鷺の停車場

映画、本、グルメ、クラシック音楽、日常のできごとなどを気ままに書いています

映画「わたしの幸せな結婚」

休日の午後、MOVIX柏の葉に行きました。


13時半ごろの時間帯、ロビーにはそれなりにお客さんがいました。


この日の上映スケジュールの一部。この日は27作品・30種類の上映でした。この映画館としても、かなり作品数が多い日だろうと思います。


この日観るのは、「わたしの幸せな結婚」(3月17日(金)公開)。全国300館以上と大規模に公開され、公開初週には週末の興行収入ランキング1位となっています。

reiherbahnhof.hatenablog.com

以前ブログにも書きましたが、原作小説は最新巻まで読んだことがあります。予告編などで見る限り、ビジュアルがイメージとけっこう違っていたので、観に行く気はさほど強くなかったのですが、同じく原作小説を読んでいる家族がぜひ観たいということだったので、一緒に観てみることにしました。


上映はこの映画館では大きめの221+2席のシアター8。お客さんは3~40人ほどでした。


(ポスタービジュアル)


(チラシ)

富士見L文庫から刊行されている顎木あくみのライトノベル「わたしの幸せな結婚」を原作に実写映画化した作品で、主要スタッフは、監督:塚原あゆ子、脚本:菅野友恵など。塚原監督作品を観るのは「コーヒーが冷めないうちに」(2018年9月21日(金)公開)に続いて2本目、菅野友恵脚本の作品は、「浅田家!」(2020年10月2日(金)公開)、「夏への扉―キミのいる未来へ―」(2021年6月25日(金)公開)に続いて3本目だと思います。

 

公式サイトのストーリーによれば、

 

文明開化もめざましい近代日本。特殊な能力【異能】を受け継ぐ家系の者たちが代々、国を治める帝と共に、様々な災いから人々を守り続けてきた。帝都に屋敷を構える異能家系の長女・斎森美世さいもり みよは、能力を持たずに生まれたことで、継母と異母妹から虐げられて生きてきた。すべてを諦め、耐え忍んで生きる彼女に命じられたのは、若くして異能部隊を率いる、冷酷無慈悲な軍人・久堂清霞くどう きよかとの政略結婚だった。数多の婚約者候補が三日も持たずに逃げ出したという噂の通り、清霞は美世に冷たく言い放つ。

「ここでは私の言うことに絶対従え。出ていけと言ったら出ていけ。死ねと言ったら死ね―— 」

辛く当たられようと逃げ帰る場所のない美世は、久堂家で過ごすうち、清霞が悪評通りの人物ではないことに気づいていく。そして清霞もまた、美世の心遣いに触れ、いつしか2人は互いに心を通わせるようになる。幸せなど到底ないと思われた政略結婚に光が差し込む。

『望んでしまった。少しでも長くこの人と居たいと―— 』

しかしその頃帝都で、不穏な【災い】が次々に人々を襲う事件が発生。清霞はその最中で国民の盾となることを命じられる。命を賭して戦う清霞。その身を案ずる美世。【災い】の影には、思いもよらぬ陰謀が渦巻いていた。任務を全うする清霞の背後で、美世にも魔の手が迫る。
やがて残酷な運命が、容赦なく二人を切り裂いていく―—

 

・・・というあらすじ。

 

公式サイトで紹介されている主要登場人物・キャストは、

  • 久堂 清霞(くどう きよか)【目黒 蓮】:名家・久堂家の当主であり、27歳にして陸軍の対異特殊部隊を率いる部隊長。誰もが振り向く美貌を持ちながら、数多の婚約者たちが三日も持たずに逃げ出すほど冷酷無慈悲と噂の人物。

  • 斎森 美世(さいもり みよ)【今田 美桜】:名家に生まれながら、実母を亡くしてからは継母と異母妹に虐げられ、使用人同然の生活をしてきた。厄介払いのような形で、悪評高い久堂清霞への嫁入りを命じられるが…。

  • 斎森 真一(さいもり しんいち)【高橋 努】:斎森家の当主で、美世の父親。虐げられている美世を見て見ぬふりをする。

  • 斎森 香乃子(さいもり かのこ)【山口 紗弥加】:美世の継母で、実母にそっくりな美世を目障りだと思い憎み虐げている。

  • 斎森 香耶(さいもり かや)【高石 あかり】:斎森家の次女で美世の異母妹。幼い頃から両親に可愛がられ、美世を使用人同然として扱う。

  • (はな)【小林 涼子】:斎森家の元使用人。美世に愛情をかけた唯一の存在。

  • ゆり江(ゆりえ)【山本 未來】:久堂家通いの手伝い人。清霞の母的存在。

  • 辰石 幸次(たついし こうじ)【小越 勇輝】:美世と香耶の幼馴染で、香耶の婚約者。幼い頃から美世が想いを寄せた相手。

  • 辰石 実(たついし みのる)【平山 祐介】:辰石家の当主で幸次の父。ある理由から美世を辰石家に嫁がせたいと考えている

  • 桂子(けいこ)【珠城 りょう】:久堂家が贔屓にしている呉服店『すずしま屋』店主

  • (てい)【石橋 蓮司】:帝都を治める最高権力者。未来を予知できる天啓の異能を持つ。重い病を患っている。

  • 堯人(たかいひと)【大西 流星】:次代の帝位を継ぐ皇子。清霞とは幼馴染。

  • 枢木 忠則(くるるき ただのり)【尾上 右近】:ミステリアスな雰囲気を漂わせる帝の専属医師。

  • 五道 佳斗(ごどう よしと)【前田 旺志郎】:清霞の直属の部下であり右腕的存在。若くして部隊を率いる清霞に憧れていると同時に清霞の私生活も心配している。明るくお調子者なところがあるが、実力者であり清霞の側で部隊を支える。

  • 望月 東弥(もちづき とうや)【佐藤 新】:清霞が率いる陸軍対異特殊部隊の一員。困っている人に手を差し伸べる、正義感の持ち主。甘味やお酒が好き。

  • 岡部 秀太(おかべ しゅうた)【西垣 匠】:清霞が率いる陸軍対異特殊部隊の一員。生まれたばかりの我が子が一番の自慢。部隊の中でも剣の扱いに優れているが清霞との一対一の訓練では一度も勝ててはおらずいつか清霞に土をつけることが今の目標。

  • 宮田 建祐(みやた けんすけ)【松島 庄汰】:清霞が率いる陸軍対異特殊部隊の一員。口達者で、隊員の中でもお調子者のムードメーカー。

  • 澤村 晋平(さわむら しんぺい)【高橋 大翔】:清霞が率いる陸軍対異特殊部隊の一員。入隊時に清霞に熱心に指導してもらって以来、清霞に対して、憧れと忠誠心が人一倍強い。

  • 須藤 嗣治(すどう つぐはる)【浜田 学】:陸軍参謀本部本部長で、久堂清霞の上官。頭脳明晰で⼈望も厚い。

  • 賀茂村 紀夫(かもむら のりお)【津田 健次郎】:宮内省長官。帝室と陸軍の仲介役。街の平和維持に努める存在。

  • 鶴木 新(つるき あらた)【渡邊 圭祐】:鶴木家の御曹司。若くして貿易会社「鶴木貿易」の社長に上り詰める。職業柄、街の情報に精通している。なぜか常に美世を監視しており、清霞に敵意を示している様子…?

  • 鶴木 義浪(つるき よしろう)【火野 正平】:新の祖父。表舞台に立つことがほとんどなく、謎に包まれている。

  • 斎森 澄美(さいもり すみ)【土屋 太鳳】:美世の母、病気で他界。

というもの。

 

先に書いたように、予告編などで見たビジュアルは、私が原作小説を読んで抱いたイメージと違っていたので、期待して観るとたぶんがっかりするだろうと思って、なるべく期待しないようにと思って臨んだのですが、思ったよりもいい作品に仕上がっていて、観に来たことを後悔するようなことにはならず、ホッとしました。

この映画版は、大まかにいえば、原作の文庫本でいうと、第1巻と第2巻に相当する部分が描かれています。細部にはオリジナルの脚色も入れつつも、原作の物語の骨格は押さえて描かれているので、原作を既に読んでいる人でも、物語の展開については、たいして違和感なく観ることができると思います。建物や街並みなど、大正時代を思わせる風景は見事で、地味かもしれませんが、作品の世界観を壊さずに描くのに大きく貢献しています。CGももちろん使っているのだろうと思いますが、ロケハンはかなり大変だったのではないかと想像します。

あとは、主要登場人物のイメージが、それぞれの方が抱いているイメージとどれだけ違うかで、作品の印象が変わってくるのだろうと思います。私自身は、清霞役の目黒連、美世役の今田美桜、五道役の前田旺志郎など、主要登場人物の佇まいや所作に感じる違和感が最後まで消えませんでしたが・・・