鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「そして、バトンは渡された」

休日の午前、TOHOシネマズ流山おおたかの森に行きました。

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8時半すぎの時間、各スクリーンの朝一番の上映回が始まる直前で、チケット売り場にはけっこうな行列ができていました。

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上映スケジュール。この週から公開の6作品をはじめ、合計25作品が上映されていました。計11スクリーンのシネコンとしては、かなり上映作品数が多い方ではないでしょうか。

この日観るのは、公開初週の「そして、バトンは渡された」(10月29日(金)公開)。

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上映は、127席のスクリーン8。お客さんはパッと見た感じ、40人くらい入っていました。

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チラシの表裏。

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チラシの中見開き。

 

2019年の本屋大賞を受賞した瀬尾まいこさんの小説「そして、バトンは渡された」を映画化した作品で、監督は前田哲、脚本は橋本裕志

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

血の繋がらない親に育てられ、4回も苗字が変わった森宮優子は、わけあって料理上手な義理の父親、森宮さんと2人暮らし。今は卒業式に向けピアノを猛特訓中。将来のこと、恋のこと、友達のこと、うまくいかないことばかり…。
一方、梨花は、何度も夫を替えながら自由奔放に生きている魔性の女。泣き虫な娘のみぃたんに目いっぱい愛情を注いで暮らしているようだったが、ある日突然、愛娘を残して姿を消してしまった。
そして、優子の元に届いた一通の手紙をきっかけに、まったく別々の物語が引き寄せられるように交差していく。「優子ちゃん、実はさ…。」森宮さんもまた優子に隠していた秘密があった。父が隠していたことは? 梨花はなぜ消えたのか? 親たちがついた〈命をかけた嘘〉〈知ってはいけない秘密〉とは一体何なのか。
2つの家族がつながり、やがて紐解かれる《命をかけた嘘と秘密》。物語がクライマックスを迎え、タイトルの本当の意味を知ったとき、極上の驚きと最大の感動がとめどなく押し寄せる─。

 

・・・というあらすじ。

主な登場人物は、

  • 森宮優子(永野芽郁):これまでに4回も苗字が変わる不遇な環境なのに、あっけらかんとした性格。同じ高校の早瀬君のことが気になっている。

  • 森宮さん(田中圭):料理で愛情を表現するタイプだが、時にダメ親父っぷりを発揮してしまう優子の今の父親。

  • 早瀬くん(岡田健史):ピアノが上手な優子の同級生。やがて風変わりな家族構成の優子に惹かれ始める。

  • 田中梨花石原さとみ):みぃたんの母親。自由奔放で、目的のためには手段を選ばない魔性の女。

  • みぃたん(稲垣来泉):友達思いの泣き虫な女の子。いつもみぃみぃ泣いている。梨花のことが好き。

  • 水戸さん(大森南朋):梨花が選んだ1番目の夫。梨花に振り回されながらも、自分の夢を追って家族を残してブラジルに出る。

  • 泉ヶ原さん(市村正親):梨花が選んだ2番目の夫。お金目当てで暮らし始める梨花を受け入れ、みぃたんにも愛情を注ぐ。

など。

 

冒頭から、小学生のみぃたんと梨花、高校3年生の優子と森宮さん、という2組の血のつながらない親子の姿が交代しながら描かれていきますが、ちょうど中間のあたりで、その2組の親子の物語が結びついて、後半はそれまでの伏線を回収していくように、大きく物語が動き、秘密が明らかになっていきます。このへんの構成、展開は見事でした。本編137分と、かなり時間は長めですが、退屈になることなく、最後まで観ることができました。

悪い言い方をすれば、自由奔放な梨花に振り回された女の子と男たち、ともいえるお話なのですが、悪い人は誰もおらず、梨花をはじめ、大人たちは娘となった女の子に愛情を注ぎます。その中で、親が変わりながらも女の子はまっとうに成長していきます。そこにあ現実にはまず起こりえない、ある意味では夢のような設定なので、この設定にひっかかるかどうかで印象はだいぶ違ってくると思いますが、胸を打ついい作品でした。