鷺の停車場

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アルヴォ・ペルト「ヨハネ受難曲」 ARVO PÄRT/PASSIO

久しぶりにクラシックのCDを。

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アルヴォ・ペルトヨハネ受難曲」[1982]
エス:マイケル・ジョージ(Bas)、ピラト:ジョン・ポッター(Ten)、福音史家:リン・ドーソン(Sop)/デイヴィッド・ジェイムズ(C-Ten)/ロジャーズ・カーヴィ=クランプ(Ten)/ゴードン・ジョーンズ(Bas)
エリザベス・レイトン(Vn)、メリンダ・マックスウェル(Ob)、エリザベス・ウィルソン(Vc)、キャサリーン・ダケット(Fg)、クリストファーズ・バウアーズ=ブロードベント(Org)
ポール・ヒリアー指揮ザ・ウェスタン・ウィンド・チェンバー・クァイア
(録音:1988年3月、ロンドン) 

Passio

Passio

 

ECMニューシリーズからリリースされたアルヴォ・ペルトの作品集としては3作目に当たります。

演奏時間は約71分。切れ目なく演奏され、CDのトラックも分かれておらず1つのみとなっています。

受難曲と聞いて真っ先に思い浮かぶのはバッハのマタイ・ヨハネの受難曲ですが、バッハの受難曲ではいわばナレーター役の福音史家は主にオルガンの伴奏の上にテノール独唱によって歌われるのに対し、この作品では、ヴァイオリン、オーボエ、チェロ、ファゴットの4人による伴奏の上にソリストの4重唱によって歌われます。一方で、キリストやピラト、群衆の部分は、オルガンの伴奏の上で、バスやテノールソリストや少人数の合唱によって、福音史家の動きのある語りとは異なりゆったりしたテンポにより歌われます。

ルネサンス時代の宗教曲との近似性も感じさせる独特の旋法で、音楽自体が激しく高揚することはなく、全体としては静謐でありながら、前述のような福音史家と登場人物の対比、不協和音も含めた効果的な和声の使い方などによって、感動的な音楽を作り上げています。

ヒリアード・アンサンブルのメンバーを中核とする独唱陣、合唱の鮮やかさは見事。

このCDがリリースされて数年後、本CDの主要メンバーが来日し、この曲を日本でも演奏したことがありましたが、私もそれを聴きに行きました。もはや細部は記憶にありませんが、曲調の変化が小さいため途中多少退屈に感じた部分もありましたが、鮮やかな和声の変化など、強い印象を受けたことだけは今でも覚えています。
このCDは、残響が多い教会での録音ということもあって、コンサートホールで聴いた実演よりも、より宗教的で敬虔な雰囲気を感じさせる録音になっています。