鷺の停車場

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11,070日の時代

今日で「平成」の時代はおしまいです。

退位特例法が一昨年の6月に制定され、その年の暮れにはそれが今日施行されることが決まっていたわけですが、特例法の附則第2条には、この法律は、その施行の日以前に皇室典範第4条の規定による皇位の継承があったとき、すなわち、同条の規定に従い天皇崩御による皇位継承があったときは、その効力を失う、とされていました。4月1日に公布された「令和」の新元号を定める政令も、退位特例法の施行の日の翌日に施行されることになっていますので、もし附則第2条が発動され、退位特例法の効力が失われることになれば、空振りになっていた可能性もあったわけです。そういう不測の事態が生じることなく、無事この日を迎えることができたことを、まずは喜びたいと思います。

さて、タイトルの11,070日とは、平成だった日の日数です。西暦でいうと1989年1月8日から今日2019年4月30日まで、暦に従い計算すると30年と3月23日(113日)になります。

私は昭和生まれですが、期間でいえば、これまで生きてきた日々のかなりの部分は平成が占めています。数度の引越し、就職、結婚、子どもの出生など、自分自身にとっては、人生の大きな転機となる数々の出来事があった時代でした。

明日からの令和の時代がどのくらい続くかは分かりませんが、平成の11,070日に並ぶとすれば、30年後、2049年の8月20日、すなわち、即位される新陛下が、昭和天皇や今の陛下よりご高齢の約89歳6か月になられるまで在位した場合、ということになります。決して非現実的なことではありませんが、日本人の平均寿命や今回のような生前退位があり得ることを考えると、可能性はそれほど高くないように思いますし、何より、私自身がそこまで生き永らえる気がしないので、少なくとも私にとっては、この平成が、人生で一番長く過ごした時代ということになるのでしょう。

そう思うと、自分の人生で大きな意味を持つ時代が終わってしまうようにも思えて、ある種の感慨を感じます。夜になって日付けが変わるのが近付くにつれ、その思いはなお強くなるのかもしれません。