鷺の停車場

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映画「13月の女の子」

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池袋のシネマ・ロサで映画「13月の女の子」(8月15日(土)公開)を観ました。

昨年に観た戸田彬弘監督の前作「名前」がけっこう良かったので、本作も観てみたいと思っていました。今のところこの映画館だけの上映で、今後も首都圏では他に上映予定館はないので、池袋まで足を伸ばしてみました。

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劇場の入口にも大きなポスターが掲示されていました。

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この日の上映作品。

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上映は、地下1階に下りた177席のシネマ・ロサ2。

ここも、1席ずつ間隔を開けての指定席制になっていました。
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地下に下りたスクリーンのロビーには、出演者のサイン入りのポスターもありました。

スクリーンに入ると、4~50人ほどのお客さんの入り。

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2017年に初演された舞台「13月の女の子」を改稿して映画化した作品だそうで、脚本は角畑良幸。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

『女子高生、穴森一穂(小宮有紗)は引っ込み思案でクラスに馴染めずにいた。
そんなある日、生まれつき心臓病を患う唐木田巫女(秋本帆華)と偶然出会い、二人は親しくなっていく。
しかし半年後、巫女は入院中に亡くなってしまう。悲しみに暮れている一穂に一通の手紙が届く・・・。
唐木田巫女について話があります。明日の夜、あの部屋に来て』
巫女についての話とは? 一穂は一人、夜の校舎へと入って行く。
そこには、巫女の死と同時に現れた謎の転校生・浮間莉音(萩原みのり)が待ち受けていた。』

 

・・・という物語。

 

上記の3人の主要キャストのほか、同級生を、茜屋日海夏(辰巳涼子役)、酒井萌衣(八坂百子役)、田野優花(青砥景役)、北村優衣(一之江瑞樹役)、磯原杏華(中神沙苗役)、長谷川かすみ(乃木真琴役)、大森莉緒(和光望役)、石川瑠華(奥沢ほのか役)、愛菜四ツ木まどか役)、杉本愛莉鈴(蓮沼鈴役)が、先生を今野杏南(三ノ輪由梨役)、津田寛治(井上努役)が演じています。

 

公式サイトのストーリーで紹介されているのは、映画のさわりの部分のみで、その後、物語は大きく動いていきます。

記憶の範囲で、その先大まかなあらすじを紹介すると、

 

自分は別の世界の巫女で、一穂に会いに来たと言う莉音。それを信じることができない一穂は、莉音が持っていた別の世界に行けるという薬を飲む。
目覚めた一穂は、莉音の容姿に変わっていたが、巫女は別の世界から会いに来たという一穂の話を受け入れる。その世界では、大震災で壊滅的な被害を受けており、巫女たち十数人の女子高生は、インフラや通信が途絶し陸の孤島となった学校で自給自足の生活を送っていた。
希望が持てない閉塞的な生活、食糧も次第に減って追い込まれていく女子高生たちは、ある決断をするが、その中でそれぞれの本音が次第に顕になっていく。
巫女は元の世界に戻るよう一穂に促すが、一穂は巫女と一緒にいる世界を選ぶ。しかし・・・

 

というもの。

タイトルの「13月の女の子」とは、一穂が行った別の世界では、壁にかけられたカレンダーが12月の次にある13月になっており、その世界での13月の女子高生たちの出来事を描いていることによるのでしょう。「13月」という設定も、この世界と全く別の世界という暗示なのだと思います。

 

ストーリーはストンとは腑に落ちない難解なところはありますが、雰囲気に引きこまれる良作という感想。前作「名前」とは、どこか漂う閉塞感は共通するような気がしますが、全く違うテイストで、こんな映画も作る監督さんなんだと、いい意味で予想が裏切られました。

陸の孤島となった学校という閉ざされた空間の中で物語が進む展開は、演劇ならではの設定で、息が詰まるような緊迫感に、よく分からないままに引き込まれていく感覚がありました。画面のサイズが、今の映画で一般的なビスタサイズ(1.85:1)やシネスコサイズ(2.35:1)ではなく、より横幅の狭いスタンダードサイズ(1.33:1/4:3)としているのも、それをより一層高めています。

ところで、ネタバレになりますが、最後、巫女は薬を飲んで別の世界に行き、一穂と再び出会います。そのシーンは、冒頭の一穂と巫女が出会うシーンと酷似していますが、巫女の外見は莉音の姿に変わっていて、この2つのシーンが同じ世界なのか、それとも別の世界なのか、にわかには分かりません。同じ世界で時間が戻るという設定は出てこなかったので、私は異なる世界での新たな出会いなのだろうと理解しましたが、実際の設定は違うのかもしれません。

 

なお、この映画館での本作の上映は9月4日(金)で終了の予定でしたが、好評だったのか、9月11日(金)まで1週間延長されています。興味ある方はぜひ観てはどうかと思います。