鷺の停車場

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テレビアニメ「スーパーカブ」

テレビアニメ「スーパーカブ」を見ました。

supercub-anime.com

今年4月~6月にTOKYO MXなどで放送された作品で、個人的には、2021年春アニメの中では、最も好感が持てた作品でした。

角川スニーカー文庫から刊行されているトネ・コーケンさんの同名小説をアニメ化したものだそうで、監督:藤井俊郎、シリーズ構成・脚本:根元歳三、キャラクターデザイン:今西亨、アニメーション制作:スタジオKAIなどの主要スタッフ。

 

山梨県北杜市の高校に通う、両親も友達も趣味もない女の子・小熊が、ふと見かけた中古のスーパーカブを買ったことで、ちょっとずつ単調な毎日が変わり始める・・・という物語。

主な登場人物は、

  • 主人公の高校2年生・小熊(夜道雪)

  • スーパーカブを通じて仲良くなった長身長髪のクラスメイト・礼子(七瀬彩夏

  • 文化祭でのアクシデントを通じて仲良くなったクラスメイト・恵庭椎(日岡なつみ

など。

 

公式サイトに掲載されているストーリーは、次のとおりです。

第1話 ないないの女の子

朝目を覚ましそそくさと朝食を済ませ、お弁当を用意し家を出る。親はいない、お金もない、趣味もない、友達と呼べる人も将来の目標もない、「ないないづくし」の女子高生「小熊」。そんな彼女がたまたま立ち寄った場所、「バイクショップ」。そこで出逢ったのは古びた1台のバイク、後に小熊の生活を一変させる「スーパーカブ」だった。

第2話 礼子

スーパーカブ」との生活が始まった小熊。まだぎこちなさが残るも「スーパーカブ」の扱いにも段々と慣れてきた。小熊が「スーパーカブ」に乗っていることを知った礼子。「スーパーカブ」を見せて欲しいという礼子に困惑する小熊は、放課後ならと渋々承諾する。

第3話 もらったもの

スーパーカブ」のエンジンをかけ、ヘルメットを被り、グローブをはめて、朝8時過ぎに家を出る。小熊の1日が始まった。「スーパーカブ」との生活も慣れてきた一方で、礼子との関係はまだぎこちない。
今日も「スーパーカブ」と一緒に昼食を食べる二人。礼子の「郵政カブ」の荷台に設置された「箱」に興味を持った小熊。そんな小熊を礼子はある場所に連れて行く。

第4話 アルバイト

スーパーカブ」に乗り始めて初めての夏。礼子は夏休みにでっかい事をしたいと言う。一方小熊は「学校書類の運搬業務」をすることに。「スーパーカブ」で学校間の重要書類の運搬である。運搬業務の前日、小熊はオイル交換をするため再びシノさんのお店を訪ねる。

第5話 礼子の夏

礼子の自宅に招かれた小熊。そこで目にしたのは傷だらけになった礼子のカブだった。少し気になりながらも、料理をし始める小熊。食事中、礼子が話し始める。夏休みの間、「近くて遠い場所」に行っていた、と。

第6話 私のカブ

いつもの教室。明日からの修学旅行を控え、パンフレットを眺めながらニヤける小熊。礼子も旅行雑誌を食い入るように読んでいる。
帰宅後の夜、自宅でもパンフレットを眺めながらニヤける小熊。ところが、翌朝、発熱し体調を崩す。落胆した小熊は、仕方なく学校に欠席の連絡を入れる。

第7話 夏空の色、水色の少女

季節は初秋を迎え、校内は文化祭を前に不思議な熱っぽさを帯びていた。文化祭の準備に勤しむ恵庭椎。そんな椎を横目にカブの冬支度に備えてバイク用品のお店に立ち寄る小熊と礼子。昼休み。いつものように昼食を食べに行こうとする二人は、ちょっとしたトラブルに遭遇する。

第8話 椎の場所

寒さは一段と厳しさを増していた。そろそろ外で昼食を食べるのも辛くなってきた小熊と礼子。放課後、椎から彼女の両親が営んでいるカフェに誘われる二人。そんなカフェ「ブール」はドイツ風パンを作っているお店。どうやら礼子はこのお店の常連のようだ。

第9話 氷の中

凍えるような寒さの中、登校する小熊。「やっぱりあれを買うしかない!」という小熊に、「あれだけは絶対に嫌っ!」という礼子。昼食。椎からの差し入れで温まる二人。帰り道、椎は自宅のカフェに二人を誘う。どうやら二人に防寒対策として薦めたいものがあるようだ。

第10話 雪

学校も冬休みに入った。寒さ対策も万全の小熊。これで自由にスーパーカブで走り回れる、今まで通りいつでも、どこまでも。朝目を覚ますと外は雪に覆われた銀世界が広がっていた。スーパーカブに乗り始めて初めての雪だった。

第11話 遠い春

小熊の家で夜ご飯を食べる小熊、礼子、椎の3人。後片付けの手伝いをする椎。「この冷たくて暗い冬を、どこかに消して欲しい」と懇願する椎に、出来ないと話す小熊。翌日も寒々しい街と平穏な日々が続く。

第12話 スーパーカブ

遠くの場所で桜が咲いている。春はそこまで来ている。桜を見に行く計画を立てた3人は、早朝、旅支度をして北杜市を出る。私たちは今日旅に出る、スーパーカブと共に。

 

(ここまで)

これほど起伏の少ないストーリーの物語は、1クール・十数話を使って描くアニメシリーズとしてはかなりレアな部類だと思います。主な登場人物も、主人公の小熊、2話から登場する礼子、第7話から登場する椎の3人だけというこじんまりした世界を描いています。しかし、落ち着いたテンポで、スーパーカブとの出会いによって、少しずつ主人公の世界が広がっていく展開が、何とも心地よい作品でした。