしまう中で、映画版の監督の話があり、引き受けることになった。

・(海外での反応について)アヌシーで上映したときには、真月が名言を言うシーンがウケて、ウォルト・ディズニーのところは爆笑なのは意外だったが、そのほかは、日本とさほど違わない反応。韓国では、あのシーンの原画は誰か、●●さんはどのシーンの原画を描いたのか、というマニアックな質問が多かった。

・(エンドロールで流れるイメージボードに本編にないシーンがあるがどんなシーンだったのか、との質問に)イメージボードは、原作をどう90分の尺にまとめるか、プロットを書きながら描いたもの。それをそのまま使ったので、本編ではカットされたシーンも入っている。(妊婦が描かれたイメージボードは?との質問に)おっこを妊娠している母親が鈴鬼に話しかけるシーンで、鈴鬼が両親を事故に遭わせたのではないことを示す意味で入れたが、尺の都合でカットになった。

・(カットされたシーンを加えたバージョンが作られる可能性は?との質問に)そうした作業はしていないので、それはないでしょう。

・(鈴鬼が封印されていた木箱が後で汚れているのは鈴鬼の食べかすか何か?との質問に)そうです。食べかすです。

・(翔太くんの独特の笑い方は、翔太くんが気に入っている誰かの真似とか、意図があるのかとの質問に)絵的なかわいらしさであの笑顔になった。笑い声は、技術的な事情もあって「シシシシ…」という笑い声になった。

・(一番惚れ込んだシーン、カットして残念だったシーンは?との質問に)どのシーンも手を抜いてない(ので好き)。峰子さんが倒れるシーンを入れられなかったのは残念。病床に伏す峰子さんが、10数年前のお腹の大きいおっこの母親に、無理をしないでと諭される夢を見て、起きると心配そうなおっこの姿が、というシーンで、神楽の練習の時におっこと真月が激しい口喧嘩の引き金となる、女将はもう大女将になってもいい年齢、という真月の発言につなげる趣旨で入れたかったが、尺の都合でカットになった。

・ウリ坊がおっこの体をすり抜ける時に顔が近づいて一つ目になるのは、自分が娘と「一つ目~」って遊んだのを取り入れたもの。

・(おっこのたすきの結びがテレビ版と逆なのは?との質問に)映画「千と千尋の神隠し」の作画監督をした際に、千尋がたすきをした絵を描いたことがあって、その時にたすきを左側に結んだので、今回も特に何も考えずに左になった。テレビ版との差別化といった意図はない。

・(子ども時代の峰子さんがテレビ版と違うのは?との質問に)昔は今ほどひんぱんに髪を洗えるわけではないので、当時の写真を見ると女の子はおかっぱが多い。ウリ坊がシャツをズボンの中に入れているのも、自分が子供の頃はシャツの裾を出してると怒られた。そういうことを参考に、実際の時代に合わせた描写にしている。

・また監督をさせていただけるようで、今企画を選んでいるところ。劇場で公開された際には観ていただけると幸い。

などなど。ネットには書けないオフレコのお話もありました。

トークショーの終了後、事前のアナウンスはありませんでしたが、パンフレット購入した人対象のサイン会が開かれ、パンフレットを買う人で長い行列ができていました。私は、その後の予定もあって、残念に思いつつ映画館を出ました。

この映画館での上映は12/7(金)まで。上映館もだいぶ減ってきていますが、タイトルやキャラクターのビジュアルから想像されるイメージとはかなり違って、むしろ大人に強く響く物語、イメージで敬遠せずに観てほしいと思います。