鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

もちつき

年末のある日、もちつきをしてきました。
親戚のおじの家で、いとこ連中が集まってもちつきをするのが、年末の恒例行事になっています。もともとは、祖父母の時代に始まったイベントですが、その2人が亡くなって20年以上たった今でも続いているのは、声掛けをしてくださるおじ、それにこたえて集まる他のおじ・おば、いとこたちがいるからなのでしょう。 
この日は、おじ・おばのほか、いとこたちも私を含め7家族、全員合わせると30人くらいが集まり、にぎやかなもちつきになりました。

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まずは下ごしらえ。もち米を蒸します。取っ手が付いているのがもち米を入れた寸胴、2段重ねで蒸しています。 

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蒸し上がったもち米を臼に移し、まずは2人1組になって、こねていきます。腰を入れて杵を下から前に押し出すように動かして、もち米の粒を潰していきます。やってみると、この作業が一番こたえます。
しんどくなったら、ひと休みし、もち米をひっくり返して、またこねて、という作業を5~10回くらい繰り返して、ほどほど粒が消えてきたら、ようやく搗(つ)きになります。 

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これはよく見るもちつきのまんまです。2人1組になって、杵で臼の中のもちを搗いていきます。感覚的にいうと、ここまでいけば8合目まで来た感じがします。
これもしばらく搗いていると、杵にもちがくっついて辛くなってくるので、ひと休みを入れながらもちをひっくり返して、また搗いて、という作業を何回か繰り返します。

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いとこ連中の子どもも年齢に応じて、少し参加。
進んで楽しんでやる子、いやいややる子と様々ですが、「働かざるもの食うべからず」などと言われ、半ば強制的に参加させられます。 

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2人1組での搗きを繰り返して、だいたいいい感じになったところで、最後に1人搗きをします。
auのCMにあるように、1人が搗いて、もう1人がもちを整えます。CMではもちをペンペンと叩くだけに見えますが、実際には、搗いた勢いで端に広がっていくもちの端の方を真ん中に来るようにひっくり返して、搗いたらまた端にひろがった部分を真ん中にひっくり返して、というのを中腰で繰り返すので、搗き手よりも大変かもしれません。
搗き終わった餅は、1臼分を3つに取り分け、のし板で伸ばしていくと、のし餅のできあがりです。この日は、参加できなかった人の分も含めて、のち餅を30枚分くらい作りましたので、全部で10臼以上搗いたことになります。 

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お昼時には、搗きたてのもちを一口サイズに取り分けて、海苔を巻いたり(中央右)、大根おろし(前方左)や納豆(後方右)、きな粉(中後方右)、餡子(後方中央)をまぶしたりしていただきます。つきたての餅で食べると、一度固まった餅を焼いて食べるのとは段違いの美味しさです。

日ごろ運動不足の身体で滅多に使わない筋肉を使うので、2~3日は疲れが残ります。特に、握力もなくなるので、食事時に箸を使うのに苦労するのが一番こたえますが、今や家庭行事としては珍しくなってしまったもちつきを、子どもにも普通に体験させられることができるという意味でも貴重な機会ですし、何より、自分たちで搗いた餅をお正月に食べると、何となしに市販の餅よりも美味しいのです。