鷺の停車場

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映画「ケイコ 目を澄ませて」

休日の午後、MOVIX柏の葉に行きました。


14時ちょっと前の時間帯、ちょうど上映中のスクリーンが多かったのか、ロビーの人はまばらでした。


この日の上映スケジュールの一部。この日は22作品・27種類の上映。この映画館としてはかなり作品数が多いのではないかと思います。


この日観たのは、「ケイコ 目を澄ませて」(12月16日(金)公開)。全国38館と小規模での公開です。


上映は103+2席と比較的小さめのシアター5。お客さんは25人くらいは入っていたと思います。


チラシの表裏。


チラシの中見開き

 

小笠原恵子の「負けないで!」を原案に実写映画化した作品で、監督:三宅唱、脚本:三宅唱・酒井雅秋などの主要スタッフ。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

不安と勇気が背中あわせ。震える足で前に進む、彼女の瞳に映るもの―—

嘘がつけず愛想笑いが苦手なケイコは、生まれつきの聴覚障害で、両耳とも聞こえない。再開発が進む下町の一角にある小さなボクシングジムで日々鍛錬を重ねる彼女は、プロボクサーとしてリングに立ち続ける。母からは「いつまで続けるつもりなの?」と心配され、言葉にできない想いが心の中に溜まっていく。「一度、お休みしたいです」と書きとめた会長宛ての手紙を出せずにいたある日、ジムが閉鎖されることを知り、ケイコの心が動き出す―—。

 

・・・というあらすじ。

 

公式サイトで紹介されている主要登場人物は、

  • 小河 ケイコ(恵子)【岸井 ゆきの】:生まれつき両耳が聞こえない中で、ボクシングに打ち込む女性。昼間はホテルのルームメイクのスタッフとして働いている。

  • 会長【三浦 友和】:東京都荒川区にある古くからのボクシングジムの会長。体調の異変から、ボクシングジムの閉鎖を決意する。

  • 林 誠【三浦 誠己】:ジムのトレーナー。
  • 松本 進太郎【松浦 慎一郎】:ケイコを指導するジムのもう1人のトレーナー。

  • 小河 聖司【佐藤 緋美】:ケイコの弟でケイコと同居している。料理店で働いている。

  • 小河 喜代実【中島 ひろ子】:ケイコの母。

  • 会長の妻【仙道 敦子】:優しく夫の会長やジムの練習生たちを見守っている。

というもの。(それぞれの登場人物の説明は加筆しました)

 

独特の表現手法で、心情の揺れ動きを巧みに描いた映画。主人公のケイコは両耳が聞こえないため、劇中でもセリフはほぼ皆無で、時折、弟の聖司や母の喜代実(ちなみにいずれも健常者)と手話で会話が交わされるくらい。BGMもほとんどなく、表面上はとても静かで、おそらく退屈に思う人もいるだろうと思いますが、私は、ある意味で斬新な描き方に引き込ました。表情やしぐさだけで心の動きを表現しなければならなかった主人公・ケイコ役はかなり難しい役柄だったと思いますが、岸井ゆきのの演技は良かったと思います。本編もさることながら、主題歌が流れず、東京の風景の中に街の物音だけが流れるエンドロールは、私自身は初めてで、新鮮な感覚でした。