鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「スパゲティコード・ラブ」

休日の夕方、MOVIX柏の葉に行きました。

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16時半ごろの時間帯、ロビーの人はまばらでした。

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この日の上映スケジュールの一部。全部で23本ほどの作品が上映されていました。席に余裕のある上映回がほとんどでした。

観たのは、「スパゲティコード・ラブ」(11月26日(金)公開)。全国29館と小規模での公開、東京都内で3館のみ、千葉県内ではこの映画館のほか、蘇我、幕張のみの上映ですが、この映画館ではあまり入りが良くないようで、公開2週目で1日1回のみの上映となっていました。

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上映は103+2席のシアター1。入ってみると、お客さんは10人弱という感じ。

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フードデリバリー配達員、シンガーソングライター、広告クリエイター、カメラマン……東京でもがく13人の若者たちの常を追った群像劇で、監督は映像クリエイター・丸山健志、脚本は蛭田直美。タイトルの「スパゲティコード」とは、解読困難なほど複雑に絡み合ったプログラミングコードの意味だそうです。

 

メインの登場人物は、

  • 羽田 天【倉 悠貴】:引退した大好きなアイドルへの想いに区切りをつけるため、1000回配達を目指し自転車を走らせるフードデリバリー配達員。

  • 桜庭 心【三浦 透子】:シンガーソングライターを目指していたが、その夢を諦め、苦手な友達とダラダラと過ごしている。

  • 大森 慎吾【清水 尋也】:定住しないノマド生活者。Facebookの友達は5000人を超えるが、真の友人はいない。

  • 黒須 凛【八木 莉可子】:有名写真家を親に持ち、天才と称されるプレッシャーと周囲との距離に苦しんでいる広告クリエイター。

  • 氷室 翼【古畑 新之】:コミュ力だけで渡ってきたが、25歳を超えて、壁にぶつかっているカメラマン。

  • 赤羽 圭【青木 柚】:片思いをしている桜と噛み合わない会話を続けている高校生。

  • 千葉 桜【xiangyu】:空虚感にとらわれ死に憧れている高校生。

  • 綾瀬 夏美【香川 沙耶】:モデルだが、仕事よりパパ活の方が忙しくなってきている。

  • 小川 花【上大迫 祐希】:不登校だがインスタで嘘のリア充投稿に明け暮れている高校生。

  • 宍戸 一樹【三谷 麟太郎】:毎日コンビニのイートインで時間をつぶしている中学生。

  • 渋谷 桃子【佐藤 睦】:失恋のショックで引きこもり、復縁を願い電話占いにハマっている。

  • 目黒 梅子【ゆりやんレトリィバァ】:桃子の隣人で同じく引きこもりでピーナッツバターにハマっている。隣の部屋で桃子の電話占いする声を聞いている。

  • 剣持 雫【土村 芳】:アルバイト先の喫茶店では怒られてばかりで、恋人に尽くすことだけを生きがいにしている。

の13人。

また、登場人物名は明示されませんが、

  • 尚玄:凜の事務所の上司?、夏美のパパ活の相手、天のデリバリーの届け先
  • 甲本雅裕:夏美のパパ活の相手、雫が乗るタクシーの運転手
  • 尾上寛之:妻子持ちの雫の恋人

が、メインの登場人物をつなぐ重要な脇役として出てきます。

このほか、天が大好きなアイドル・U+P(ユートピー)の如月さらら役で≠MEの冨田菜々風が(同グループのメンバーとして、同じく≠MEの蟹沢萌子、河口夏音、川中子奈月心、鈴木瞳美も出てきます)、劇中で心が憧れるシンガーとして一瞬登場するAmy役で4人組大学生ガールズバンド・ヤユヨのリコが出演しています。

一見関係なさそうなメインの登場人物が13人もいて、群像劇として成立するのかと思って観始めました。

13人の直接的な接点の有無でいうと、天/心・慎吾/慎吾・夏美/凛・翼/翼・花/圭・桜/一樹/桃子・梅子/雫という感じで、直接には関係しない人物が多いのですが、一樹がイートインスペースで学校の課題に頭を悩ませるコンビニに桃子が電話占いにつぎ込むお金をATMで下ろしにやってきたり、雫が働く喫茶店に心が苦手な友達とやってきたり、凛の初仕事の広告を花が気に入っていたり、また、前述のように脇役が複数の人物に関係していたり、ディテールの作り込みが巧みで、焦点が当たる人物の移り変わりにも違和感を感じさせられることなく、予想以上にうまく作られている作品でした。