鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「君が世界のはじまり」

映画「君が世界のはじまり」(7月31日(金)公開)を観に行きました。

前から気にはなっていたのですが、映画情報サイトを見ると、実際に観た人の評価は割れているようなので、しばらく迷っていました。

f:id:Reiherbahnhof:20200813071904j:plain
行ったのはテアトル新宿新宿ピカデリーなど、このエリアには何度か映画を観に来ていますが、この映画館は初めてです。

f:id:Reiherbahnhof:20200813071939j:plain

f:id:Reiherbahnhof:20200813071947j:plain
ここがメイン館ということのようで、入口には主演の松本穂香など主要キャストのサイン入りポスターなどが展示されていました。

f:id:Reiherbahnhof:20200813072030j:plain
この日の上映スケジュール。

f:id:Reiherbahnhof:20200813072059j:plain
スクリーンは218席。平日の夜早めの時間帯、お客さんは20人くらいでした。

f:id:Reiherbahnhof:20200813074119j:plain

f:id:Reiherbahnhof:20200813074131j:plain
監督のふくだももこが、自身の短編小説「えん」と「ブルーハーツを聴いた夜、君とキスしてさようなら」を再構築した作品だそうで、脚本は向井康介

 

公式サイトによれば、

 

『希望と絶望を爆発させる夜が幕を開ける──。
大阪の端っこのとある町で、高校生による父親の殺人事件が起きる。その数週間前、退屈に満ちたこの町では、高校生たちがまだ何者でもない自分を持て余していた。授業をさぼって幼なじみの琴子と過ごすえん、彼氏をころころ変える琴子は講堂の片隅で泣いていた業平(ナリヒラ)にひと目惚れし、琴子に憧れる岡田は気にもされず、母親に出て行かれた純は東京からの転校生・伊尾との刹那的な関係で痛みを忘れようとする。皆が孤独に押しつぶされていたその夜に、事件は起きた──。』

 

・・・というあらすじ。

主人公の縁(ゆかり/えん)が松本穂香、幼なじみの琴子が中田青渚、同級生の純が片山友希、純が刹那的に身を委ねる伊尾が金子大地、琴子に憧れる岡田が甲斐翔真、琴子がひと目惚れする業平が小室ぺいという主要キャスト。そのほか、教師の桑田が板橋駿谷、縁の両親が山中崇・正木佐和、業平の父が森下能幸、伊尾の父の再婚相手のミナミが億なつき、琴子の母の楓が江口のりこ、純の父の忠司が古舘寛治などの俳優陣。

 

けっこう尖った青春群像劇、というのが率直な感想。

主要登場人物である高校生のうち、縁は両親とつつがなく暮らしていて、岡田も、家庭環境は描かれないものの、何か問題を抱えている描写はありませんが、琴子は母と、純と業平は父との二人暮らし、伊尾は父の再婚相手のミナミと肉体関係にあって、父親の影がない、という家庭環境。純は母の居場所を奪った父を憎んでおり、業平はおそらく精神的に病んでいる父との生活に精神的に追い詰められています。

実はつまらない作品なのでは、と不安を抱えながら観ていったのですが、それぞれの心の痛み、苛立ちといったものが、刹那的な振舞いなどを通じてうまく表出されていて、個々の描写、演出はクサいところもあって、なんだかなあ、と思うシーンもありましたが、後悔せずに観ることができました。

俳優陣も好演。なんといっても松本穂香の演技はすごいと思いましたし、業平役の小室ぺいも個人的には好感が持てました。

好き嫌いがかなり分かれそうではありますが、刺さる人にはかなり刺さる作品だと思います。