7月18日(木)に起きてしまった京都アニメーション(京アニ)の第一スタジオの放火事件、今朝の時点で死者は34人、負傷者34人(うち重症8人)という大惨事となってしまっています。まだ犠牲者の方々の身元は公式には明らかにされておらず、SNSでは真偽のほどは定かではありませんが、いろいろ情報が飛び交っています。
その痛ましい事件が起きてしまう直前、京アニ制作の「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」(4月19日(金)公開)を、イオンシネマ幕張新都心と立川のシネマシティでそれぞれ、あまり日を置かずに観てきました。両館とも、7月5日(金)から7月18日(木)までの2週間上映されると聞いて、いい音響の映画館で再び観たいと思ったのです。
この映画館最大、345席のスクリーン8、迫力ある音響がウリのULTIRA上映。休日とはいえ20:50からのレイトショー、お客さんはそれほど多くはありませんでした。
このスクリーン、画面のサイズは縦10m・横18.5mなのだそうです。横長のシネスコープサイズでは縦が少し短くなってしまうのだと思いますが、本作はビスタサイズ、大画面で観る冒頭の宇治川のシーン、あがた祭りでの夜景など繊細な描写に圧倒されます。
音響の方は、最初の方、新入生勧誘のために校門前で演奏される「これが私の生きる道」の演奏、ちょっと音がもこもこしている感じが。2か月半ほど前に観た川崎のチネチッタのLIVE ZOUNDでは、もっと音がクリアだった印象があるので、最初はアレっと思いましたが、次第に音の感じに慣れていきました。
本作を前に観たのは6月初めの丸の内ピカデリーでの特別上映会だったので、約1か月半ぶり。久しぶりに観てもやはりいい場面では涙がこぼれます。終盤のコンクール本番での「リズと青い鳥」の演奏では、繊細さよりも重低音強め・迫力多めというタイプの響きがプラスに働いて心を動かし、そのあとの部長の吉川優子のシーンでも涙が。
その2日後、今度は立川のシネマシティ、シネマ・ツーに。
原画がいくつか展示されていました。
鉛筆で繊細に描かれていることがよく分かります。
放火事件で、スタジオにあった作画や資料は全て焼失してしまったということですから、今やこのように展示のために外に出ていた原画しか残されていないのかもしれません。とても残念です。これまでの劇場版作品では原画集が発行されていましたが、「誓いのフィナーレ」はもしかすると発行は難しくなってしまったかもしれません。
スクリーン入口にあったポスターですが、手ブレしてしまいました。この映画館で最大、384席のa studioでの極上音響上映(極音)。
世間的には平日の夕方早めの時間、お客さんは5~6割という感じだったでしょうか。
2日前に観た幕張新都心でのULTIRAよりは音はクリアですが、川崎のLIVE ZOUNDほどではない、という印象。ただ、全体のバランスとしてはよく整っている感じで、個人的には、これまで観た中では音響的には一番良かった気がします。最後の「リズと青い鳥」の演奏も心に刺さりました。
この直後、あの事件が起きてしまったのですが、その日は、たまたま、両スクリーンともに、本作品の上映が終了する日でもありました。SNSでその最終上映に行った方の書き込みを読むと、どちらのスクリーンでも、上映終了後に拍手が起こったそうです。このような作品を作ってくれた京都アニメーションへの感謝、エンドロールに流れるスタッフの方々の安否の心配、あの事件に負けずに回復・再生してほしいという願い。たった何日かの違いですが、あの事件の後では、作品の見え方は全然違ってしまったでしょう。それを想っただけで、また涙が出ました。