鷺の停車場

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新型コロナ

新型コロナウイルス感染症の影響が猛威を奮っています。各種のイベントが中止や延期となり、センバツも史上初の中止。図書館や公民館といった公的な施設の休館なども相次ぎ、学校の卒業式も先生と卒業生のみで行われるなど、様々なところに影響が出ています。地域によっては学校などの再開の動きもありますが、影響はまだまだ続きそうです。

1月には私のように対岸の火事のように受け止めていた人が大半だったろうと思いますが、2月の後半になってにわかに現実の問題として迫ってきて、3月になってからは一気に混迷の度を深めた印象です。もともと根拠の乏しかったトイレットペーパーなどの品不足はほぼ収束したようですが、マスクの不足は解消されていません。我が家では、花粉症持ちの家族がいることもありそれなりにストックがあったので、今のところ困った事態にはなっていませんが、マスク不足が長期化してしまうと厳しくなりそうです。

 

これまでの経過を改めて時系列で振り返ってみます。

  • 12月:中国・湖北省武漢市で原因不明の肺炎患者が確認。
  • 1月7日(火):肺炎の原因が新型コロナウイルスと特定。
  • 1月9日(木):世界初の死亡者が発生。
  • 1月16日(木):国内初の感染者(武漢市滞在歴あり)が確認。
  • 1月24日(金):2例目の感染者が確認される。
  • 1月29日(水):武漢市在住邦人206人がチャーター機で帰国。その後、チャーター機による帰国は1月30日に210人、1月31日に149人、2月7日に198人、2月17日に65人、計5便で828人が帰国。うち現時点で確認されている感染者数は15人(死亡者なし)。
  • 1月31日(金):WHOが公衆衛生上の緊急事態を宣言。
  • 2月1日(土):新型コロナウイルス感染症感染症法の「指定感染症」に指定される。世界全体の感染者数が1万人を超える。
  • 2月3日(月):クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」が横浜港に到着。感染が確認され海上で検疫を実施(事実上洋上で隔離)。
  • 2月11日(火):世界全体での死亡者数が1,000人を超える。
  • 2月13日(木):国内で初の死亡者が確認。政府が「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策」を決定。世界全体での感染者数が5万人を超える(この時点ではほとんどが中国)。
  • 2月19日(水):「ダイヤモンド・プリンセス号」からの下船が始まる。3月1日にすべての乗客・乗員の下船が完了。乗客・乗員3,711人のうち、現時点で確認されている感染者数は712人、死亡者は7人。
  • 2月20日(木):「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客等で初の死亡者が確認。
  • 2月21日(金):確認された国内感染者数が100人を超える。この頃から韓国で感染者の急増が始まる。
  • 2月25日(火):政府が「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を決定。
  • 2月26日(水):安倍総理が、ここ1、2週間が極めて重要な時期であるとして、今後2週間、多くの人が集まるイベントの中止・延期・規模縮小等の対応をとるよう要請。
  • 2月27日(木):確認された国内感染者数が200人を超える。安倍総理が、全国の小・中・高校等に3月2日から春休みまで臨時休業を行うよう要請。
  • 2月28日(金):北海道の鈴木知事が法に基づかない独自の「緊急事態宣言」を出し、3週間外出を控えるよう道民に要請。
  • 3月4日(水):確認された国内感染者数が300人を超える。
  • 3月6日(金):確認された国内感染者数が400人を超える。
  • 3月7日(土):世界全体での感染者数が10万人を超える(うち8万人が中国)。
  • 3月8日(日):イタリアで北部の封鎖措置。同国の感染者数が7,000人を超えて韓国の感染者数を上回る。
  • 3月9日(月):確認された国内感染者数が500人を超える。
  • 3月10日(火):国内死亡者数が10人を超える。政府が新型コロナウイルス感染症新型インフルエンザ特別措置法の対象に追加する同法の改正法案を国会に提出。「新型コロナウイルス感染症に関する緊急対応策-第2弾-」を決定。安倍総理がイベントの中止等の対応を10日間程度継続することを要請。イタリアでは住民の移動制限措置を北部から全土に拡大。
  • 3月11日(水):確認された国内感染者数が600人を超える。WHOがパンデミック相当との見解を表明。
  • 3月13日(金):確認された国内感染者数が700人・国内死亡者数が20人を超える。新型インフルエンザ特別措置法改正法が成立・公布。アメリカが国家非常事態宣言。
  • 3月14日(土):新型インフルエンザ特別措置法の改正法が施行。同法に基づく緊急事態宣言が可能になる。世界全体での死亡者数が5,000人を超える。スペインが非常事態宣言。フランスでは生活必需品を扱う店以外の全店舗を閉鎖。
  • 3月15日(日):確認された国内感染者数が800人を超える。世界全体での感染者数が15万人を超える。
  • 3月16日(月):G7首脳が緊急のテレビ会議を行う。
  • 3月17日(火):EUが緊急のテレビ首脳会議で第三国からの入域を30日間原則禁止する措置をとることに合意。
  • 3月18日(水):確認された国内感染者数が900人・中国以外の感染者数が10万人を超える。オーストラリアが海外渡航の全面禁止を勧告。

中国ではまん延は収束の方向に向かっているようですが、イタリアを筆頭に、ヨーロッパ全体で感染が急速に拡大しています。WHOも13日にパンデミックの中心はヨーロッパに移ったとの見解を表明しています。

各国とも、医療体制、検査能力などがそれぞれ異なる実情を踏まえて、手探りで対策を打っている印象です。国内では政府の対応にいろいろ批判もされており、私も個人的にはいろいろ思うところはあります。しかし、例えば、PCR検査が抑制的に行われているために感染者数が低くなっている、韓国のようにPCR検査を大々的に行うべきといった指摘については、それで感染者数が低めに出ている面は確かにあるのでしょうけど、検査能力の問題もあり、軽症者には有効な治療法がないのだとすれば、やたら検査をしても、検査施設のスタッフや来所者などへの感染のリスクがむしろ高まるわけなので、それにも一定の合理性はあるように思います。未知の部分も多く、自主的な対応の要請にしてもどこまで協力が得られるか分からないという中で手を打っていることを考えると、いずれにしても確かな正解はなく、政府がとった対応策の当否は、結果をもって評価するしかないのでしょう。

日本も、上に書いたように、3月に入ってからは、ほぼ2日で100人のペースで感染者が増え続けていますが、ここ数日の新規感染者数は少し低下していますし、感染者が急増しているヨーロッパ各国に比べると、その伸び方は緩やかです。人口当たりの感染者数がイタリアや韓国など感染が拡大している国の20分の1以下にとどまっていることを考えれば、今のところは、感染拡大には一定の歯止めがかかっており、個々の対策の当否はともかく、全体としては効果が出ているのだろうと思います。今後も急速に拡大しないことを祈るばかりです。