鷺の停車場

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映画「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」極上音響上映

年末年始の映画漬けの1日、池袋を出て、新宿経由で立川へ。

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シネマシティのシネマワンに行きます。

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シネマワンとシネマツーの主な上映作品。

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226席のf studioで、「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」(2019年12月20日(金)公開)の極上音響上映を観ます。

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スクリーンの入口には、片渕監督とのんさんのサイン入りポスターがありました。

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入場者プレゼントのポストカードをもらって入場しました。

このスクリーンでは、3年近く前になる2017年2月、当初公開版の「この世界の片隅に」(以下は便宜「従来版」といいます)の極上音響上映も観に来ていました。シネマシティに来たのはその時が初めてで、今回は5回目になります。

客席は150人くらいは入っていたのではないかと思います。私の前の列のお客さんの座高が高くて、頭が動くたびにチラチラとスクリーンに影が映り込みそうになるので、私もほとんど背中を伸ばして見ていたので、後ろのお客さんには迷惑だったかもしれません。

 

紹介するまでもないかもしれませんが、公式サイトの「ものがたり」を引用すると、

 

広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。
ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりに気づいてしまう。だがすずは、それをそっと胸にしまい込む……。
昭和20年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。 そして、昭和20年の夏がやってくる――。

 

というあらすじ。

最初のうちは、従来版と同じ。小学校の教室での朝のシーン、描いた絵を先生に提出するシーンから追加される部分が出てきます。従来版はスクリーンだけで20回ほど観ていて大体の展開は頭に入っているので、追加された部分はすぐに分かりました。従来版と同じシーンでもBGMにあれっ?と気になる部分が何か所かありましたが、これは、極上音響上映ということで、最近土浦セントラルシネマズで観た従来版とは音響が違ってBGMのバランスが強めだった(もしかすると、本作と従来版ではもともと音響バランスが違っている可能性もありますけど)影響だろうと思います。

原作に出てきた、リンさん【岩井七世】とのエピソードを中心に、テルちゃん【花澤香菜】とのエピソードなど、40分近いシーンが追加されていて、敗戦後に大竹に移る周作をすずさんが見送る場面でも、途中から従来版と変わり、リンさんがいた遊郭の焼け跡をすずさんが確認に行くシーンに変わっていました。

従来版では、すず【のん】が周作【細谷佳正】と結婚し、義親の円太郎【牛山茂】・サン【新谷真弓】、義姉の径子【尾身美詞】やその娘の晴美【稲葉菜月】と生活していく中で、夫婦の絆を深め、大人に成長していく姿に焦点を当てた物語でしたが、本作では、リンと周作との関係など、従来版ではカットされていた人間関係が織り込まれることで、一人の女性の姿が、より陰影を帯びて描かれているという感想。

私は、従来版を見過ぎたのかもしれませんが、新たに加わったシーンがまだ馴染んで見えず、従来版からあるシーンが出てくると、元に戻ったような感覚がどこかありました。それでも、新たなシーンが追加されたことで、これまであったシーンも少しずつ見え方が変わって見えたので、従来からのシーンと新たなシーンが違和感なくつながって見えるようになると、さらに印象が変わるのだろうと思います。機会を見つけて再び観てみようと思います。