鷺の停車場

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テレビアニメ「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」第3クール

2019年秋シーズンの第1クール、2020年春シーズンの第2クールから少し間が開きましたが、4月からTOKYO MXなどで放送されていたテレビアニメ「本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~」の第3クールを見ました。

booklove-anime.jp

香月美夜さんが2013年9月から2017年3月まで小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿された同名小説をアニメ化したもの。原作は5部677話、現在、それを改訂した単行本が逐次発刊されています。 

第1期は、そのうちの第1部に当たる部分で、中世ヨーロッパ風の異世界の少女マインとして転生した本好きな女の子が、前世の知識を活用して本作りを目指し、神殿の巫女見習いとなることが決まるまでを、第2期は、第2部の前半に当たる部分で、神殿の巫女見習いとなったマインが、家族、保護者的な存在の商人ベンノや幼なじみのルッツたちの助けを受けながら、神官長フェルディナンドの庇護を受け、側仕えの支えも受けて、さらに成長していくまでを描いていました。

この第3期では、第2期に続く、原作の第2部の後半に当たる部分をアニメ化したもので、主要スタッフは、監督:本郷みつる、副監督:川崎芳樹、シリーズ構成:國澤真理子、アニメーション制作:亜細亜堂など。

 

主な登場人物は、

  • マイン【井口 裕香】:主人公。見た目は幼女だが、転生前の本須麗乃の記憶を頼りに本作りを始める。魔力を持つ「身食い」で、虚弱で体が弱い。本読みたさに青色巫女見習いを志願し、周りを巻き込みながら孤児院の環境改善や本作りを進めていく。

  • フェルディナンド【速水 奨】:神官長。神殿でのマインの庇護者兼教育係。貴族出身だが、訳あって神殿で神官長を務めている。

  • ルッツ【田村 睦心】:マインの幼なじみ。ベンノの店・ギルベルタ商会で商人見習いとして働いており、マインのために尽力している。

  • ベンノ【子安 武人】:服飾や装飾を扱うギルベルタ商会の店主。マインが持ち込む商品の価値をいち早く見抜き、その才能を高く買っており、下町での保護者的な存在。

  • トゥーリ【中島 愛】:マインの姉。お針子見習いとして働いており、面倒見がよい人気者。

  • ギュンター【小山 剛志】:マインの父で、門を守る兵士・愛妻家で、親バカ。

  • エーファ【折笠 富美子】:マインの母。染色工房で働いており、容姿、裁縫の腕ともに申し分ない美人。

  • オットー【日野 聡】:南門の兵士で、ギュンターの部下。ベンノとは義兄弟の間柄。

  • マルク【前野 智昭】:ギルベルタ商会で働くベンノの右腕的存在。

  • フリーダ【内田 彩】:ギルド長・グスタフの孫娘で、お金大好き少女。マインと友達になる。

  • グスタフ【中 博史】:オトマール商会の大旦那で、商業ギルド(商業組合)のギルド長。ベンノとは犬猿の仲。

  • ギル【三瓶 由布子】:孤児院からマインの側仕えに召し上げられた灰色神官見習い。素行が悪かったが、マインの考えに触れ、頑張って働くようになる。

  • フラン【狩野 翔】:神官長に付けられたマインの筆頭側仕えの灰色神官。神官長に心酔していたが、マインのことを理解するようになってからは、頼れる存在となる。

  • デリア【都丸 ちよ】:神殿長に付けられたマインの側仕えの灰色巫女見習い。

  • ジーナ【鈴木 みのり】:音楽の教養のためにマインの側仕えに召し上げられた灰色巫女見習い。

  • ヴィルマ【安野 希世乃】:マインの側仕えに召し上げられた灰色巫女。絵が得意で、孤児院の母親的存在。

  • カルステッド【森川 智之】:エーレンフェストの騎士団長で領主の護衛騎士。領主の従兄に当たる上級貴族。

  • ダームエル【梅原 裕一郎】:エーレンフェストの騎士団に所属する下級貴族。マインの信頼を得て、護衛騎士となる。

  • ジルヴェスター【井上 和彦】:祈念式に同行し、マインたちと行動を共にする青色神官。自由奔放でやりたい放題。

など。

 

公式サイトに掲載されている各話ごとのストーリーを紹介すると、次のとおりです。

第二十七章 冬の始まり

<秋の終わり。マインは聖典絵本を量産して売り出したり、鍛冶職人見習いのヨハンにパトロンになって欲しいと頼まれたり、次の目標へ向けて精力的に本作りに取り組んでいた。だがそんな中、インク協会会長のヴォルフが、マインのことをかぎ回っていることがわかる。マインはベンノからある事を提案されるのだが……。>

原作の単行本、第二部の第3巻「神殿の巫女見習いⅢ」の前半、「印刷協会」から「インク協会と冬の始まり」までの部分におおむね対応する部分。

第二十八章 冬籠もりと今後の話

<神殿で、冬籠もりをすることになったマイン。だが、早々にホームシックになってしまう。さらに、ベンノとフェルディナンド、カルステッドとの会談では、ヴォルフが危険な人物で貴族とも繋がりがあることが判明。不思議な知識と強大な魔力を持つマインは、貴族たちからも狙われる存在だったのだ。危険を回避するためにフェルディナンドが下した決断とは!?>

原作の単行本、第二部の第3巻「神殿の巫女見習いⅢ」の前半、「冬籠りと冬の手仕事」から「騎士団の処分と今後の話」までの部分におおむね対応する部分。

第二十九章 奉納式と春の訪れ

<マインの護衛として騎士のダームエルがつくことになった。おかげで出歩くことができるようになったマインは、図書室に行けると大喜び。奉納式を行ない、小聖杯に魔力を満たす職務を果たしながらも、下町へヨハンに注文していた品を受けとりに行く等、本作りへの情熱は失わない。そして春が近づき、家に帰れる日を心待ちにするマイン。だが、そんなマインに残酷な事実が告げられる。>

原作の単行本、第二部の第3巻「神殿の巫女見習いⅢ」の中盤、「冬の日常」から「祈念式の準備」までの部分におおむね対応する部分。

第三十章 祈念式

<祈念式へ向かうことになったマインたち。そこへ、ジルヴェスターという青色神官が現れる。自由奔放なジルヴェスターにからかわれ、戸惑うマイン。ジルヴェスターを牽制しながら各地の農村を回り、祈念式を立派に務める。そしてマインたち一行は、以前からマインに興味を持っていたというゲルラッハ子爵のもとを訪れることに。だが、その日の夜――。大変な事件が起こってしまう!>

原作の単行本、第二部の第3巻「神殿の巫女見習いⅢ」の後半、「祈念式」から「襲撃」までの部分におおむね対応する部分。

第三十一章 青色神官の贈り物と帰宅

<祈念式を終え、マインたちが神殿に帰って来た。ジルヴェスターは、孤児院や工房を見てみたいと、マインを案内係に任命。聖典絵本を作る様子等を見て回る。そして去り際、ジルヴェスターはマインに、「いざという時のお守りだ」と、黒い石のついたネックレスを渡す。一方、ジルヴェスターと共に本作りの様子を見たフェルディナンドは、マインの技術は歴史を変えてしまうと、危機感を募らせるのだった。>

原作の単行本、第二部の第3巻「神殿の巫女見習いⅢ」の後半、「やりたい放題の青色神官」から「エピローグ」までの部分におおむね対応する部分。

第三十二章 神殿の捨て子と色作り

<久しぶりに家に帰ったマイン。弟のカミルが生まれ、これまで以上に本を作ろうと決意する。そんなマインの前に、強力な助っ人が現れた。インク職人のハイディだ。好奇心旺盛で研究熱心なハイディは、すぐにマインと気が合い、色インクの開発が始まった。試行錯誤を繰り返すマインとハイディ。そんな中、神殿では捨て子の赤ん坊、ディルクの面倒を見ることになる。>

原作の単行本、第二部の第4巻「神殿の巫女見習いⅣ」の前半、「カミルの世話」から「身食いの捨て子」までの部分におおむね対応する部分。

第三十三章 デリアとディルク

<赤ん坊のディルクが、高熱を出してしまった。ディルクを可愛がり、親身に面倒を見ていたデリアは、心配でたまらない。症状を見て、ディルクが身食いではないかと気づいたマイン。フェルディナンドと相談の末、ディルクを守るために、身食いであることを隠して育てることにする。マインは、ハイディと共に色インクの実験を進めつつ、神殿でディルクの世話をしていたのだが……。>

原作の単行本、第二部の第4巻「神殿の巫女見習いⅣ」の前半、「ディルクについての話し合い」から「デリアの進歩」までの部分におおむね対応する部分。

第三十四章 不穏な動き

<ハイディの工房からの帰り道。非常事態を知らせる鐘が鳴り、救援信号の赤い光が上がる。何があったのかと、不安になるマイン。状況がはっきりするまで、マインは安全のため、家に引きこもることになった。束の間の家族との時間を過ごすマイン。そして、ようやく外出を許されたマインが神殿へ行くと……。そこに、ディルクの姿はなかった。そしてマインに、さらなる危機が襲いかかる!>

原作の単行本、第二部の第4巻「神殿の巫女見習いⅣ」の中盤、「それぞれの言い分」から「誘拐未遂」までの部分におおむね対応する部分。

第三十五章 黒いお守り

<門番のミスで、他領の貴族の馬車が町に入りこんでしまった。マインが狙われていることを知っているギュンターは、マインを守るために奮闘する。だが、謎の男たちに襲われてしまうマイン。ジルヴェスターの言葉を思い出し、黒いお守りに血判を押す。しかし、状況は何も変わらない。そんな中、マインを狙う者たちが、ついに牙を剥く!そして、ディルクも巻き込んだ神殿長たちの陰謀が明らかになる。>

原作の単行本、第二部の第4巻「神殿の巫女見習いⅣ」の後半、「誘拐未遂」から「黒いお守り」までの部分におおむね対応する部分。

第三十六章 祝福

<不当な契約を迫る神殿長とビンデバルトに、魔力を暴走させたマイン。そこへ現れたフェルディナンドは、ビンデバルトと対戦する。さらに一同のもとへ、ジルヴェスターとカルステッドもやって来た。神殿長とビンデバルトは、自分たちに刃向かったマインに、罰を与えてほしいと要求。一同の裁定が行なわれる。そして、マインは大切な家族に、一つの決断をしたことを告げることになる――。>

原作の単行本、第二部の第4巻「神殿の巫女見習いⅣ」の後半、「騒動の責任」から「エピローグ」までの部分におおむね対応する部分。

 

第3期の本編はこれで終了。

テレビ放映時は、6月の最期の2週は、第1クールから第3クールまでの全体の総集編「本好きの再下剋上」第一章と第二章が放送されていました。

 

第2クールまでを見た後に、原作の単行本を読み始めて、第5部の途中まで読み進めてきたので、第2部で描かれていた領主の養女になる前の青色巫女見習いのマインは、だいぶ幼くて、最初はその違いに戸惑いましたが、再びこの時代のマインに慣れた後は、楽しんで見ることができました。

原作の単行本は、アニメ第1クールで描かれた第1部「兵士の娘」が3巻、第2クールと第3クールで描かれた第2部「神殿の巫女見習い」が4巻でしたが、それに続く第3部「領主の養女」は5巻、第4部「貴族院の自称図書委員」は9巻、第5部「女神の化身」は9巻まで刊行されていますが、まだ完結していません。

これまでと同様のペースでアニメ化すると仮定すると、第3部は2クール、第4部は3クール、第5部は4クールくらいは必要になる計算になりますが、そこまでアニメシリーズを続けるのは、現実的には難しそうですが、続編も期待したいと思います。