鷺の停車場

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映画「グリーンブック」極上音響上映@立川・シネマシティ

立川のシネマシティで「グリーンブック」(原題"GREEN BOOK":3月1日(金)公開)を観ました。

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立川まで来たのは「劇場版 幼女戦記」の極上爆音上映を観るためでしたが、なかなか立川まで行ける機会はないので、どうせなら、ということで、極上音響上映が行われているこの作品も観ることに。

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この日のシネマ・ワン、シネマ・ツーの上映作品。

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上映はシネマ・ワンの2階、228席のf studio。そういえば、2年ほど前に「この世界の片隅に」極上音響上映を観たのもこのスクリーンでした。

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中に入ると、お客さんは30人ほど。

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公式サイトのストーリーを引用すると、

「時は1962年、ニューヨークの一流ナイトクラブ、コパカバーナで用心棒を務めるトニー・リップは、ガサツで無学だが、腕っぷしとハッタリで家族や周囲に頼りにされていた。ある日、トニーは、黒人ピアニストの運転手としてスカウトされる。彼の名前はドクター・シャーリー、カーネギーホールを住処とし、ホワイトハウスでも演奏したほどの天才は、なぜか差別の色濃い南部での演奏ツアーを目論んでいた。二人は、〈黒人用旅行ガイド=グリーンブック〉を頼りに、出発するのだが─。」というあらすじ。

日頃観る映画はアニメを含め邦画が中心なので、洋画を観るのは昨年末に観た「ボヘミアン・ラプソディー」以来。監督はピーター・ファレリー、俳優陣は主人公のトニー:ヴィゴ・モーテンセン、シャーリー:マハーシャラ・アリ、トニーの妻ドロレス:リンダ・カーデリーニ、等々ですが、私は初めて。

アカデミー賞ゴールデン・グローブ賞で作品賞・助演男優賞脚本賞を受賞したというだけあって、確かに心温まるいい話でしたが、引っ掛かりを感じる部分もあって、私には思ったほどには刺さりませんでした。

たぶん、引っ掛かりの一番の要因は、白人→黒人の「上から目線」的雰囲気を感じてしまったことにあったのでしょう。ガサツなトニーと思索的なシャーリーというもともとのキャラクターの設定に加え、白人のトニーの側から描いているこのもあって、悩める黒人が白人によって救われる、という構図に見えてしまったのです。この構図に違和感を感じなければ、だいぶ印象が違って感銘が深かったと思うのですが・・・

とはいえ、グッとくるシーンもありました。一番印象的だったのは、終盤、黒人向けの酒場で、女主人に促されてシャーリーが店のアップライトピアノを弾くシーン。店の雰囲気からも、彼がコンサートで弾いてきたジャズっぽい音楽を弾くかと思いきや、ショパンエチュード「木枯らし」(12の練習曲 作品25の第11曲イ短調)を弾いて歓声を浴びるシーン。中盤、(細部のセリフまで正確には覚えていませんが)クラシック音楽を学んできたのに、黒人であるためにクラシックでは舞台に立てなかったと話すシャーリーに、トニーはクラシックはいろんな奏者が演奏するが、ドクターの音楽は他にはない、と励ますのですが、シャーリーは、私が弾くショパンも他にはない、といった感じの言葉を返すシーンがありました。いつものコンサートでは弾くことができないショパンを(しかも暗譜で)演奏したところに、本当はクラシックの世界で活躍したかったというシャーリーの思いが感じとれて、胸に刺さりました。