鷺の停車場

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映画「あの日のオルガン」

休日の午前、MOVIX柏の葉に映画を観に行きました。

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この週の上映スケジュール。

この日観たのは「あの日のオルガン」(2月22日(金)公開)。

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映画情報サイトでの評価が高いようで、気になっていたのですが、これも全国49館での公開と、小規模上映ということもあって、なかなか行ける機会がありませんでした。そろそろ行かないと上映が終わってしまいそうな気がしていたのですが、この日は子連れであれば映画に行けることに。

時代設定などちょっと子どもには厳しい気もして、もっと子どもに向いてそうな他の映画にしようかと迷ったのですが、調べてみると「文部科学省特別選定」(対象:少年向き・青年向き・成人向き・家庭向き)に選定されているということなので、何とかなるかなあと思って、ちょっと強引ですが、子どもを連れて観に来ました。

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上映は、105席のスクリーン1での上映。前4列は団体さんもが入っていたようで、6~70人くらいの入り。もっとガラガラかと思っていたので、予想外。年齢層はかなり高めで、ざっと見た感じ、戦前・戦中生まれのシニアが半分以上のようです。未成年はうちの子どもくらい。

第二次世界大戦の末期、東京から埼玉県南埼玉郡平野村(現蓮田市)の無人寺・妙楽寺へ集団疎開した戸越保育所の保育士11人、園児53人の「疎開保育園」を題材にした久保つぎこ著のノンフィクション「あの日のオルガン 疎開保育園物語」を映画化したものだそう。

監督・脚本は平松恵美子。長年山田洋次監督との共同脚本、助監督を務めてきた方で、既に監督作品もあるそうですが、私は初めて。

あらすじは、公式サイトに紹介されているストーリーを引用すると、
戸越保育所の主任保母・板倉楓は、園児たちを空襲から守るため、親元から遠く離れた疎開先を模索していた。別の保育所・愛育隣保館の主任保母の助けもあり、最初は子どもを手放すことに反発していた親たちも、せめて子どもだけでも生き延びて欲しいという一心で保母たちに我が子を託すことを決意。しかし、ようやく見つかった受け入れ先はガラス戸もないボロボロの荒れ寺だった。幼い子どもたちとの生活は問題が山積み。それでも保母たちは、子どもたちと向き合い、みっちゃん先生はオルガンを奏で、みんなを勇気づけていた。戦争が終わる日を夢見て…。そんな願いをよそに1945年3月10日、米軍の爆撃機が東京を襲来。やがて、疎開先にも徐々に戦争の影が迫っていた―。・・・というもの。

物語は、保母のリーダーで責任感の強い「怒りの乙女」板倉楓(戸田恵梨香)と、ちょっと抜けているけど子どもに好かれる保母「みっちゃん先生」こと野々宮光枝(大原櫻子)を中心に描かれます。楓は戦争から子どもを守り、文化的な生活を送るため「疎開保育園」を提案し、楓の勤める戸越保育所の所長・脇本滋(田中直樹)は、それを実現するため駆け回ってようやく疎開先を見つける。そこは荒れ寺だったが、何とか準備を進めて疎開を実現し、山積する問題を楓たち保母は、時に対立しながらも、一つ一つ解決しながら、子どもたちを保育していく。その頃、東京ではB29による空襲が始まり、事情があって疎開保育園から一時帰京していた「よっちゃん先生」こと神田好子(佐久間由衣)も、疎開保育園に戻る日を目前に命を落としてしまう。さらに、3月10日の東京大空襲で、子どもたちの親も何人も命を落とす。そして終戦を迎え、子どもは親や親せきに引き取られていき、最後の子どもが引き取られて、「疎開保育園」を閉じるところで、映画は終わります。

疎開前の場面でのセリフを聞く限り、もともと保育園の事業自体、保育研究という側面もあったようで、疎開保育園というのも、実際には、単なる人道的配慮ではなく、研究的な意味もあったのかもしれませんが、様々な問題に直面しながら、子どもを守り育てようと苦闘する保母たちの頑張りに、何度も涙する場面がありました。反戦を声高に訴えるような映画だったら嫌だなあと思ってたのですが、そういうこともありませんでしたし、期待どおりのいい映画でした。

服装や髪型、顔など、当時の実際は、ここまで整える余裕がなく汚かったのだろうと思うので、綺麗に描きすぎ、という評価もありそうですが、映画として広く観てもらおうという観点からは、リアルさを追求しすぎず、この程度にとどめておく選択で当たりのような気がしました。

なお、子どもは後で空襲の場面が辛かったと言ってましたが、多少ダレながらも最後まで観ていて、一応許容範囲だったようでした。一安心。