鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

テレビアニメ「orange」

テレビアニメ「orange」を見ました。

orange-anime.com

他の作品を見た後に、dアニメストアのページでたまたまお勧めのアニメとして紹介されたので、見てみた作品。

2016年の7~9月にTOKYO MXなどで放送されたアニメシリーズで、2012年から2015年にかけて「別冊マーガレット」→「月刊アクション」に連頼された高野苺さんの同名のコミックをアニメ化したもの。監督:浜崎博嗣シリーズディレクター:中山奈緒美、シリーズ構成:柿原優子、キャラクターデザイン:結城信輝、アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルムという主要スタッフ。

 

長野県松本市に住む高校2年生・高宮菜穂【花澤香菜】のもとに、10年後の自分からの手紙が届く。そこには、後悔を味わってほしくないこと、今後起きること、してほしいことが書かれていた。初めは信用しない菜穂だったが、成瀬翔【山下誠一郎】が東京から転校してくるなど、手紙に書いてあるとおりのことが起こる。菜穂と翔は互いに好きになるが、手紙から、翔が17歳の冬に自殺してしまうこと、翔を救うために手紙を書いたことが分かり、菜穂は翔を救うために努力する。そして、仲のいい友人である須和弘人【古川慎】、村坂あずさ【高森奈津美】、 茅野貴子【衣川里佳】、 萩田朔【興津和幸】にも未来の自分から翔を救おうとする手紙が届いていると知り、5人は協力して翔がいなくなる未来を変えていこうとする・・・という物語。

 

公式サイト(http://orange-anime.com/)に掲載されているストーリーは、次のとおりです。

LETTER01

高校二年生の春。菜穂のもとに10年後の自分から手紙が届く。その手紙には今から起こる出来事が綴られていて、手紙の内容どおりに、東京からの転校生・成瀬翔が隣の席に座った。また手紙には、何故かこの日だけは翔を一緒に帰ろうと誘わないでほしいと書かれてあった…。

LETTER02

10年後の手紙に書かれたとおり、サッカー部に仮入部する翔。部活が終わった後お弁当の話題になり、翔は菜穂に自分の分も作ってほしいと冗談めかして言う。その言葉に戸惑う菜穂だが、手紙にはお弁当を作ってあげればよかったという10年後の菜穂の後悔が綴られていた。

LETTER03

手紙には、翔はサッカー部に入らないと書かれていたが、実際はサッカー部に入部する。手紙の内容と現実に起こる出来事が違っており、未来がよい方向に変わってきているのではと希望を抱く菜穂。そんな矢先、手紙には翔が上田先輩と付き合うという記述が…。

LETTER04

休日。上田先輩と翔のデートが気になり、友人との会話も上の空の菜穂。翔が上田先輩とつき合ってからは、翔と会話もうまくできなくなってしまった菜穂。上田先輩が翔へ告白する時、どうして翔に付き合わないでと言えなかったのか後悔するが…。

LETTER05

翔からヘアピンをプレゼントされる菜穂。そして週末、翔に誘われて一緒にテスト勉強をする事になる。二人の距離がどんどん縮まっていく中、文化祭の最後に打ち上がる花火を一緒に見ようと勇気を出して誘う菜穂。

LETTER06

文化祭の最終日。翔と一緒に花火を見る約束をした菜穂。しかし花火が打ちあがろうとしている直前、またしても上田先輩に邪魔されてしまい…。果たして菜穂は未来の自分と同じように一緒に花火を見ることができるだろうか?

LETTER07

未未来の手紙には、翔の誕生日をお祝いできなかった後悔が綴られていた。そこで、高校生の菜穂たちは誕生日の日までに翔に欲しいものを聞き出そうとする。一方、26歳の菜穂たちも、亡くなってしまった翔と約束した誕生日を祝うため、翔の祖母の家に集まっていた…。

LETTER08

今まで何度も未来の手紙に助けられてきたが、手紙の指示は本当にすべて正しいのだろうか…? 未来の手紙には、翔を体育祭のリレーのメ ンバーから外してあげてほしいと書かれているが、菜穂の選んだ道は…。

LETTER09

仲間達の支えによって、ずっと一人で悩んできた菜穂の心は軽くなり、翔と菜穂の距離はさらに縮まっていく。そして、ついに体育祭の日がやってくる。翔が心から楽しいと思える体育祭にするために菜穂達は…。

LETTER10

体育祭。翔が棒倒しの際に足を怪我した事を隠していた。人知れず辛そうにしている翔に、須和達が声をかける。みんなの優しさに触れ、翔は本心を話しはじめるのだった。そして、クラス対抗リレーがはじまる。

LETTER11

晦日に翔とケンカしてしまい、それ以来謝ることもできないまま翔は亡くなってしまった…。未来の手紙にはそう書かれていたが、菜穂は今の自分ならきっと大丈夫だと信じて大晦日を迎えるが…。

LETTER12

母親の都合により、松本へ引っ越してきた翔。転校初日に母親を亡くし自分を責める翔は、須和にサッカー部入部を誘われるが断る。東京にいた頃のクラスメイト達に会うが、誰も自分の気持ちを理解してくれない。翔はひとり悩み、追いつめられていった。

LAST LETTER

バレンタインデーのチョコを翔に渡せずにいる菜穂。大晦日の出来事以来、菜穂と距離を置こうとする翔に何度もくじけそうになるが、菜穂はあきらめず翔へ自分の気持ちを伝えようとする…。そして、未来の手紙に書かれていた「翔の最後の日」を迎える。

(ここまで)

 

最初は、未来の自分からの手紙に書いてあるとおりのことが起きるのですが、未来の自分からのアドバイスに従って、菜穂たちが少しずつ行動を変えていくことによって、次第に現実の立ち上り方が手紙とは違ってきます。それによって、10年後の菜穂たちが直面した翔の突然の事故死(自殺)はギリギリのところで回避されます。

しばらくはずっと現在の菜穂や翔たちの高校生活が描かれていきますが、第11話になって10年後の菜穂たちが集まる場面が初めて出てきます。第12話の前半は、10年後の世界で17歳のときに自殺に至る翔の内面の描写です。上記の公式サイトの第12話のストーリーも、その前半部分を紹介したもの。第12話は、翔の自殺の後、その10年後に桜の木の下で集う菜穂たちが描かれ、再び現在の菜穂たちの高校生活に舞台が戻り、最終話では翔も含めた6人が10年後の自分たちに宛てた手紙を校内に埋めるというところで終わります。

10年後の菜穂たちと現在の菜穂たちが同じ時系列でつながっているとすれば、翔の人生が変わることで、菜穂たちが後悔することもなくなるわけで、10年後に手紙を書く未来はやってこない、というタイムパラドックスに陥るわけですが、この作品では、菜穂たちが手紙を書く世界と、翔の人生が変わった後の世界が分岐していくパラレルワールドという設定になっています。なぜ10年後の自分たちからの手紙が届いたのかも含め、このあたりはちょっとご都合主義な感じはありましたが、全体的にはいい作品だと思いました。