キネマ旬報シアターに行きました。
この日の上映作品。
観たのは「偶然と想像」(12月17日(金)公開)。ほとんどミニシアターで、全国53館(公開初日からは40館)と小規模での公開。監督・脚本が「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介、第71回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリ受賞と聞いて、観に行くことにしました。
上映は148席のスクリーン2。この映画館では、引き続き1席ずつ間隔を開けての販売が続けられていたので、実質的には定員75席ほどになっていました。
入口の脇にはちょっとした展示もありました。
すでに予告編が始まっていて、慌てて席に座りました。お客さんは30人くらいだったでしょうか。
最初に、濱口監督のビデオメッセージが流れ、その後本編が始まりました。
かつての恋人に親友が思いを寄せていることを知った女性を筆頭に、偶然と想像をテーマにした3つの物語で構成されるヒューマンドラマ。
公式サイトのストーリーによれば、次のようなあらすじ。
第一話 魔法(よりもっと不確か)
撮影帰りのタクシーの中、モデルの芽衣子(古川琴音)は、仲の良いヘアメイクのつぐみ(玄理)から、彼女が最近会った気になる男性(中島歩)との惚気話を聞かされる。つぐみが先に下車したあと、ひとり車内に残った芽衣子が運転手に告げた行き先は──。
第二話 扉は開けたままで
作家で教授の瀬川(渋川清彦)は、出席日数の足りないゼミ生・佐々木(甲斐翔真)の単位取得を認めず、佐々木の就職内定は取り消しに。逆恨みをした彼は、同級生の奈緒(森郁月)に色仕掛けの共謀をもちかけ、瀬川にスキャンダルを起こさせようとする。
第三話 もう一度
高校の同窓会に参加するため仙台へやってきた夏子(占部房子)は、仙台駅のエスカレーターであや(河井青葉)とすれ違う。お互いを見返し、あわてて駆け寄る夏子とあや。20年ぶりの再会に興奮を隠しきれず話し込むふたりの関係性に、やがて想像し得なかった変化が訪れる。
主な登場人物は、
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芽衣子【古川琴音】:第一話の主人公。モデル
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つぐみ【玄理】:芽衣子の親友のヘアメイク
- 和明【中島歩】:つぐみが初対面で意気投合した男性。芽衣子の元恋人。
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奈緒【森郁月】:第二話の主人公。夫と幼稚園児の息子がいる。大学4年生だが、年齢の違いもあって周囲から浮いている。
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瀬川幸治【渋川清彦】:奈緒が通う大学教授で作家。
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佐々木【甲斐翔真】:瀬川のゼミ生で奈緒のセフレ。留年したことで瀬川を逆恨みしている。
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樋口夏子【占部房子】:第三話の主人公。東京で働いていたが、同窓会のため約20年ぶりに仙台に帰ってくる。
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小林あや【河井青葉】:夏子が帰った仙台で、高校時代の同級生と勘違いして知り合った主婦。
予想以上に素晴らしい作品。いずれも緻密に構成された会話劇で、脚本の巧みさが光っています。個人的には第2話のブラックな落ちは好きではありませんでしたが、そこまでの緊迫した展開は良かったですし、第3話はさらに特に良かった。