鷺の停車場

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映画「さよならの朝に約束の花をかざろう」

映画「さよならの朝に約束の花をかざろう」(2月24日(土)公開)をレンタルで観ました。

公開中にスクリーンで観て、とても良かった作品。10/26リリースと聞いて早速観たくなって、借りてきました。

ネタバレですが、だいたいのあらすじ。

10代後半の若い容姿のまま数百年も生き、ヒビオルと呼ばれる布を織って暮らすイオルフの一族の15歳の娘マキア(石見舞菜香)は、親を亡くし、長老のラシーヌ沢城みゆき)のもとで暮らしている。独りぼっちを悲しむマキアに、もし外の世界に出ることがあったら、人を愛してはいけない、本当の一人になってしまう、と教え諭すラシーヌ
同世代のレイリア(芽野愛衣)、クリム(梶裕貴)とは友達で、秘かにクリムに想いを抱いていたが、ある夜、2人が恋仲であることを知ってしまう。その時、イゾル杉田智和)率いるメザーテ軍が空飛ぶ古の獣レナトに乗って来襲するが、レナトのうちの1頭が病気で正気を失って暴れ出す。レナトにからまったヒビオルに巻き込まれたマキアはレナトに外の世界に連れていかれてしまう。
森の中で意識を取り戻したマキアは、遠くからかすかに赤ちゃんの泣き声がするのに気付き、盗賊に襲撃され亡くなった母親に守られた赤ちゃんに出会う。運命的な出会いを感じたマキアは、赤ちゃんを助け出し、ミド(佐藤利奈)の家に迷い込む。ミドは、女手ひとつでラングとデオルの2人の息子を育てながら農場を営んでいるが、マキアを優しく受け入れ、マキアはエリアルと名付けた赤ちゃんとミドの家で暮らすことになる。
数年が経ったある日、マキアはレイリアがメザーテの王子と結婚することを知り、エリアルを連れてメザーテの都に向かう。その船の中で、マキアはレイリア救出を狙うクリムと再会し、行動を共にする。結婚パレードの最中に救出作成を結構したクリムたちは、いったんはレイリアを救出することに成功するが、レイリアは王子との子どもを身籠っていることをマキアに伝え、「もうクリムには会えない」と救出を拒み、嫁いでいく。
さらに数年が経ち、マキアとエリアル入野自由)は、製鉄で栄える街にいた。マキアたちは、マキアが働く酒場に客としてやってきたラング(細谷佳正)と再会する。ラングはメザーテの軍で隊長となっていたのだ。ラングはマキアに農場に戻って一緒に暮らそうと告白するが、マキアはエリアルのことだけを考えていたいと断る。一方、成長してマキアに複雑な感情を抱くようになったエリアルは、ラングにメザーテの軍に入る口添えを頼み、マキアのもとを去る。
さらに時が経ち、クリムは周辺の国を焚き付けてメザーテと戦わせ、混乱に乗じてレイリアを救おうとする。クリムに捕らえられていたマキアはクリムと共にメザーテの王宮に向かうが、その途中、産気づいた女性の苦しみの声が遠くでするのに気付く。そのもとに向かうと、その女性はエリアルの妻ディタ(日笠陽子)だった。マキアは苦しむディタを励まし、その出産を見届ける。
その時、エリアルは、メザーテ軍の一兵士として来襲する敵軍と戦って負傷する。エリアルが意識を取り戻すと、そこにはマキアがいた。マキアはエリアルにディタの赤ちゃんが生まれことを伝え、引き止めようとするエリアルのもとを去る。
一方、王宮に侵入したクリムは、レイリアと再会するものの、自分が生んだ子メドメル(久野美咲)に会いたいと一心に願うレイリアに絶望し、一緒に死のうと絨毯に火を放つが、そこに掛け付けたイゾルによって銃撃され、命を落とす。マキアはレイリアを救出し、イオルフの地に戻る。
それから長い年月が過ぎ、マキアはかつてミドたちと暮らした家に年老いたエリアルを訪ねる。エリアルは、戦争の後、ラングの助力もあって、この家で暮らしてきたが、その命も終わりを迎えようとしていたのだ。手を握ってそれまでの人生をねぎらうマキアに、エリアルは感謝の気持ちを伝え、亡くなる。
マキアはエリアルとの日々を回想し、号泣するが、エリアルを愛して良かったと思うのだった。(ここまで)

改めて観てもやはりいい作品。スクリーンで観るのと違って、周囲を気にすることもないので、最後の方は号泣でした。

エリアルと暮らしていた当時は、自分が母親になれるのか、迷いながら生きてきたマキアが、戦争の後エリアルと再会したときには、すっかり芯が強くなっているのは、以前スクリーンで観たときには、急激な変化だなあという感想もあったのですが、エリアルとの別離や、しだいに狂気を帯びていくクリムの行動、ディタがエリアルとの子どもを出産するのに立ち会う、といった経験の中で、自分の中での迷いが消えていき、エリアルが自分を気にせずディタたちと新たな家族、家庭を築いていくことを願って、エリアルのもとから去っていったのだろうと思えました。

ほんとうは何度か繰り返し観たかったのですが、途中で寝落ちしてしまったりして、最後まで通して観られたのが1回だけになってしまったのは残念ですが、そのうちまた観たいと思います。