鷺の停車場

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映画「うみべの女の子」

映画「うみべの女の子」(8月20日(金)公開)を観に行きました。

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向かったのは新宿武蔵野館。新宿に映画を観に行くことはこれまでもたまにありましたが、この映画館は初めて。

新型コロナの感染者の急増が収まらないこの時期に新宿に行くのは若干勇気が要りましたが、公開時の上映館は全国わずか9館という小規模な上映で、今後上映が予定されている映画館を入れても、ここが最寄り?の上映館のようだったので、思い切って行ってみました。

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この日の上映スケジュール。先日違う映画館で観た「サマーフィルムにのって」も上映されています。この映画館が筆頭館のようです。

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入口には、原作者や主演キャストのサイン入りのポスターが展示されていました。

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ロビーにも展示がありました。

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上映は128席のスクリーン1。通常どおりの販売で、8~90人は入っていたと思います。シネコンなどの1席ずつ間隔を開ける方式に慣れた身には、かなり久しぶりに前後左右とも隣にお客さんが座る環境に、(場所が新宿ということもあって)一抹の不安を感じながらの鑑賞となりました。

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浅野いにおが2009年に発表した同名のコミックを原作に、海辺の街で暮らす中学生の少女と少年が興味本位で体の関係を持っていく、思春期の男女の性と恋を描いた作品で、監督・脚本はウエダアツシ

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

 海辺の田舎町に暮らす中学二年生の小梅(石川瑠華)は、憧れの三崎先輩(倉悠貴)に手酷いフラれ方をして自棄になり、同級生の磯辺(青木柚)を誘って衝動的に初体験を済ませる。なぜその相手が自分だったのかと問う磯辺に、「一年の時あたしに告ったじゃん」と、ことも無げに言い放つ小梅。気持ちはまだ変わっていないとあらためて告白する磯辺だったが、小梅にその気はなかった。
 しかし、その後も二人は体の関係を繰り返す。ただの友達には戻れない、恋人同士でもない。曖昧で奇妙なつき合いを続けるうちに、はじめは興味本位で「ただの気分転換」だったはずのセックスも、いつしかお互いにとって日々の生活の一部になっていった。
 いつものように磯辺の部屋で体を重ねたある日、磯辺のパソコンのデスクトップにビキニ姿の少女の写真を見つけた小梅は、嫉妬にも似た感情を覚えて勝手にそれを削除してしまう。自分からフッたはずの磯辺の気持ちを、いまさら試す小梅に、「生きてるだけで息が苦しいって奴らの気持ちなんてわかんねーだろ?」と詰め寄る磯辺。磯辺は実の兄を自殺で亡くしていた。
 磯辺の部屋にある大量の漫画やCD、下段の使われていない二段ベッド。それらはすべて兄が遺したものだった。ゲーム会社に勤める多忙な父親(村上淳)と、仕事で海外にいる母親は留守がちで、兄の死に罪悪感を抱える磯辺はその部屋で一人、生前の兄が使っていたSNSアカウントを引き継いで発信を続けていたのだ。
 一方、小梅に片思いしている幼馴染の鹿島(前田旺志郎)は、二人の仲を怪しんで磯辺を問い詰める。小梅との性的な関係をほのめかす磯辺に逆上した鹿島は、思わず拳を振り上げてしまう。そんな鹿島が小梅に向ける気持ちを知りつつ、小梅の親友の桂子(中田青渚)は、人知れず鹿島に思いを寄せていた。
 磯辺に拒絶されたやるせなさから、三崎先輩に拠りどころを求める小梅。性行為を強いられそうになり、傷ついて押しかけてきた小梅を、磯辺は「帰れ」と突き放す。親友だからこそ、家族だからこそ言えない焦りや苛立ちも、磯辺にならぶつけられる。それぞれにねじれた喪失を抱え、心の穴を埋めるように激しく交わる二人。「ねぇ磯辺、してもしても何かが足りない気がするのはなんでだと思う?」
 文化祭を前にして、会えないほど磯辺に執着していく小梅と、死んだ兄の幻影にとらわれていく磯辺。離れていく磯辺の心をつなぎとめようと小梅は手紙に思いをしたためる。しかしその頃、磯辺はポケットの中にスタンガンを握りしめ、夜道に足を踏み出していた……。

 

・・・というあらすじ。

主要登場人物は、上のストーリーの中でも紹介されていますが、

  • 佐藤小梅【石川瑠華】:中学2年生(後に3年生)の主人公。磯辺をセックスに誘う。

  • 磯辺恵介【青木柚】:小梅の同級生。3年前に兄がいじめを受け自殺したことがトラウマになっている。

  • 鹿島翔太【前田旺志郎】:小梅の同級生で密かに想いを寄せている。野球部。

  • 小林桂子【中田青渚】:小梅の親友。鹿島に想いを寄せる。お笑い好き。

  • 三崎秀平【倉悠貴】:小梅の1年上の先輩。磯辺の兄をいじめた過去があった。

  • 白瀬香菜惠【宮﨑優】:三崎たちに誘われ小梅と一緒に海に遊びに来た女の子。

  • 湯ノ原明【髙橋里恩】:三崎の遊び友達。

  • 鈴木摩理【円井わん】:三崎の遊び友達。

  • 土井洋文【西洋亮】:三崎の遊び友達。

  • 大津克俊【平井亜門】:後に高校生となった小梅の彼氏。

  • うみべの女の子【高崎かなみ】:磯辺が一目惚れした2年上の女の子。

  • 佐藤満【いまおかしんじ】:小梅の父親。

  • 磯辺秀雄【村上淳】:磯辺の父親。

など。

 

原作マンガは未読の状態で観ました。

思春期の男女が体だけの関係を続ける中で互いの心情・関係はが変化していく、という大きな骨格は、物語の内容は全く違うのですが、以前に読んだ村山由佳「海を抱く Bad Kids」(こちらは高校3年生でした)と共通しているなあと思いながら観ました。

けっこう尖った青春もの、というのが率直な感想。2人の心情の移り変わりは、ちょっと分かりにくいところもあり、個人的にバイオレンス系の描写は苦手で観るのが辛い部分もありましたが、全体的な印象は悪くなかったです。