鷺の停車場

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コミック「幼女戦記」を読む②第4巻~第6巻

カルロ・ゼン作の同名小説のコミカライズ版の漫画、東條チカ「幼女戦記」の続きです

第4巻

幼女戦記 (4) (角川コミックス・エース)

幼女戦記 (4) (角川コミックス・エース)

 
Kapitel:10 始まりの大隊Ⅰ

原作の第1巻の第5章「始まりの大隊」、おおむねテレビアニメ版の第5話「はじまりの大隊」に対応する部分。統一暦1925年、参謀本部戦務局編制課で、予想だにしていなかった大量に寄せられる応募書類の山に驚くターニャ。応募を躊躇させようと過激な求人条件を並べたのだが、ターニャの思惑が裏目に出て、活躍の機会を渇望していた東部や南部の魔導師たちの琴線に触れたのだった。このディスコミュニケーションはこの作品の面白さの1つ。ハードルを上げて編制を遅らせようと試みるが、あまりの不合格者の多さにゼートゥーアに要求水準の引下げを求められ、再訓練のための期間として1か月を要求する。新兵教育には2年かかるという中、1月で再訓練するというターニャに頼もしさを感じるゼートゥーア。

Kapitel:11 始まりの大隊Ⅱ

原作の第1巻の第5章「始まりの大隊」、おおむねテレビアニメ版の第5話「はじまりの大隊」に対応する部分。脱落による編制の引き延ばしを目論み過酷な訓練を課すターニャだったが、志気旺盛な隊員たちはそれをくぐり抜け、精鋭部隊に成長してしまう。統一暦1925年9月24日(マンガでは1924年となっていますが、前後の関係からして1925年の誤りと思われます)、レルゲンたちは緊急の査閲で通常の部隊では考えられない能力を発揮する第二〇三航空魔導大隊の精鋭ぶりに驚くが、そこにダキア参戦の知らせが入り、大隊はダキアへの展開を命ぜられる。

第5巻

幼女戦記 (5) (角川コミックス・エース)

幼女戦記 (5) (角川コミックス・エース)

 
Kapitel:12 ダキア戦役Ⅰ

原作の第2巻の第1章「ダキア戦役」、おおむねテレビアニメ版の第5話「はじまりの大隊」に対応する部分。統一暦1925年9月24日、帝国に宣戦布告したダキア公国軍が三個師団で国境を侵入するが、航空戦力がないダキア軍に勝利を確信したターニャが一個大隊で迎撃に向かう。

Kapitel:13 ダキア戦役Ⅱ

原作の第2巻の第1章「ダキア戦役」、おおむねテレビアニメ版の第5話「はじまりの大隊」に対応する部分。前近代的ダキア公国軍の三個師団を蹂躙した第二〇三航空魔導大隊は、統一暦1925年9月25日未明、航空管制もないダキア首都に進撃、兵器工廠を攻撃、誘爆させ撃滅する。そして、統一暦1925年10月23日、帝国軍参謀本部のゼートゥーアとルーデルドルフは、第二〇三航空魔導大隊のオースフィヨルド派遣を決める。

Kapitel:14 ノルデンⅠ

原作の第2巻の第2章「ノルデンⅠ」、おおむねテレビアニメ版の第6話「狂気の幕開け」に対応する部分。統一暦1925年11月4日、大佐に昇進したアンソン・スー。協商連合評議会では、ダキア公国軍を壊滅した「ラインの悪魔」に、対策を検討する。翌日、ターニャ率いる第二〇三航空魔導大隊はノルデン行きを命ぜられる。

第6巻

幼女戦記 (6) (角川コミックス・エース)

幼女戦記 (6) (角川コミックス・エース)

 
Kapitel:15 ノルデンⅡ

原作の第2巻の第2章「ノルデンⅠ」、おおむねテレビアニメ版の第6話「狂気の幕開け」に対応する部分。統一暦1925年11月5日、ノルデン行きを命ぜられたターニャは大隊員たちに激を飛ばす。翌日、帝国軍の北方ノルデン管区クラグガナ物資集積地点防衛前線部で協商連合軍などの攻撃に大隊長も負傷した北方方面軍ヴァイパー航空魔導大隊のもとに、第二〇三航空魔導大隊が救援に向かう。

Kapitel:16 ノルデンⅢ

原作の第2巻の第3章「ノルデンⅠ」、おおむねテレビアニメ版の第6話「狂気の幕開け」に対応する部分。統一暦1925年11月6日、北方方面軍司令部では、ピクシー大隊こと第二〇三航空魔導大隊の、既存の部隊と隔絶した高い能力に動揺する。ピクシー大隊は、共和国派遣義勇魔導大隊・協商連合魔導部隊を壊滅、前線から20キロ後方の連合王国派遣義勇軍前線司令部を爆破し、協商連合を北方ノルデンから撤退させる。

Kapitel:17 ノルデンⅣ

原作の第2巻の第3章「ノルデンⅡ」、おおむねテレビアニメ版の第6話「狂気の幕開け」におおむね対応する部分。前半は、統一暦1967年、アンドリュー記者が最初に北方ノルデンに現れた「十一番目の女神」の謎を追うシーン。後半は、統一暦1925年11月15日、北方ノルデン帝国軍駐屯拠点で、ターニャは、同所を訪れたルーデルドルフに敵防御線の制圧を命ぜられる。

Kapitel:18 ノルデンⅤ

原作の第2巻の第3章「ノルデンⅡ」、おおむねテレビアニメ版の第7話「フィヨルドの攻防」に対応する部分。統一暦1925年11月16日、北方方面軍司令部での将校団の会議で、冬季進軍は失敗すると断言するターニャ。北方方面軍司令官が激高するのも意に介さず、捨て台詞を吐いて退席するターニャだったが、ルーデルドルフは、第二〇三航空魔導大隊をキーとする冬季攻勢作戦を提案する。

 

戦況の動きなど、マンガならではのコンパクトに工夫された説明の一方で、原作よりも丁寧に描写しているところもあって、ターニャの目論見がゼートゥーアなど周囲の人には裏目に出て優れた戦争屋として認識されてしまうコミュニケーションギャップが原作より分かりやすく描かれています。