休日の午後、MOVIX柏の葉に行きました。
時間は14時ごろ、ロビーにはけっこうお客さんがいました。
この日の上映スケジュールの一部。この日は合わせて25作品・24種類の上映が行われていました。
この日観るのは「僕が愛したすべての君へ」と「君を愛したひとりの僕へ」(いずれも10月7日(金)公開)。2016年6月に刊行された乙野四方字さんの同名の2つの小説「僕が愛したすべての君へ」、「君を愛したひとりの僕へ」を原作にアニメ映画化したものだそうで、ともに、キャラクター原案はshimano、プロデューサーは石黒研三、脚本は坂口理子。
最初に観たのは「君を愛したひとりの僕へ」。上映は292+2席のシアター9。入ってみると、30人ほどのお客さんが入っていました。
こちらは、監督:カサヰケンイチ、アニメーション制作:トムス・エンタテインメントなどの主要スタッフ。
公式サイトのストーリーによれば、
両親が離婚し、父親と暮らす小学生の日高 暦(ひだか こよみ)。
ある日、父の勤務先で佐藤 栞(さとう しおり)という少女と出会う。
お互いに恋心を抱くようになる暦と栞だったが、親同士が再婚することを知らされる。
ふたりは兄妹にならない運命が約束された並行世界への駆け落ちを決断するが・・・。
・・・というあらすじ。
公式サイトで紹介されている主なキャラクターは、次のとおりです。
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日高 暦【宮沢 水魚/西岡 德馬(老後)】:両親の離婚後、父親と暮らしている。父が働く虚質科学研究所で所長の娘の栞と出会う。
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佐藤 栞【蒔田 彩珠】:日高暦の父が勤める虚質科学研究所の所長の娘。
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佐藤 紘子【水野 美紀】:栞の母で虚質科学研究所の所長。
- 瀧川 和音【余 貴美子】:おばあさんになった和音。
多少ネタバレになりますが、もう少し詳しめにあらすじを紹介すると、
7歳の時に両親が離婚し、父親と暮らすことを選んだ日高暦。ある日、父親の勤務先である虚質科学研究所の中で父の帰りを待っていると、ある少女と出会う。佐藤栞と名乗るその少女は、所長の娘で、両親が離婚しない世界に行きたいと、並行世界に行くことができる装置がある部屋に忍び込むが、所長に見つかってしまう。成長して高校生となり、お互いに恋心を抱くようになる暦と栞だったが、親同士が再婚することを知らされる。二人は、自分たちが結婚できなくなると思い込み、自分たちが結婚できる世界への駆け落ちを決断し、一緒に並行世界に行くことができる装置に入る。2人はそれぞれ両親が離婚していない世界に行くが、その世界で、栞は交通事故に遭い、戻るべき身体を失い、意識だけが幽霊のようにある交差点にとどまり続ける。自分のせいだと責任を感じる暦は、栞を助けようと、虚質科学研究所に入り、栞を助ける方法を探して研究を続ける・・・というもの。
切ない物語ではありますが、最後はちょっと救われる形で終わります。非現実的な設定が多く、この設定になじめない人もいるかもしれませんが、栞を助けたいと願い、研究に没頭する暦の心の痛みが迫る物語でした。
20分ほど挟んで、次に観たのは「僕が愛したすべての君へ」。こちらも同じシアター9での上映。お客さんはさっきよりやや少なく、20人ほどでした。
こちらは、こちらは、監督:松本淳、アニメーション制作:BAKKEN RECORDなどの主要スタッフ。
公式サイトのストーリーによれば、
両親が離婚し、母親と暮らす高校生の高崎 暦(たかさき こよみ)。
ある日、クラスメイトの瀧川和音(たきがわ かずね)に声をかけられる。
85番目の並行世界から移動してきたという彼女は、
その世界で2人が恋人同士であると告げる・・・。
・・・というあらすじ。
公式サイトで紹介されている主なキャラクターは、次のとおりです。
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高崎 暦【宮沢 水魚/西岡 德馬(老後)】:両親の離婚後、母親と暮らしている。首席入学した地元の進学校で、クラスメイトの和音と出会う。
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瀧川 和音【橋本 愛/余 貴美子(老後)】:高崎暦と同じ高校のクラスメイト。
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佐藤 紘子【水野 美紀】:栞の母で虚質科学研究所の所長。
多少ネタバレになりますが、もう少し詳しめにあらすじを紹介すると、
7歳の時に両親が離婚し、母親と暮らすことを選んだ高崎暦。学業は飛び抜けて優秀だが友達がいない暦だったが、ある日、クラスメイトの瀧川和音から声をかけられる。
85番目の並行世界から移動してきたという彼女は、その世界では暦が恋人だと話すが、それは、目立ちたくない暦が入学式の総代を辞退して自分が代わりにやることになったことを恨みに思う和音の仕返しだった。2人は次第に仲良くなるが、クールな和音は暦の告白を何度も拒むが、同じ大学に進んだ後、2人は付き合うようになる。虚質科学研究所に就職した2人は、やがて結婚し、男の子を授かるが、ある時、家族で出かけた先で、包丁を振り回す男に遭遇する。暦が男に体当たりして難を逃れるが、数日後、暦は和音の様子がおかしいことに気づく。それは、その事件で息子を失った並行世界からやってきた和音だった・・・というもの。
こちらは、大きな悲劇はなく、幸せな一生を送った暦と和音を描いていますが、並行世界では、そうではない和音がいること、幸せの可能性の数だけ不幸せの可能性もあることが示されます。切ない物語だった「君を愛したひとりの僕へ」の後に観たこともあって、同作品では伏線として描かれてたシーンの意味が分かって、後味はとても良かったですが、逆の順番で観ていたら、また違った印象を持ったのかもしれません。
それぞれ別の並行世界で生きた暦の一生を描いているため、様々なエピソードは重なっており、映像・音声が同一の部分も少なからずあります。悪く言えば使い回しですが、私はあまり気になりませんでした。それぞれ単体でみると、そこまで強い感銘を受ける感じではないですが、両方を観ると互いに補完し合ってより深く理解できる作品でした。評価は人それぞれかと思いますが、私はこうしたチャレンジングな企画に取り組んだ意欲は買いたいと思います。