鷺の停車場

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映画「空に住む」

平日の夜、MOVIX亀有に行きました。

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この時間帯としては比較的賑わっている印象です。やはり鬼滅の刃効果でしょうか。

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この週の上映スケジュール。鬼滅の刃は平日でも1日20回以上の上映です。

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観たのは「空に住む」(10月23日(金)公開)。主演・多部未華子のこれまで観た映画での空気感がけっこう好きだったので、映画情報サイトでの口コミ評価は今一つのようでしたが、観に行くことにしました。

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上映は、139席のシアター7。平日のレイトショーだったこともあり、お客さんは15~20人くらい。本作の主人公に近い年代の女性が大半のようでした。

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(チラシの表裏)

作詞家・小竹正人の同名の原作小説を映画化した作品だそうで、監督・脚本は「EUREKA ユリイカ」などの青山真治

公式サイトのストーリーによれば、

 

郊外の小さな出版社に勤める直実は、両親の急死を受け止めきれないまま、叔父夫婦の計らいで大都会を見下ろすタワーマンションの高層階に住むことになった。長年の相棒・黒猫ハルとの暮らし、ワケアリ妊婦の後輩をはじめ気心のしれた仲間に囲まれた職場、それでも喪失感を抱え、浮遊するように生きる直実の前に現れたのは、同じマンションに住むスター俳優・時戸森則だった。彼との夢のような逢瀬に溺れながら、先は見えないことはわかっている。そんな日常にもやがて変化が訪れる。直実が選ぶ自分の人生とは――

 

というあらすじ。

主人公の小早川直実が多部未華子、結婚を決めながら妻子持ちの男性の子を妊娠している出版社の後輩・木下愛子が岸井ゆきの、叔父夫婦の小早川雅博・明日子が鶴見辰吾美村里江、直美が出逢うスター俳優・時戸森則が岩田剛典、出版社の社長・野村が岩下尚史、編集長・柏木が髙橋洋、小説家の吉田理が大森南朋といった主要キャスト。タワーマンションコンシェルジュ・近藤役で柄本明、終盤に出てくるペット葬儀屋役で永瀬正敏も出演しています。

 

エンディングに流れる主題歌は三代目 J SOUL BROTHERSの「空に住む ~Living in your Sky~」。同グループの岩田剛典が時戸森則を演じていることでのタイアップなのだろうと思います。

 

最初の方は、高級タワーマンションで暮らす人たちのセレブな生活ぶりに共感できなかっただけかもしれませんが、どこかリアリティに欠けたフワフワした印象で、作品の世界にスッと入っていけない感じがありました。そのせいもあって、前半はかなり退屈な展開。

しかし、愛猫ハルに異変が見つかってから、大きく動き出します。両親の突然の死を受け止めることができなかった直美が、10年以上一緒に暮らした愛猫の病気に直面し、死を看とることを通じて、少しずつ変わっていきます。極端な言い方をすれば、無意識のうちに他人に流され支配されていた直美が、少しずつ、前向きになっていきます。

外見的には劇的な出来事が起きるわけではないけど、その中で内面が変容していく、という展開は、個人的にはかなり好きなタイプの映画で、多部未華子の空気感はやはり良かったですし、印象に残るシーンもありましたが、作品全体としては、今一つ響きませんでした。前半の退屈さが大きいのでしょう。青山監督の構成・演出が個人的に合わなかったのかもしれません。