鷺の停車場

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「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝―永遠と自動手記人形―」を観る

MOVIX柏の葉に「ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝―永遠と自動手記人形―」(9月6日(金)公開)を観に行きました。

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7月のあの放火事件の発生後、初めて公開される京都アニメーション制作作品とあって、3週間限定上映、全国83館という比較的小規模な公開にもかかわらず、公開初日の様子が報道されるなど、社会的にも多少の関心を集めています。確かに、逆説的ですが、あの事件がなければ、シリーズ本体のスピンオフ的なこの作品がこれほど注目されることはなかったでしょうし、お客さんの入りもだいぶ違ったことでしょう。私も、事件前から気になってはいましたが、あの事件がなければ、公開後すぐには観に来てなかったかもしれません。

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この日の上映スケジュール。

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映画館の通路には、大きな掲示もありました。

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公開初週の週末の朝一番の上映、スクリーンはこの映画館で最大の470席のシアター10です。一見すると、ざっと見た感じ、お客さんは150~200人くらいでしょうか。意外と子ども連れも多く、うがった見方ですが、中には3種ランダム配布だった入場者特典の書き下ろし短編小説をすべて集めたい親に付き合わされたお子さんもいたかもしれません。

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本編は昨年初めの冬シーズンのテレビアニメだそうです。テレビアニメ版でシリーズ演出を務めた藤田春香さんが初の監督、テレビアニメ版で監督だった石立太一さんが監修、テレビアニメ版に続いて吉田玲子さんがシリーズ構成を務めています。
私はテレビアニメ版は未視聴でしたが、基本的な舞台設定はネットなどで少し予習していたので、まったく違和感なく観ることができました。もちろん、知っていた方が腑に落ちるのかなあと思う描写もありましたが、全く予備知識がなくても、問題なく作品の世界に入っていける映画だと思います。

かつて姉妹として一緒に生活していたが、今は訳あって離ればなれに暮らすイザベラことエイミー(寿美菜子)とテイラー(悠木碧)の2人の少女をめぐる物語。本体シリーズの主人公ヴァイオレット・エヴァーガーデン(石川由衣)は、2人、特にイザベラの心が変わっていく触媒として重要な役割を果たしていきます。

全体にどこか静かさが漂う落ち着いた雰囲気は、私にはとてもしっくりくる感じで、感動を誘う展開がとても素晴らしい映画でした。物語の大きな骨格だけをみれば、ありきたりな物語なのかもしれません。しかし、美しい映像とたたずまい、細部まで見事な作りこみ・・・、事件後の感傷も幾分あったのだと思いますが、涙する場面が多くありました。

ところで、イザベラ役の寿美菜子さん、途中で、これは「響け!ユーフォニアム」の田中あすか先輩の声だ、と気付いてからは、語り口が同じように思えてきて、個人的には脳内が混乱してしまうシーンもありました。テイラー役の悠木碧さんも、最近観たものでいうと「幼女戦記」の主人公ターニャ役など、いろんな役で観ているはずですが、他の役を感じさせないあたりは、表現の幅が広いなあと思いました。

本体の劇場版は、一度は来年1月10日(金)公開とアナウンスされていましたが、この外伝の公開にあわせて、正式に公開延期がアナウンスされました。外伝の本編の上映後に「鋭意制作中」とするその特報も流されました。

家に帰った後、どうしてもテレビアニメ版の本編が見たくなって、Netflixに入って一気見。こちらは、改めて感想など書いてみようと思います。本編を見た後に、再びこの外伝を観ると、少し印象が異なってくるのかもしれません。

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パンフレットがまだ販売されていたので、購入しました。中身はまだじっくり見ることができませんが、末尾にあの放火事件のあった7/17以前に制作された内容である旨の注記がありました。

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公開1週目の入場者プレゼント。原作者の暁佳奈さんの書き下ろし短編小説3編からのランダム配布、「リオン・ステファノティスと一番星」でした。