先日、TOHOシネマズ日比谷に映画を観に行きました。
地下鉄の日比谷駅からミッドタウン日比谷へ。
この日の上映スケジュール。25作品・27種類の上映が行われていました。
この日観るのは「マイ・ブロークン・マリコ」(9月30日(金)公開)。
世間的には平日のお昼過ぎですが、ロビーはかなり混んでいます。
スクリーンに進みます。
上映は98+2席のスクリーン10。お客さんは20人ほどでした。
チラシの表裏。
チラシの中見開き。
2020年に発表された平庫ワカさんの同名の漫画を原作に実写映画化した作品だそうで、 監督:タナダユキ、脚本:向井康介・タナダユキ などの主要スタッフ。タナダユキ監督作品を観るのは、「ロマンスドール」、「浜の朝日の嘘つきどもと」に続いて3本目だと思います。
公式サイトのストーリーによれば、
ある日、ブラック企業勤めのシイノトモヨ(永野芽郁)を襲った衝撃的な事件。それは、親友のイカガワマリコ(奈緒)がマンションから転落死したという報せだった――。彼女の死を受け入れられないまま茫然自失するシイノだったが、大切なダチの遺骨が毒親の手に渡ったと知り、居ても立っても居られず行動を開始。包丁を片手に単身“敵地”へと乗り込み、マリコの遺骨を奪取する。幼い頃から父親や恋人に暴力を振るわれ、人生を奪われ続けた親友に自分ができることはないのか…。シイノがたどり着いた答えは、学生時代にマリコが行きたがっていた海へと彼女の遺骨を連れていくことだった。道中で出会った男・マキオ(窪田正孝)も巻き込み、最初で最後の“二人旅”がいま、始まる。
・・・というあらすじ。
主なキャストは、
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マキオ【窪田 正孝】:トモヨがマリコの遺骨を持って向かった「まりがおか岬」で出会った釣りをする男性。
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タムラ キョウコ【吉田 羊】: マリコ実父の後妻。映画では、最後に出てくる手紙の封筒に名前が「田村 恭子」と記されています。
など。
ネタバレになりますが、記憶の範囲で、もう少し詳しくあらすじを記すと、
ブラック企業に勤めるトモヨは、昼にラーメンを食べに入った食堂のテレビから流れたニュースで、親友のマリコがマンションから転落死したことを知る。マリコが住んでいた賃貸マンションの部屋に行くと、既に荷物はなく、後片付けをする管理人から直葬だと知らされる。マリコのために何かできないかと考えるトモヨは、遺骨を奪おうと、自室にあった包丁を鞄に忍ばせて、マリコの実家のアパートに向かう。営業を装ってドアホンを押すと、後妻のキョウコが出てくる。契約を取らないとクビになってしまうと頼み込むトモヨを、キョウコは家に迎い入れる。部屋の奥には、マリコの遺骨を前にうなだれる父親がいた。トモヨは父親に包丁を突きつけ、遺骨の入った骨壺を奪って窓から飛び降り、すぐ前に流れる川を渡って逃走し、自室にたどり着く。
マリコの遺骨と旅をしようと考えたトモヨは、どこに行けばいいかを考える。海に行きたいと話していたことを思い出したトモヨだが、どこの海に行けばいいか思いつかない。しかし、「まりがおか岬」のポスターを見たマリコが、行きたいね、と言っていたことを思い出し、まりがおか岬に向かうことにする。
夜行バスに乗り、さらに電車、バスと乗り継ぎ、まりがおか岬の近くにやってきたトモヨだったが、バスを降りてすぐに原付に乗った男に、財布や携帯、大事に取っていたマリコからの手紙などを入れていたバッグをひったくられてしまう。そこに、釣り帰りのマキオが通りかかる。トモヨは骨壺をその場に置いて男を追って走り出すが追いつかず、再び元の場所に戻ると、マキオが骨壺の脇に座って見守ってくれていた。マキオはトモヨに1万円を渡して立ち去る。
翌朝、酔っぱらって漁港の舟の中で野宿したトモヨは、再び釣りをしに来たマキオと出会う。マキオはトモヨに、歯ブラシと水を差し入れる。トモヨは、遺骨を持ってまりがおか岬にたどり着くと、マリコが現れたような感覚に襲われる。遺骨を前に、マリコへの思いのたけを叫ぶトモヨ。するとそこに、助けて!と叫んで女子高生が走ってくる。その後ろには、バッグをひったくった男が女子高生を追いかけていた。マリコは骨壺を持って、走ってきた男にぶち当てると、手から骨壺は離れ、その蓋が開いて遺骨は飛び散ってしまう。海岸に倒れていたトモヨの意識が戻るとすぐ脇にはマキオがいた。この岬ではなかなか死ねない、自分も数ヶ月前にやってみたと話すマキオ。そして近くにはあの男が意識を失っていた。
足を怪我して松葉杖となったが、バッグなどを取り戻したトモヨは、駅から帰路に就く。駅弁を差し入れて見送るマキオは、死んだ人に会うには、自分が生きていないといけないとトモヨに語る。帰ってきたトモヨには、ブラック企業で働く日常が戻ってくる。そんなある日、自室に帰ると、ドアノブに紙袋が掛けてある。それはキョウコからの手紙と、遺骨を強奪した日にマリコの実家の玄関に脱ぎっぱなしになっていたトモヨの革靴、そしてマリコが最後に残したトモヨ宛ての手紙だった。その手紙を読むトモヨの顔には、笑みが浮かび、そして涙が流れる。
・・・という感じ。
あまり期待せずに観始めたのですが、意外にいい映画でした。
親の家に乗り込んで親友の遺骨を強奪し、遺骨とともに旅に出るが、それが不問に終わるということ、遺骨が岬に飛び散ってそのままで済むというのも、現実にはまず起こり得ないことで、ある意味ハチャメチャな展開です。描写もデフォルメされた感じですが、合間合間に挿入されるマリコとの思い出の回想シーンとはいい対照をなしていて、うまくバランスが取れている感じで、いい後味が残る作品でした。
俳優陣では、マリコ役の奈緒がとても印象的。マキオ役の窪田正孝もいい味を出していました。主人公のトモヨを演じる永野芽郁は、これまでのイメージとは大きく異なる役柄で、ちょっと無理している感も受けましたが、なかなか良かったです。