ユナイテッド・シネマズ テラスモール松戸に「彼女は夢で踊る」(10月23日(金)公開)を観に行きました。
全国13館という小規模での公開、その後少し上映館が増えたようですが、まだ15館程度のようです。公開前は全く意識していなかったのですが、映画情報サイトでの口コミ評価がけっこう良いのが気になって観てみることにしました。
この映画館、先日観た「僕の大好きな彼女」もそうでしたが、小規模公開の作品を上映してくれるのはありがたいところ。
エスカレーターでスクリーンがある4階へ。4階のスクリーン入口では、スタッフが非接触式の体温計でお客さんの体温をチェックしていました。
108席のスクリーン1へ。
週末だけなのでしょうか、全席販売に戻っていましたが、お客さんは10人弱という感じでした。
(チラシの表裏)
広島に実在し、何度も閉館の憂き目に遭いながら復活し続けたものの、2019年に建物の取り壊しが決まって閉館したストリップ劇場「広島第一劇場」を舞台に描いた、現在と過去が交錯する幻想的なラブストーリーで、監督・脚本は広島出身の時川英之。
公式サイトのストーリーによれば、
広島の老舗ストリップ劇場に閉館が迫っていた。社長の木下は過去の華やかな時代を思い出す。最後のステージを飾るストリッパーたちが劇場にやってくる。この舞台で幕を引く有名ストリッパーや、謎めいた若い踊り子。閉館への日々に、木下は忘れていた遠き日の恋を思い出す。そして、最後の舞台の幕が上がる。観客たちはステージの裸の向こうに何かを見つめている。木下は劇場の終演に、胸の奥に隠していたダンサーとの秘密を思い出す。ステージの上に幻は眩しく輝き、木下は遠い昔の美しい夢を見る。
・・・というあらすじ。
主要なキャストは、ストリップ劇場の社長・木下が加藤雅也。青年時代の木下が犬飼貴丈。ヒロインのストリッパー・サラ/メロディが岡村いずみ。最後の舞台でトリを務めるストリッパー・ようこが現役ストリッパーでもある矢沢ようこ、など。
古びた外観のストリップ劇場が舞台で、どんな展開なのかと思って観ましたが、予想とやや違って良質のファンタジーでした。閉館が迫る劇場の風景に、社長の若い頃の甘酸っぱい恋の記憶が交錯して、最後はちょっと意外な終わり方、切なくも暖かい作品でした。
岡村いずみ、矢沢ようこがストリッパーとして舞台で踊るシーンは、もちろんエロティックではあるのですが、それよりも芸術的、神秘的な美しさを感じる映像で、これは撮影の上手さもあるのかもしれませんが、それまで抱いていたストリップ(実際に見たことはありませんが…)の印象が変わったような気がします。
加藤雅也の社長ぶりも見事で、それまで抱いていたハンサム系なイメージを覆してぴったりはまっているのは凄いと思いました。エンディングで見せる劇場の舞台でのダンス(もちろんストリップではありません…)もいい味。青年時代を演じた犬飼貴丈(「仮面ライダービルド」でブレイクする前の撮影だったようです)の透明感ある雰囲気もよく合っていました。
色眼鏡で見られやすい舞台の作品ですが、スクリーンで観られてよかったと思いました。