鷺の停車場

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「アニメーション映画 思い、思われ、ふり、ふられ」

 「アニメーション映画 思い、思われ、ふり、ふられ」(9月18日(金)公開)を観ました。

8月に実写版の方を観ていて、なかなか良かったので、このアニメ版も観比べてみようと思っていました。

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来たのはMOVIX亀有。平日の夜19時台ですが、お客さんはまばら。

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シアター入口を入った通路には、タペストリーも飾られていました。

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上映は172席のシアター5。イベント人数制限要請の緩和を受けて、既に全席発売となっていましたが、お客さんは4~5人ほど。平日の夜とはいえ、公開初週としては非常に寂しい入りです。

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(公開延期前にもらっていたチラシ)

2015年から2019年にかけて、別冊マーガレットに連頼された咲坂伊緒さんの同名マンガをアニメ化した作品で、主要スタッフは、監督:黒柳トシマサ、脚本:吉田恵里香、キャラクターデザイン:山下祐、アニメーション制作:A-1 Pictures など。

上のチラシで分かるように、元々は、5月末に公開予定だったものが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた映画館の休業などで延期となり、結果的に、予定どおり8月中旬に公開された実写版の約1か月後に公開される形となりました。

公式サイトのストーリーによれば、

 

『偶然出会った、全くタイプの違う【朱里】と【由奈】、朱里の義理の弟の【理央】と由奈の幼馴染の【和臣】は、同じマンションに住み、同じ学校に通う高校1年生。夢見がちで恋愛に消極的な由奈は、理央に憧れるが、自分に自信がなく一歩踏み出せずにいる。理央はかつて朱里に想いを寄せていたが、親同士の再婚により、気持ちを告げられないまま、想いを胸のうちに抱えていた。また、恋愛に対して現実的な朱里は、率直でどこかつかみどころない和臣のことが気になり出し、割り切れない初めての感情に戸惑う。そして和臣は、ある“秘密”を目撃し、葛藤を抱えることになり…。それぞれの思いは複雑に絡み合い、相手を思えば思うほどすれ違って−。 』

 

というあらすじ。

同じ原作コミックを基に並行で映画化したとあって、キーとなるエピソードは、実写版と共通しており、途中は切なく、最後はハッピーエンドに終わる展開ですが、細部のエピソードやウェイトの置き方などは、それぞれ違いがあって、興味深いところがありました。

シリアスな物語ながら、主人公たちがシーンに合わせ時にコミカルなビジュアルに変わるあたりは、アニメ版オリジナルの演出のようで、個人的には余計な演出のように感じましたが、全体の中では、それは大した問題ではなく、青春恋愛物語としてよくまとまった作品になっていました。

朱里の声は、どこかで聞いたことがあって、上映中誰だったかと気になっていたのですが、エンドロールを見て、「この世界の片隅に」で主人公・すずの妹のすみを演じていた潘めぐみさんだと分かって納得。由奈役の鈴木毬花、理央役の島﨑信長、和臣役の斉藤壮馬も良かったと思います。なお、エンドロールには、実写版で主役を演じた浜辺美波北村匠海など実写版の主要キャストの名前もクレジットされていたので、どこかの端役で出演していたのかもしれません。

お客さんが少ないのは、実写版の直後の公開になったことで、二番煎じという印象が出やすいこともあるでしょうし、客層が重なりそうな「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」(本作より少ない152館での公開ながら、2週連続で週末興行収入ランキング2位に入りました)と同日の公開だったのも影響したのかもしれませんが、作品の出来からすると、ちょっともったいない感じがします。

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なお、入場者プレゼントとして『思い、思われ、ふり、ふられ 映画特別巻』が配布されていました。原作者咲坂伊緒による描きおろし「秘密」のほか、島﨑信長、斉藤壮馬潘めぐみ、鈴木毬花の主要キャストによる手描きメッセージ、実写版の理央役の北村匠海とアニメ版の理央・島﨑信長の対談などが掲載されていました。