鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

アニメ映画「神々の山嶺」

休日の午後、MOVIX柏の葉に行きました。


13時過ぎの時間帯、ロビーにはけっこうお客さんがいました。


この日の上映スケジュールの一部。この日は合わせて26作品・29種類の上映が行われていました。この映画館としては作品数が多い印象です。

この日観るのは、「神々の山嶺(いただき)」(7月8日(金)公開)。全国28館と小規模の上映で、千葉県内ではここと千葉市の千葉劇場の2館のみの上映ですが、これから上映する映画館も30館近くあるようです。


上映は103+2席のシアター6。入ってみると、20人ほどのお客さんが入っていました。


チラシの表裏。

 

夢枕獏のベストセラー小説を谷口ジローが漫画化した同名コミックを原作に、フランスで2021年にアニメ映画化された作品で、監督・共同脚本はパトリック・インバート。映画の原題は"Le Sommet des Dieux"で、意味は日本語のタイトルと同じ。フランスでアカデミー賞に相当するセザール賞で長編アニメーション映画賞を受賞しているそうです。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

「登山家マロリーがエベレスト初登頂を成し遂げたかもしれない」といういまだ未解決の謎。その謎が解明されれば歴史が変わることになる。カメラマンの深町誠はネパールで、何年も前に消息を絶った孤高のクライマー・羽生丈二が、マロリーの遺品と思われるカメラを手に去っていく姿を目撃。深町は、羽生を見つけ出しマロリーの謎を突き止めようと、羽生の人生の軌跡を追い始める。やがて二人の運命は交差し、不可能とされる冬季エベレスト南西壁無酸素単独登頂に挑むこととなる。

 

・・・というあらすじ。

公式サイトで紹介されている主なキャラクターは、次のとおりです。(【 】内は日本語吹替版の声優です)

  • 深町 誠【堀内 賢雄】:雑誌カメラマン。エベレストの取材で訪れていたカトマンズで、登山家マロリーの遺品とおぼしきカメラを手にする、クライマー羽生丈二を見つける。マロリーの謎を解き明かそうとカメラを追ううちに、羽生と大きく関わっていくことになる。

  • 羽生 丈二【大塚 明夫】:孤高の天才クライマー。初登頂に固執し、仕事を転々としながら山に登る。他人を寄せ付けず、ザイルパートナーの事故をきっかけにより孤立を深め、一人危険な山に挑み続けていた。とある事件をきっかけに消息を絶っていたが、深町に発見される。

  • 岸 文太郎【逢坂 良太】:羽生の山岳会の後輩。山岳会で孤立する羽生を慕う。初めて羽生のザイルパートナーとなったクライミング中に落下して死亡。この事が羽生をよりいっそう孤立させる原因となった。

  • 岸 涼子【今井 麻美】:岸文太郎の姉。弟の死をきっかけに羽生から手紙が届く。羽生の過去を探る深町に羽生の行方の手がかりを教える。

 

素晴らしい作品。何より、アニメならではの迫真の映像に圧倒されました。実写ではこの再現は到底不可能でしょう。緊張感の張り詰めた登山シーンは、思わず息を呑むような場面もあり、どんどん作品に引き込まれました。特に、雪山登攀の過酷さ、危うさ、美しさ、そして死の恐怖を、リアルな映像、アニメならではの手法で、追体験させられるような感覚がありました。

原作小説・マンガともに未読の状態で観ましたが、機会あれば、それらも読んでみたいと思いました。