鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「桜色の風が咲く」

休日の朝、MOVIX柏の葉に行きました。


ちょうど朝一番の上映が始まる8時半ごろの時間帯、ロビーにはけっこうお客さんがいました。


この日の上映スケジュールの一部。この日は19作品・20種類の上映でした。この週末から公開が始まった新海誠監督の「すずめの戸締まり」はこのほかにも上映回があり、計20回の上映となっていました。

この日観たのは、「桜色の風が咲く」(11月4日(金)公開)。公開初週の上映館は全国25館と小規模での公開。千葉県内の上映館は今のところここだけです。


上映は93+2席とこの映画館では一番小さいシアター7。お客さんは10人ちょっとという感じでした。


チラシの表裏。

9歳で失明し、18歳で聴力を失いながらも、世界で初めて盲聾者の大学教授となった、東京大学先端科学技術研究センターでバリアフリー分野教授を務める福島智さんとその母・令子さんの実話を基に実写映画化した伝記ドラマで、主要スタッフは、監督:松本准平、脚本:横幕智裕、音楽:小瀬村晶、製作総指揮・プロデューサー:結城崇史など。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

見えない。聞こえない。
でも僕は“考える”ことができる――。
母と息子が見出していく希望に満ちた未来。
教師の夫、三人の息子とともに関西の町で暮らす令子。末っ子の智は幼少時に視力を失いながらも、家族の愛に包まれて天真爛漫に育つ。やがて令子の心配をよそに東京の盲学校で高校生活を謳歌。だが18歳のときに聴力も失う・・・。暗闇と無音の宇宙空間に放り出されたような孤独にある息子に立ち上がるきっかけを与えたのは、令子が彼との日常から見出した、“指点字”という新たなコミュニケーションの“手段”だった。勇気をもって困難を乗り越えていく母子の行く手には、希望に満ちた未来が広がっていく・・・。

というあらすじ。

 

公式サイトで紹介されている主要登場人物は、

  • 福島 令子【小雪】:主人公。智とその兄2人の母。

  • 福島 智【田中 偉登(青年期)】:礼子と正美の間に生まれた三男。

  • 福島 正美【吉沢 悠】:礼子の夫。教師をしている。

  • 増田 真奈美【吉田 美佳子】:盲学校で智が思いを寄せる女の子。ピアノが上手でピアニストを目指している。

  • 山本 正人【山崎 竜太郎】:盲学校で智の親友となる男の子。

  • 矢野 正孝【札内 幸太】:智が入院中に親しくなった盲の青年。

  • 奥田 勝利【井上 肇】:耳が聞こえなくなっていく智に、食事制限・運動などの独自の奥田式療法を勧める医師。

  • 飯田 瑞穂【朝倉 あき】:兵庫県立病院で不在の長尾の代わりに智を診察し、牛眼の可能性を指摘した眼科医。

  • 長尾 光則【リリー・フランキー】:兵庫県立病院で智の主治医となった眼科医。偉そうだがあまり腕は良くない(風に描かれています)。

という感じ(それぞれの登場人物の説明は加筆しました)。

 

やさしさに溢れ、心が温まり、将来に希望を抱かせる映画でした。小学生で失明、高校生で耳も聴こえなくなるという運命は、過酷すぎて、純粋なフィクションであれば、ここまでの説得力は持ち得なかったでしょう。もちろん、細部にはデフォルメや脚色が全くないということはないだろうとは思いますが、実話をベースにしているからこそ、その運命に屈することなく、葛藤しながらも努力し続けた母子の物語が、リアリティを持って心に響いたのだろうと思います。主人公・令子を演じた小雪、息子の智の青年時代を演じた田中偉登も好演でしたが、個人的には、智の幼少期を演じた子役の森優理斗の自然な演技がとても印象的でした。