鷺の停車場

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テレビアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」を見る①第1話~第3話

テレビアニメ版「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」を見始めました。

Just Because!」で脚本・シリーズ構成を務めた鴨志田一の原作小説をアニメ化したもので、2018年秋にTOKYO MXなどで放映されたアニメだそうです。

アニメテレビ公式サイトに掲載されているあらすじを引用しながら、各話の紹介を。(以下<  >内は公式サイトからの引用です。

第1話:先輩はバニーガール

<峰ヶ原高校の2年生・梓川咲太は、ある日、図書館でバニーガールと出会う。その正体は、咲太と同じ高校の3年生で活動休止中の国民的女優、桜島麻衣だった。周囲からひと際目立つ麻衣だが、何故か彼女の姿は周囲の人間には見えていなかった。

麻衣から金輪際、私に関わるなと言われるも気になった咲太は翌日、駅のホームで見かけた彼女に話しかける。そして咲太は、麻衣の身に起こっている不思議な現象について聞かされる。>

5月29日、高校2年生の梓川咲太(石川界人)が自分が書いた記憶に残っていない5月6日の記録を読み返すところから物語は始まる。そこには「野生のバニーガールに出会った」と記されていた。

場面は5月6日に戻る。その日、図書館に行った咲太は不思議な光景を目にする。バニーガール姿の女の子が堂々と図書館を歩き回るが、誰一人としてそれに何の反応も示さないのだ。その女の子に声を掛けると、彼女は「驚いた。君にはまだ私が見えてるんだ」と意外な言葉を返す。彼女は咲太と同じ高校の3年生で活動休止中の芸能人の桜島麻衣(瀬戸麻沙美)だった。麻衣は、今日見たことは忘れなさい、それと、私に関わらないように、と言って去る。

5月7日、登校する咲太は友人の国見佑真(内田雄馬)と麻衣の話をする。佑真は、仕事の都合で1年の途中、クラスの形が決まった後に入った麻衣は目立ちたくない、浮きたくない、という周囲の空気を読んで、空気を演じているんだ、きっと、と語る。

そして夕方、下校途中の駅のホームで、麻衣に気付いてこそっと写真を撮ろうとするカップルを制止した咲太は、お礼を言う麻衣と一緒に帰ることになる。麻衣はネットに晒される「病院送り事件」の情報をスマホで見せ、友達いないでしょ?と聞く。2人もいます、友達なんて2人もいれば十分、そいつらと一生友達すればいいんだし、と返す咲太は、空気読めないだけでダメな奴扱いされるけど、空気と戦うなんてバカバカしいと言う。一方の麻衣は、芸能人として活動しているうちに、注目されるのがだんだん辛くなり、私のことを誰も知らない世界に行きたいと願うようになった、4連休に江ノ島に行った時に、自分を見えない人がいることに気付き、他の場所で同じことが起きないかバニーガール姿になって調べていた、と語る。咲太は、それは「思春期症候群」だと言い、都市伝説だと言う麻衣に、自宅で自分の胸の大きな傷を見せ、突然傷が入りが血だらけになって病院に送られた(これが「病院送り事件」の真相)、ちょっとしたことでクラスメイトからネットでいじめられた妹のかえで(久保ユリカ)が自分の目の前で突然体中傷だらけになった、これが思春期症候群が実在すると信じる理由だと語る。かえではネットから距離をとることで症状が収まった、学校で空気を演じている麻衣は状況を悪化させないように芸能界に戻るべきだと言うと、麻衣は機嫌を損ねて帰る。

それから咲太は麻衣に会うことができなかった。地雷を踏んでしまったような気分になった咲太は、バイト先のファミレスに咲太を尋ねてきたテレビ局の女子アナで思春期症候群を取材している南条文香(佐藤聡美)から麻衣の活動休止の理由を聞き出す。翌日、友人で科学部の双葉理央(種﨑敦美)に、麻衣の症状が理屈で説明できないか尋ねると、理央は誰かが観測して初めて存在が確定するという「シュレディンガーの猫」の話をする。観測されなくなると麻衣の存在自体も消えてしまうと確信した咲太が走って帰宅すると、家の前に麻衣が待っていた。見えない人ばかりになって買い物ができず、腹が減ったという。

 

原作小説をテレビアニメの尺に圧縮した結果ということなのか、第1話で主要人物がほとんど出てきますし、余計なシーンがほとんどなく、構成に無駄がない感じは好印象。

第2話:初デートに波乱は付き物

<麻衣の思春期症候群の原因を探るなかで、咲太は麻衣とデートをすることに。

約束の日、藤沢駅に向かう道中で迷子の女の子を助けようとした咲太は、一人の少女に変質者だと勘違いされ、それが原因で麻衣との待ち合わせに遅刻してしまう。

なんとか麻衣の許しを得て、デートをすることになるが、麻衣は行き先を変更して咲太を七里ヶ浜に連れていき……>

5月20日、麻衣に出会った咲太は一緒にスーパーに行って麻衣の買い物に協力する。その帰り、活動休止について、何も知らないクセに口を挟まないで、と言う麻衣に、咲太は知ってます、と南条から聞き出した休止の理由を語る。マネージャーの母親が勝手にした契約によりNGだった水着撮影をさせられたことが原因だった。あの人は結局金儲けしか考えてなかったと涙ぐむ麻衣に、咲太は、なおさら芸能界に戻るべきだ、いまだに嫌な思いをしているから、やりたいなら我慢せずにやればいい、と復帰を勧める。咲太が胸の傷の撮影を許すことと引き換えに女子アナの南条から理由を聞き出したと知った麻衣は、家まで取材のカメラが来る、テレビ舐めすぎ、と南条にその場で電話し、自身の復帰時の独占取材と引き換えに写真の公開を止めさせる。今日は芸能界に戻ると決めたことを伝えに来たという麻衣、別れ際、日曜に鎌倉観光に付き合うよう約束させる。

約束の5月25日、待ち合わせ場所の藤沢駅に向かう咲太だったが、途中公園で迷子の少女に話しかけると、不審者と誤解した同年代の女の子に突然尻を蹴られる。誤解と分かった女の子は謝罪に咲太に自分の尻を蹴らせるが、その光景を見掛けた警官に誤解されて交番で説教される羽目になり、待ち合わせ時間に1時間半以上遅れてしまう。意外にも駅で待っていた麻衣と鎌倉に向かう途中、どうして自分にお節介を焼くのか聞く麻衣に、困ってるのに誰にも頼れないのはしんどいからと答える咲太。かえでが思春期症候群になった時、1人だけ真面目に聞いてくれた人がいて乗り切ることができた、自分も麻衣にとってその人のようになれたら、と語るのだった。

嫉妬して電車を降りる麻衣を追いかけた咲太は、その人、牧之原翔子(水瀬いのり)を追いかけて今の高校を受けたが、入学してみたらそんな生徒はいなかったと話す。そこに、元マネージャーの母親(大津愛理)がやってくる。他の事務所と契約して復帰するために話をしておこうと麻衣が呼び出していたのだが、母親は麻衣が見えず、記憶からも消えており、呼び出したメールも差出人不明になっていた。

不安に思った咲太は街中の人に聞いたり南条に電話したりしてみるが、みんな麻衣の記憶が消えていた。不安に押し潰され余裕がなくなっていく麻衣に咲太は、遠くの街に行けばまだ見える人がいるかもしれない、確かめに行こう、と藤沢から電車に乗って大垣まで行くが、遠く岐阜県まで来ても麻衣の記憶がある人はいなかった。深夜1時過ぎ、ホテルに入った咲太が佑真と理央に電話を掛けると、2人とも麻衣を記憶していた。学校に原因があるかもしれないという理央に咲太は助けを求める。

同じベッドで寝ることになった咲太と麻衣。強がりながらも不安をあらわにする麻衣。いつものひねくれ口も交えながら励ます咲太に、あきらめないでくれてありがとうと感謝する麻衣だった。

 

深夜に急に電話された理央が少しも怒らずに『前に国見が言ってたよ、「ありがとう」と「ごめん」と「助けてくれ」を言えるのが梓川のいいとこだ、って』と言うシーンが印象的。いい友人を持っているのは、咲太の人徳なのだなあと思いました。

第3話:君だけがいない世界

<藤沢を離れ、大垣まで行っても桜島麻衣のことを覚えている人は一人もいなかった。

咲太は麻衣と共に学校に戻るが、そこでも友人の双葉理央から学校内で自分以外に麻衣のことを覚えている人間はいないということを聞かされる。 麻衣を忘れていくのは、ある行為に起因するものだという仮説を聞いた咲太は、麻衣の記憶を失わないように奮闘する。

そして、そんな咲太の姿を見て、麻衣も一つの決断を下すのだが……>

翌5月26日、一睡もできなかった咲太は藤沢に戻って午後から学校に行くが、学校の生徒たちも、同じく一睡もしなかった理央以外は麻衣が記憶から消えていた。理央は、みんな無自覚に麻衣を無視している学校の空気に糸口がある、睡眠が記憶をなくすきっかけという考え方は納得できる、意識が途切れたタイミングで空気化の現象に飲み込まれてしまうのだろうと語る。

自分も次に寝たら麻衣を忘れてしまうと確信した咲太は、寝ないようにドリンク剤などを大量に飲み、忘れたときのために麻衣との日々をノートに綴る。第1話の冒頭に出てきたノートはこれだったのですね。

翌5月27日は中間テストの初日、徹夜して学校に行った咲太だが、理央も麻衣が記憶から消えていた。確信を強めた咲太は解決の糸口がないか考えるが答えは見えない。翌5月28日、徹夜続きでやつれる咲太を見た麻衣は、その夜、勉強を教えてあげると咲太の家を訪れ、ひそかに睡眠薬入れたコーヒーを飲ませて咲太を眠らせ、感謝し別れを告げる。

翌5月29日のテスト最終日、かえでに起こされた咲太から麻衣の記憶は消え、綴ったノートも麻衣の名前の部分は読めなくなっていた。通学途中の電車で誰かの視線を感じるが、姿は見えない。学校の休み時間、咲太は理央からメモを渡される。それは咲太に助けを求められた理央が解決の糸口を探して書いたものだった。テストを受ける咲太は、出題された問題に前夜麻衣が教えた内容があったのをきっかけに、忘れたものを思い出す。教師を飛び出した咲太は、麻衣を無視する学校の空気を変えようと、校庭の真ん中で麻衣への愛を叫ぶ。再び見えるようになった麻衣に改めて告白する咲太に、麻衣はここで返事すると勢いと雰囲気に押し切られた感じがする、と返事を1か月先に延ばすのだった。

こうして麻衣を取り戻した咲太に、6月2日、空気と戦うなんてバカバカしいと言って自分のためには本気になれなかったくせに、美人の先輩のためにならどんな恥もかけるなんてヤツは青春ブタ野郎じゃなくて何なのよ、と言う理央。これがタイトルの由来になっているわけですね。

 

この第3話までの部分が、原作小説の「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」にほぼ対応しているようです。

タイトルの「バニーガール先輩」という表現はある意味扇情的ですが、バニーガールで出てくるのは冒頭の出会いのシーンだけで、その後は「思春期症候群」というSF的な設定を軸としながら、いたって真面目な青春・恋愛劇が展開されます。意外性のあるタイトルは人を惹き付ける工夫だろうと思いますが、そのタイトルで敬遠してしまう人もいそうです。私も、見る前は、タイトルから、セクシー系なコメディ風のアニメかと思っていましたが、意外に、心にしみるまっすぐな青春ファンタジーで、気に入りました。

続きはまた改めて。