鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「まく子」

映画「まく子」(3月15日(金)公開)を観ました。

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行ったのはTOHOシネマズ流山おおたかの森。この作品も全国46館での公開で、TOHOシネマズで上映しているのは8館だけ。やはりこの映画館ならでは。

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上映は127席のスクリーン5。中に入るとお客さんは20人ほど。

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(以前もらったチラシ)

直木賞も受賞している西加奈子の同名小説を映画化したものだそうで、監督・脚本は鶴岡慧子。

公式サイトでの作品情報から引用すると、

ひなびた温泉街の旅館の息子・サトシ(山崎光)は、小学5年生。自分の体の変化に悩み、女好きの父親(草彅剛)に反感を抱いていた。ある日、美しい少女コズエ(新音)が転入してくる。言動がどこか不思議なコズエに最初は困惑していたサトシだったが、次第に彼女に魅せられていく。そして、「ある星から来たの。」と信じがたい秘密を打ち明けるコズエが、やがて町の人々みんなにまいたものとは…。かけがえのない思春期を生きるサトシの葛藤とコズエとのせつない初恋を軸に、家族を愛しつつも浮気をしてしまう父親、それを知りながら明るくふるまう母親(須藤理彩)、道ならぬ恋をする若い女性(松山愛里)、訳あり親子……小さな町のどこか不器用な人々を映し出す。

・・・というあらすじ。

第二次性徴を迎え、自分の体に起こる変化に違和感を覚えおののき、どうしてこのままでいられないのか、と思うサトシ。周囲に将来なりたいと思うような大人の男はおらず、隣町の女性と浮気している女好きの父親を最低だと思っている。そこに、サトシの旅館の仲居として住み込みで働くことになった母(つみきみほ)とともにコズエがサトシの家にやってくる。コズエは、ある星で変化せず永遠に生きる存在だったが、増え過ぎて死ぬことができることになったので、死ぬとはどういうものかを知るために地球に来たのだと言う。握った手を開くと掌の色合いが変わるのを興味深く眺めたり、枯れ葉を撒くのが楽しいのは(飛び続けないで)下に落ちるからと言うコズエと接するうちに、大人に変化していく自分や父親を受け入れるようになっていくサトシ。思春期の入口のちょっと不安定な心を切り取った描写は、ちょっと心に刺さる、新鮮な感覚でした。

「ちょっと」だったのは、観ながら感じた違和感があったのだろうと思います。

原作を知らずに観たこともあって、リアルな設定の作品だと思い込んでいたので、コズエたちのSF的な設定が想定外だったのが大きかったのかも。

あと、映画の尺に収めるためのアレンジかもしれませんが、例えば、たまたま出会った父親の不倫相手とお神輿を壊すシーンとか、いくつか腑に落ちない展開があったのも一因なのでしょう。映画全体の雰囲気はけっこう私好みだったのですが。

余談に近い話で、作品に対する違和感とは違いますが、小学5~6年生でこうした体の変化が起きるなんて、今の子どもは発育が早いんだなあと思います。正確には覚えていませんが、数十年前の自分にこうした変化が起きたのは中学生になってからだったような気がするので・・・