鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「流浪の月」

休日の朝にTOHOシネマズ柏に行きました。


映画館は、ショッピングモール「セブンパーク アリオ柏」の3階にあります。朝9時ごろ、まだショッピングモールの開店前の時間帯、それほど人は多くありませんでした。


この日の上映スケジュール。14作品、18種類の上映が行われていました。

この日観るのは、「流浪の月」(5月13日(金)公開)。


あらかじめ予約しておいたチケットを発券し、スクリーンへ。


上映は101+2席のスクリーン5。お客さんは10人弱という感じでした。


チラシの表裏。


チラシの中見開き。


別バージョン、1枚もののチラシ。

 

2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆうの同名小説を基に実写映画化した作品で、監督・脚本は、李相日(リ・サンイル)。全国324館と、大規模な公開です。李監督の作品は、以前に「フラガール」を家で観たことがあるだけですが、フラガールは良い作品でしたし、映画情報サイトでの口コミ評価も総じて高いので、観に行くことにしました。

 

公式サイトで紹介されているキャストは、

  • 家内更紗(かない さらさ)【広瀬すず】:10歳の時に文と出会い「女児誘拐事件の被害者」とされる。レストランでアルバイト中。
    <10歳時>【白鳥玉季】:両親と別れ、伯母の家で暮らす。

  • 佐伯文(さえき ふみ)【松坂桃李】:大学生の時、更紗と過ごし「誘拐犯」とされる。カフェcalicoを営む。

  • 中瀬亮(なかせ りょう)【横浜流星】:更紗の現在の恋人。上場企業のエリート会社員。

  • 谷(たに)あゆみ【多部未華子】:文の現在の恋人。看護師。

  • 安西佳菜子(あんざい かなこ)【趣里】:更紗の同僚のシングルマザー。

  • 湯村(ゆむら)店長【三浦貴大】:更紗の働くレストランの店長。

  • 安西梨花(あんざい りか)【増田光桜】:安西の娘。

  • 佐伯音葉(さえき おとは)【内田也哉子】:文の母。

  • 阿方(あがた)【柄本明】:アンティークショップのオーナー。

 

ネタバレになってしまいますが、おおまかなあらすじは、

 

家に帰りたくない事情を抱えた小学5年生の少女・更紗。公園で更紗を見かけた孤独な大学生・文は、更紗に声を掛け、家にき入れる。居場所を見つけた更紗は伸び伸びと過ごすが、その夏の終わり、行方不明者として捜索する警察に捕まり、文は「誘拐犯」、更紗は「被害女児」となってしまう。
それから15年後。更紗はレストランでアルバイトをしており、エリートサラリーマンの恋人の亮と同棲していた。結婚を求める亮に躊躇いを覚える更紗は、佳菜子と偶然に入ったカフェで、営んでいるのが文であることを知り、胸騒ぎを覚える。自分が更紗であることは言わずに、カフェに足を運ぶようになる更紗だったが、文には恋人の谷がいた。一方、更紗の変化を感じ取った亮は、その強い束縛心でそのカフェを突き止め、文のことをネットで暴露し拡散する。それを知った更紗は、亮を拒んで家を飛び出し、文の隣の部屋で暮らすようになる。
しかし、その幸せは長くは続かない。元誘拐犯と元被害者が仲良くしていることを、雑誌は興味本位で報じ、更紗はアルバイトを辞めざるを得なくなる。さらに、娘の梨花を更紗に預けて浮気相手と旅行に行った佳菜子が帰って来ず、梨花の面倒を見る更紗を文が手伝うようになったことで、警察の介入を招く。
再び文の人生を壊してしまったことを悔やむ更紗に、文は更紗に隠していた自分の秘密を明かす。更紗はそれを受け入れ、一緒に生きていくことを選ぶ。

 

・・・という感じ。


全体的に重い雰囲気が漂い、時間的な長さは感じましたが、切なく、心に刺さるとても良い映画でした。

更紗と文はそれぞれ複雑な事情を抱え、それが最初の出会いにつながるわけですが、その楽しい日々の中で芽生えた文との絆が、その後の更紗の心の支えとなっていきます。この回想の描写だけは、ポップなBGMで明るく描かれ、現在の重い空気と大きな対照をなしています。2人はともに自分を好きになってくれた人と恋人となり、相手を好きになろうとしますが、心の壁が消えることはなく、偶然に再開した2人は急速に接近していきます。

俳優陣も好演。広瀬すず松坂桃李の主役2人も良かったですが、特に、更紗を支配しようするあまり次第に狂気を増していく亮を演じた横浜流星、更紗の子ども時代を演じた白鳥玉季が印象的に残りました。

原作は未読の状態で見ましたが、いずれ原作小説も読んでみたいと思います。