鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「さよならくちびる」を観る

平日の夜、再びMOVIX亀有に行きました。

f:id:Reiherbahnhof:20190606210537j:plain
この日の上映スケジュール。

f:id:Reiherbahnhof:20190606210551j:plain
今回観たのは、「さよならくちびる」(5月31日(金)公開)。

 

これも気になっていた作品。監督・脚本・原案の塩田明彦。既に何本も映画を撮っている方のようですが、私は初めて。

f:id:Reiherbahnhof:20190606210624j:plain

f:id:Reiherbahnhof:20190606210631j:plain
上映は149席のシアター1。平日とはいえ、公開初週、仕事帰りでも来れそうな19時台の上映で、12~3人のちょっと寂しい入り。

f:id:Reiherbahnhof:20190606210659j:plain

f:id:Reiherbahnhof:20190606210706j:plain
(以前もらったチラシの表裏)

f:id:Reiherbahnhof:20190606210719j:plain

f:id:Reiherbahnhof:20190606210725j:plain
(チラシの中見開き)
公式サイト掲載のストーリーから引用すると、

 

「二人とも本当に解散の決心は変わらないんだな?」
全国7都市を回るツアーへの出発の朝、車に乗り込んだデュオ〈ハルレオ〉のハル(門脇麦)とレオ(小松菜奈)に、ローディ兼マネージャーのシマ(成田凌)が確認する。うなずく二人にシマは、「最後のライブでハルレオは解散」と宣言するのだった。
2018年7月14日、解散ツアー初日から波乱は起きる。別行動をとったレオが、ライブに遅刻したのだ。険悪なムードの中、「今日が何の日かくらい憶えているよ」と、小さな封筒をハルに押し付けるレオ。しばらくして、何ごともなかったかのようにステージに現れるハルレオ。トレードマークのツナギ姿に、アコースティックギター。後ろでシマが、「たちまち嵐」を歌う二人をタンバリンでサポートする。
次の街へ向かう車の中、助手席でレオからもらった封筒を開けるハルを見て、「そうか、今日はハルの誕生日か」と呟くシマに、「違うよ。初めてレオに声をかけた日だよ」と答えるハル。二人が出会ったのは、バイト先のクリーニング工場。上司に叱られ、むくれていたレオを、ハルがいきなり「ねえ、音楽やらない?あたしと」と誘ったのだ。

その瞬間から、ずっと孤独だった二人の心が共鳴し始めた。ハルからギターを習って音楽を奏でる喜びを知るレオ。そんなレオを優しく見守るハル。レオの歌とギターは上達し、二人は路上で歌うようになった。
少しずつ人気が出始め、ライブツアーに出ることにしたハルレオは、ローディを探す。その時、「ハルさんの曲と詞のセンスが好きだから」と名乗りを上げたのが、元ホストのシマだった。売れたバンドが使っていたというツアー車を用意し、「俺らも行けるところまで突っ走る」と煽るシマに、ハルとレオも自分の夢を叫んで拳を振り上げた。
地方ライブの集客も増え、若い女性を中心にさらに人気が広がっていくハルレオ。だが、誰も予期しなかった恋心が芽生えたことをきっかけに、3人の関係は少しずつこじれていく。さらに、曲作りにかかわらないレオが、音楽をやる意味を見失っていった。各々が想いをぶつけ合い、名曲と名演奏が生まれていくが、溝は深まるばかり。ついに、この解散ツアーへと旅立つまで心が離れてしまった。
三重、大阪、新潟、山形、青森と、思い出の詰まったライブハウスを巡って行くハルレオ。もはやほとんど口もきかないが、ギターもコーラスもピタリと息が合い、その歌声は聴く者の心の奥深くへと届いていく。そしていよいよ3人は、北海道・函館で開くラストライブへと向かうのだが──。

 

というあらすじ。

劇中で歌われるハルレオの曲は、あいみょんの作詞・作曲。そういえば、今年初めに観た劇場版アニメ「あした世界が終わるとしても」でも主題歌などを提供されていました。

映画情報サイトの口コミでは評価が分かれている感じでしたが、私には、心に響くとてもいい映画でした。今年に入ってスクリーンで観た実写映画でいうと12本目になりますが、その中で控えめに言っても3本の指には入るでしょう。

詞にも曲にもかかわらないレオは、ハルの添え物のような気がして自分の存在意義を見失っていき、2人はすれ違っていく。レオはシマに想いを寄せるが、シマは曲と詞を作るハルにひかれ、ハルはレオを思う、微妙な人間関係。

解散ツアーで各都市を巡っていくメインストーリーの合間に、2人が出会ってからすれ違っていくまでの過程が回想シーンとして挿入されて謎が解けていき、函館でのラストライブでは胸が熱くなりました。

ラストは、それまでの展開の積み重ねからすると、安易な落とし方で、あれっ?と思うところもありましたが、そこまでの描写に打たれたからか、殊更に不満に感じることはなく、余韻を残して観終わりました。

主役級の3人もいずれもいい演技。特に、レオ役の小松菜奈は、前に観たのが昨年の「恋は雨上がりのように」の主人公の橘あきら役だったので、それとは全く異なるキャラクターを表現していて驚き。撮影などの技術もあるのかもしれませんが、目の輝きから全然違ってた気がします。