鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

こうの史代「この世界の片隅に」(上巻)

昨年に図書館で予約していた「この世界の片隅に」の上巻、以前借りた下巻から4~5か月経って、予約してから1年とまではいきませんが、ようやく順番が回ってきて読むことができました。

f:id:Reiherbahnhof:20180218135113j:plain 

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

この世界の片隅に 上 (アクションコミックス)

 

プロローグ的な幼少期の3編と、戦争の直接的な影響が出てくる前の19年7月までの生活を描いて、まだユーモアの色合いが強い巻、 前にも読んだことはありますが、久しぶりに読むと、やはり楽しい。

以前にも書きましたが、当然のことながら、映画で描き方が変わっているところが随所に見て取れます。

マンガの方が可笑しさが込み上げてくるのがこのシーン。 

f:id:Reiherbahnhof:20180218135150j:plain

楠公飯を食べるシーン。マンガならではの描き方。この直後の、タッチを変えた絵で、馬に乗った楠公がやってきて「まぢうまし」 と楠公飯をお櫃ごと食べ「しからばご免」と去っていく描写も楽しい。

f:id:Reiherbahnhof:20180218135201j:plain

カナトコ雲のシーン。映画では、後の原爆のキノコ雲を暗示する巨大な雲が描かれますが、上のとおり、原作では雲自体の描写はありません。この辺は、マンガと映画の伏線の張り方の違いがよく出ているように思います。 

やっぱり手許に置いて時折読み返してみたい作品、そのうちちゃんと購入しようと思います(古本にするかもしれませんが…)。