鷺の停車場

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カルロ・ゼン「幼女戦記」第2巻 "Plus Ultra"

カルロ・ゼン著の小説「幼女戦記」、第2巻「Plus Ultra」に進みました。

幼女戦記 (2) Plus Ultra

幼女戦記 (2) Plus Ultra

 

副題の"Plus Ultra"(プルス・ウルトラ)とは、ラテン語で「もっと先へ」というような意味の言葉のようです。

第1巻と違って、この巻では、時期が明示される出来事が大幅に増え、ほとんどの場面で年月日が明示されています。あらすじ紹介を兼ねて列挙してみます。

(以下は統一暦。小説での登場順)

第一章:ダキア戦役

1924年09月24日 ランシルヴァニア地方トゥオーラ郡帝国軍野戦演習場、第二〇三航空魔導大隊が初の出撃命令を受け出撃、ダキア公国軍司令部を撃破。

1924年09月25日 第二〇三航空魔導大隊がダキア公国首都に進攻、兵器工廠を爆破。

1924年10月23日 帝国軍参謀本部第一(陸軍)晩餐室、ゼートゥーア少将とルーデルドルフ少将がオース・フィヨルド進攻作戦を練る。

第二章:ノルデンⅠ

1924年11月04日 協商連合軍国防省第二人事室、アンソンが大佐の階級章を手渡される。

1924年11月05日 帝都第十四駐屯地講堂、ターニャが第二〇三航空魔導大隊のノルデン転属命令を告げる。

1924年11月06日 北方管区クラグガナ物資集積地点防衛前衛部、ヴァイパー大隊を第二〇三航空魔導大隊が救援、ターニャは連合王国義勇軍前線司令部を爆破。

1924年11月07日 協商連合某所……連合王国人道支援団体"ピース・ワールド"運営病院、前日の第二〇三航空魔導大隊の攻撃で負傷した?ガーニング中尉が意識を取り戻すが、前日の記憶を辿っていくうちに錯乱する。

第三章:ノルデンⅡ

同日 ノルデン帝国軍司令部某所、ターニャはルーデルドルフ少将から敵防御線を制圧するための空挺作戦の準備を指示される。

1924年11月16日 北方方面軍司令部参謀会議室、参謀を前にターニャは短期攻勢に反対意見を表明。

同日 ノルデン司令部 ルーデルドルフ少将執務室、ターニャはルーデルドルフから大規模揚陸作戦のための転属命令を受ける。

1924年11月29日 北洋艦隊母港-艦隊旗艦司令部、揚陸作戦の作戦会議での命を受け、第二〇三航空魔導大隊がオース・フィヨルドの砲台制圧に出撃。協商連合軍のアンソン大佐率いる魔導部隊が応戦するも、帝国軍は揚陸に成功。

同日 共和国ー海峡司令部、帝国軍艦隊が協商連合後方への揚陸作戦に向かったことを察知、出撃させようとするが間に合わない。

1924年12月04日 連合王国 ロンディニウム 内緒の某所、連合王国軍参謀が協商連合政府からの評議員輸送の要望を受け入れ、仮装巡洋艦から洋上で潜水艦に移乗させて輸送することを決める。

第四章:ノルデン沖の悪魔

1924年12月10日 協商連合アーネルスネ港、アンソン大佐がメアリーなど家族と別れを惜しむ。メアリーからクリスマスプレゼントとして短機関銃を贈られる。

1924年12月11日 帝国 ライネホテル食堂、ターニャは休暇中の保養地のホテルで、ルーデルドルフ少将から電話で第二〇三航空魔導大隊の駐屯地終結を命ぜられる。

同日 帝国軍第二〇三大隊仮設駐屯地、大隊は協商連合艦艇の捕捉撃滅の支援に出撃。迎撃したアンソン大佐を銃剣で刺し貫き、短機関銃を奪う。その後、帝国軍北方哨戒空域B47にて国籍不明の潜水艦を威嚇射撃し、沈没させる。

1924年12月12日 連合王国 ロンディニウム 内緒の某所、連合王国軍参謀が作戦失敗に頭を抱える。ターニャたち大隊はまるで狙っていたかのように、協商連合評議員を輸送する艦船を攻撃していたのだ。

同日 帝国軍参謀本部合同会議室、帝国軍参謀が、協商連合艦艇の捕捉撃滅の失敗に苦慮。第二〇三大隊駐屯地ではターニャがレルゲン中佐からライン戦線への転属命令を受ける。

1925年01月18日 帝国海軍 北洋艦隊司令部付第二演習海域、第二〇三航空魔導大隊が艦隊総合近接演習に参加。

第五章:ラインの悪魔

1925年03月 ライン戦線、第二〇三航空魔導大隊が塹壕戦。

1925年02月24日 ベルン郊外 帝国軍軍事裁判所、ターニャ少佐が却下判決を受ける。

1925年04年05日 ライン戦線、第二〇三航空魔導大隊にグランツなど補充要員が加わる。ターニャは食あたりで傷痍退役することになったタイヤネン准尉の家族に手紙を書く。

1925年04年28日 帝国軍参謀本部、戦務・作戦合同会議、ゼートゥーア少将が敵を消耗させるための攻勢計画を提案する。

1925年04年29日 ターニャが即時出頭命令を受ける。

第六章:火の試練

1925年05月04日 ライン戦線、帝国軍参謀団がパルチザンの蜂起により失陥したアレーヌへの対応を協議。ターニャは敵魔導師の鎮圧を命ぜられる。

1924年04月13日 第一七研究室(帝国軍軍大学における合同戦略研究会議)、市街地戦への対応との課題を討議。

Xday 第二〇三航空魔導大隊がアレーヌ鎮圧作戦に参加。作戦後、参謀本部への出頭命令を受けたターニャは帝都に向かう列車で陸軍鉄道部の軍大学の同期・ウーガ少佐に偶然会い、参謀本部が撤退作戦を計画中であることを聞かされる。

第七章:前進準備

1925年05月10日 第二〇三航空魔導大隊が主力部隊の大規模欺瞞後退作戦をカモフラージュするため強行偵察任務を敢行。

1925年05月18日 ライン第二防衛線、ヴァイス中尉がグランツ少尉と意見交換。

1925年05月21日 帝国軍参謀本部第一(陸軍)晩餐室、ルーデルドルフ少将とゼートゥーア少将が会食。

同日 ライン戦線、17時にターニャが封緘命令を開く。

外伝:借りてきた猫

テレビアニメ版では第2話「プロローグ」の最後に挿入されている、軍の宣伝のために、ターニャが女装、もとい、化粧しドレスを着ておめかしさせられ写真を撮られるシーンが描かれています。

 

テレビアニメ版でいうと、おおよそ、第5話「はじまりの大隊」の後半から第8話「火の試練」に対応しています。

テレビアニメ版では、当然ながらカットされている場面のほか、複数の場面が統合されたり、設定が変更された部分もあります。

例えば、上記1924年11月29日のオース・フィヨルドでの戦闘、アニメ版では、上記同年12月11日の戦闘シーンのエピソードと統合され、アンソン大佐がターニャに撃ち落され、メアリーから贈られた短機関銃を奪われることになっています。

はまってしまうと最後まで知りたくなってしまう性分なので、さらに読み進むことになりそうです。