鷺の停車場

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映画「いとみち」舞台挨拶付上映

1月最初の連休、キネマ旬報シアターに行きました。

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数日前に首都圏でけっこう降った雪、日影ではまだ残っており、路面は一部凍結していました。

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この日の上映作品。

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観るのは「いとみち」(2021年6月25日(金)公開)。主演の駒井蓮は、以前スクリーンで観た「名前」で印象に残っていて、本作も映画情報サイトなどでの口コミも良さそうで気になっていたのですが、観るチャンスがないままにほとんど上映が終わっていました。この映画館では、かなり前から上映予定とアナウンスされていたので、上映を楽しみにしてました。

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この映画館での上映初日となるこの日、横浜監督と主演の駒井蓮の舞台挨拶が開催されると知って、滅多にない機会なので、朝にチケットを買って行ってみることにしました。

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上映は148席のスクリーン2。この映画館では、引き続き1席ずつ間隔を開けての販売が続けられていたので、実質的には定員75席ほど。この日は、舞台挨拶付上映、当日の8時45分から映画館窓口のみでチケットが販売されましたが、2時間ほどで完売になったようです。

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入口の脇にはちょっとした展示もありました。

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越谷オサムの同名小説を映画化した作品だそうで、監督・脚本は横浜聡子

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

「人が歩げば道ができ、道を振り返れば歴史という景色が見えるど言う。わあの歴史はまんだ、どごさも見当たらね」青森県弘前市の高校。日本史の授業で音読をあてられ、相馬いと(駒井蓮)はこの世代には珍しく激しい津軽弁で、みんなから笑われる。訛りと人見知りで本当の自分を見せることができず、友人もいない。得意だったはずの津軽三味線も気乗りせず、弾かないままずっとしまい込んでいる。

そんなもやもやした日々を過ごすいとが意を決して始めたアルバイト先は、なんとメイドカフェ五能線奥羽本線を乗り継ぎ"大都会"青森市へ。津軽メイド喫茶店には、やたら丁寧な店長の工藤優一郎(中島歩)、強気なシングルマザーの葛西幸子(黒川芽以)、漫画家を目指している福士智美(横田真悠)がいた。いとはメイド服はばっちり似合って喜んだものの、キメ台詞が言えない。「お、お、おおんがえりなさいませ、ご、ごすずんさま!」。オーナーの成田太郎(古坂大魔王)はその不気味さでびびるいとに「絆」をアツく語る。

ある日、テレビのニュースで成田が逮捕されたことが報じられ驚愕するいと。突然のメイドカフェ廃業の危機に、いとが立ち上がった。「わあ、好ぎだ人だぢど、ずっと一緒に働きてえです。まんだいっぺえお客さんさ来てもらいてえんです。三味線弾がせでください!」。

 

・・・というあらすじ。

主な登場人物は、

など。

 

津軽弁の訛りがひどく、人見知りな女子高生・いとが、たまたま見つけた青森市メイド喫茶でアルバイトを始めたことをきっかけに成長していく物語。劇中での津軽弁は、理解できない部分も少なからずあって、日本語字幕がほしいと思うくらいでしたが、前後の文脈で何となく意味が分かってついていけました。王道の青春物語ではありますが、クスっと笑わせるシーン、ホロっとさせるシーンを織り交ぜてエンディングにもっていく構成が見事で、じんわりと心に響く心温まる作品でした。前に観た「名前」と同様、主人公役の駒井蓮はやはり印象的。父親役の豊川悦司、店長役の中島歩など周囲の俳優陣もいい味を出していました。

 

上映が終了して、10分ほどの休憩を挟んで、横浜聡子監督、主演の駒井蓮の2人が登壇しての舞台挨拶が始まりました。

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お二人とも、最後の15分ほど、スクリーンの後ろで作品をご覧になっていたそうです。

駒井さんは、芸能界入り前の中学生時代に原作を読んだことがあったそうで、将来もし女優になったら主人公を演じてみたいと思ったけど、原作では身長が低い女の子(150cm以下)なので諦めていて、オファーが来て驚かれたのだそう。そのほか、豊川悦司を耕一役に依頼して津軽出身から東京出身に変えた、といった設定の工夫、メイド衣装のこだわり、撮影中のエピソードなど、いろいろお話をお聞きすることができました。

進行役の映画館スタッフの質問の後、観客からのQ&Aタイムもありました。既に何度もスクリーンで観たり、既にBlu-rayやDVDを購入されてコメンタリーを聞いている人もいたりして、熱心なファンが多くいらっしゃっていたのだろうと思います。

予定よりも少し押して、16時ごろに舞台挨拶が終了。駒井さんは、作品での雰囲気とは違って、普通の女の子という感じで、お二人のいい関係もうかがえる舞台挨拶でした。通常の上映料金と変わらない料金で、これだけじっくりお話を生で伺うことができ、とても貴重な機会でした。

その後、スクリーン脇のスペースで、パンフレット購入者対象のサイン会が始まりました。

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私はその後の都合もあって、舞台挨拶後すぐに映画館を出ましたが、パンフレットを購入した多くの方が並んでいました。映画館のTwitterによると、当日約60冊のパンフレットが売れたそうなので、鑑賞されたお客さんのほとんどが参加されたのだろうと思います。

当日の様子は、日刊スポーツでも記事になっていました。

www.nikkansports.com

記事によると、遠く青森から駆け付けたお客さんもいたとのこと。上映当日、映画館窓口のみの販売で、2時間ほどで完売してしまったようなので、遠くから来られてチケットを入手できなかった方もいらっしゃったのかもしれません。

この映画館での上映は1月21日(金)までの2週間の予定。他の映画館での上映はすべて終わっているので、スクリーンで本作が上映されるのは(イベント的な上映を除けば)これが最後になりそうです。