鷺の停車場

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アニメ映画「金の国 水の国」


休日の午後、アリオ柏にあるTOHOシネマズ柏に行きました。


14時半過ぎの時間帯、ロビーにはけっこうな人がいました。


この日の上映スケジュール。この日は、舞台挨拶中継付上映など既に上映が終了したものも含めて、14作品・18種類の上映が行われていました。14作品というのは、シネコンとしては少なめな印象です。


この日観るのは「金の国 水の国」(1月27日(金)公開)。全国330館と大規模な公開です。


上映は144+2席のスクリーン2。お客さんは15~20人くらいでした。公開初週の週末にしては寂しい入りかもしれません。


チラシの表裏。


公開日のアナウンス前に配布されていたチラシ。

岩本ナオの同タイトルのマンガを原作に劇場アニメ化した作品で、主要スタッフは、プロデューサー:谷生俊美、監督・絵コンテ・演出:渡邉こと乃、脚本:坪田文、音楽:Evan Call、アニメーション制作:マッドハウスなど。

 

公式サイトで紹介されているストーリーによれば、

 

100年断絶している2つの国。
❝金の国❞の誰からも相手にされないおっとり王女サーラと
❝水の国❞の家族思いの貧しい建築士ナランバヤル。
敵国同士の身でありながら、国の思惑に巻き込まれ❝偽りの夫婦❞を演じることに。
深刻な水不足によるサーラの未来を案じたナランバヤルは、戦争寸前の2つの国に国交を開かせようと決意する。
お互いの想いを胸に秘めながら、真実を言い出せない不器用な2人の<やさしい嘘>は、国の未来を変えるのか―—。

 

というあらすじ。

公式サイトで紹介されている登場人物は、

  • ナランバヤル<水の国>【賀来 賢人】:❝水の国・バイカリ❞に住む貧しい建築士。うだつが上がらない口達者なお調子者で、普段は周りから心配されるほど。しかし実はとても賢く、誰よりも家族思い。猫に「星の輝き」(オドンチメグ)という名前をつけるロマンチストな一面も。<金の国>のサーラと偶然出会い、命を懸けたある覚悟を決める―—。

  • サーラ<金の国>【浜辺 美波】:誰からもその存在を忘れられている❝金の国・アルハミト❞の第93王女。人にも動物にも犬にも優しくおっとりした性格。笑顔を絶やさず常に明るくふるまうも、自信のなさから本当の気持ちは隠しがち。<水の国>のナランバヤルと偶然出会い、人生を変える大きな決断を迫られる―—。

  • サラディーン<金の国>【神谷 浩史】:北方から流れてきた遊牧民のイケメン俳優。第一王女・レオポルディーネの愛人であり、左大臣を務めている。

  • ライララ<金の国>【沢城 みゆき】:レオポルディーネ王女派の護衛担当。神出鬼没でナランバヤルとサーラを助ける。年齢不詳で謎に包まれた存在。

  • ジャウハラ<金の国>【木村 昴】:投獄されていた知識階級の学者。ナランバヤルの水路建設を頭脳と筋肉でサポートする。

  • レオポルディーネ<金の国>【戸田 恵子】:豪奢な王宮で美しく、華やかに暮らすラスタバン三世の第一王女。自分が育った❝金の国・アルハミト❞が衰退していくのをなんとか止めたいと考えている。

  • ピリパッパ<金の国>【茶風林】:ラスタバン三世に与する右大臣。反戦派を黙らせるために荒っぽい行動に出る。

  • オドゥニ・オルドゥ<水の国>【てらそま まさき】:豊かな自然と水に恵まれるも、商業ルートの封鎖で貧しい❝水の国・バイカリ❞の族長。国民の貧しさは気にせず、美しいものを好む。

  • ラスタバン三世<金の国>【銀河 万丈】:広大な砂漠に君臨する商業国家❝金の国・アルハミト❞の国王。水資源が枯渇しつつある国の弱体化を痛感するも、歴史に汚名を残すまいと常に頭を悩ませている。

というもの。

 

ネタバレになりますが、記憶の範囲でもう少し詳しくあらすじを紹介すると、

 

昔から仲が悪く、長く戦争を繰り広げていた、隣り合うアルハミトとバイカリの2国。アルハミトは商業都市として繁栄を極めていたが、人口が増えて水が不足するようになっていた。一方、バイカリは豊かな自然と水に恵まれているが、アルハミトに商業ルートを封鎖され、貧しい国になっていた。両国は、和平の約束に、バイカリが「一番賢い若者」をアルハミトに、アルハミトが「一番美しい娘」をバイカリにそれぞれ贈ることにする。
アルハミトの辺境で暮らす第93王女のサーラは、バイカリから贈られた若者を婿にとることになるが、サーラのもとにやってきた花婿は、仔犬だった。おっとりした性格のサーラは、事を荒立てないよう、仔犬に「ルクマン」と名前を付けて飼うことにする。
一方、アルハミトから贈られる花嫁はバイカリの辺境で暮らす建築士の青年ナランバヤルがもらうことになるが、それは片耳が黒い仔猫だった。
サーラはルクマンを連れて街に出かけると、婿がやってきたことを聞きつけた第1王女のレオポルディーネがやってきて、サーラは花婿を連れていくことになってしまう。その帰り、ルクマンは国境に作られた壁の穴からバイカリに入ってしまい、それを追ってサーラもバイカリに入ると、ルクマンは穴に落ちて出られなくなっていた。サーラはそれを助けようとするが、手が届かない。そこに、仔猫を連れたナランバヤルがやってきて、ルクマンを助けてくれる。
サーラは、ナランバヤルに自分の花婿のふりをしてもらうようお願いし、ナランバヤルは、「オドンチメグ」と名付けた仔猫を連れてサーラの家にやってくる。
翌日、サーラはナランバヤルを連れて王宮に向かい、レオポルディーネたちと会う。バイカリを豊かにするため、アルハミトまで水路を引く計画をひそかに温めていたナランバヤルは、その場に同席していた左大臣のサラディーンに目を付け、レオポルディーネたちとの対面が終わった後、一緒に酒を酌み交わしその計画を話し、サラディーンもそれに同意し、2人は協力して水路の建設に向けて動き出す。
水路建設計画のため、ナランバヤルは、しばらくサーラの家に滞在することになるが、一緒に暮らすうちに、サーラはナランバヤルに惹かれていく。
そんな中、ナランバヤルが不在の間に、オドンチメグが姿を消してしまう。サーラは匂いを追うルクマンとオドンチメグを探すが、ルクマンは国境を越えてバイカリに入ってしまい、サーラもその後を追う。オドンチメグはナランバヤルの家に帰ったのではないかと考えたサーラは、村人にナランバヤルの家を尋ねると、その村人はナランバヤルと同居している姉で、サーラを家まで案内する。予想どおり、家にはオドンチメグが帰ってきていて眠っていた。
そこに、バイカリの族長がナランバヤルの花嫁を見に村までやってくる。ナランバヤルの父は、サーラに花嫁のふりをしてほしいと頼み、サーラは意を決して族長に会う。ナランバヤルの父の話術もあり、サーラはその場を切り抜けるが、不在のナランバヤルを悪しざまに言う族長に、サーラは族長が挑発した飲み比べ勝負に挑んで見事勝利し、大量の肉と酒を村人にもたらす。しかし、アルハミトで一番美しい娘がナランバヤルの花嫁になっていると信じていたサーラは、歓迎するナランバヤルの家族のもとを離れ、独りアルハミトの自分の家に向かう。
その途中、サーラは水路の設計図を取りに家に向かっていたナランバヤルと会う。サーラを家まで送ると言うナランバヤルに、サーラは、夜明け前までに戻らなければならないのだから、自分を送ってからでは間に合わない、家に帰ればごちそうも待っていると真っすぐ家に帰るよう促し、独り家に帰っていく。
サラディーンたちの協力で水路建設計画は動き出すが、バイカリと戦争し、水の豊富なバイカリに移住することを考えるラスタバン三世と右大臣のピリパッパは、ナランバヤルたちの動きを面白く思わず、右大臣、左大臣との三者会談に向かうナランバヤルを殺害しようとする。ナランバヤルはジャウハラやライララたちの助けも受け、反戦派のレオポルディーネたちがいるクイーンパレスに向かって逃げる。
王宮に来ていたサーラは逃げるナランバヤルを目撃し、王族しか知らない秘密の通路を使って逃がそうと走り出す。ナランバヤルを見つけたサーラは、その秘密の通路を見つけて渡ろうとするが、そこにラスタバン三世が現れ、ナランバヤルを殺そうとする。しかし、なぜ先代のラスタバン二世が自分にラスタバンという名前を付けたのかとの質問に、ナランバヤルは説得力のある答えを返し、バイカリと国交を結んで歴史に名を残すべきだと力説する。ラスタバン三世は二人を認め、引き返していく。
そして、国交交渉のため、バイカリの族長がアルハミトにやってくる。アルハミトの豪華な街や王宮に驚愕する族長だったが、出迎えるラスタバン三世の脇にサーラがいるのを見てさらに驚く。両国の領主は握手を交わし、交渉が始まる。
そして時が経ち、2人の娘は、大きくなったルクマン、オドンチメグと一緒に、父・ナランバヤルに昼食を届けようと水路の建設現場に向かう。その先には、ナランバヤルが、母・サーラとともに、完成が近づいた水路の先を見つめていた。

 

・・・という感じ(多少の記憶違いはあるかもしれません)。

 

シンプルな展開ですが、ジワっと心に響く作品でした。ナランバヤルとサーラが互いを思い合う気持ちが、いつしか愛に変わり、最初はすれ違っていたそれぞれの想いが、最後には一つに重なっていきます。そしてそれが周囲に波及し、国家の将来も変えていく、という展開は、意外性はありませんが、安心して観ることができ、ちょっと涙腺が緩み、そして、とても良い余韻が残りました。個人的には、ところどころコメディータッチになる部分はしっくりきませんでしたが、全体としてはとても良かったと思います。