鷺の停車場

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劇場アニメ「トラペジウム」

週末の午前、MOVIX柏の葉に行きました。


朝9時半ちょっと前の時間帯、既に最初の上映回が始まっているスクリーンが多く、ロビーのお客さんは少なめでした。


この日の上映スケジュールの一部。この日は26作品・27種類の上映が行われていました。

この日観るのは、「トラペジウム」(5月10日(金)公開)。全国203館となかなか大規模での公開です。


上映は、103+2席のシアター6。お客さんは8人ほど。公開初週の週末としてはとても寂しい入りです。


(チラシの表裏)


(しばらく前に配布されていた別バージョンのチラシ)

 

アイドルグループ「乃木坂46」の1期生として活躍した高山一実が、現役アイドル時代の2016年に雑誌「ダ・ヴィンチ」で連載した長編小説「トラペジウム」をアニメ映画化した作品で、主要スタッフは、監督:篠原正寛、脚本:柿原優子、キャラクターデザイン:りお、総作画監督:りお・けろりら、制作:CloverWorks など。

 

映画情報サイトで紹介されている主要登場人物・キャストは、次のとおりです。

  • 東 ゆう【結川 あさき】:主人公。城州東高校の1年生。アイドルになる夢を抱いている。

  • 大河 くるみ【羊宮 妃那】:西テクノ工業高等専門学校の2年生。ロボット研究会に所属。

  • 華鳥 蘭子【上田 麗奈】:聖南テネタリス高校の2年生。テニス部に所属。

  • 亀井 美嘉【相川 遥花】:城州北高校の1年生。車椅子の子どもたちをサポートするボランティア活動をしている。

  • 工藤 真司【木全 翔也(JO1)】:西テクノ工業高等専門学校の2年生。写真好き。

  • 古賀 萌香【久保 ユリカ】:テレビ番組の制作会社・エルミックスのアシスタントディレクター。

  • 水野 サチ【木野 日菜】:ボランティア活動で出会った車椅子に乗った女の子。

  • 伊丹 秀一【内村 光良】:城州の翁琉城でガイドボランティアをしている老人。

  • 老人A【高山 一実】/老人B【西野 七瀬】:伊丹とともに、翁琉城でガイドボランティアをしている老人。

 

チラシには、次のようなあらすじが紹介されています。

 

高校1年生の東ゆうは、”絶対にアイドルになる”ため、自らに4箇条を課して高校生活を送っていた。
「SNSはやらない」「彼氏は作らない」「学校では目立たない」「東西南北の美少女を仲間にする」
別々の学校に通う美少女たちを集めてアイドルグループを作るというゆうの計画は、夢への階段をのぼり続けていく中で〈大きな問題〉に直面する―—―

 

「トラペジウム」とは、オリオン大星雲にある特に光輝く4つの星のことだそうです。

さて、作品自体については、私自身にはまずまずという感じでした。物語の展開は良かったと思いますが、主人公の人間性には今一つ共感を抱けませんでした。この主人公の女性にどこまで共感できるかで、作品の受け取りはかなり違ってくるように思います。後に自分でも悔いているように、アイドルになるという自分の夢のために、他人を利用するゆうの姿は、自己中心的でしかありません。でも、アイドルとなった今でも、当時の自分の身勝手さは認識しつつも、今の自分があるのはあの自分があったおかげ、ありがとう、と感じており、当時の行いを後悔してはいません。ゆうを赦し、10年後の今でも友だちでいられるのは、くるみたち3人がいい人だからなのだろうと思いました。

 

以下は、ネタバレになりますが、備忘も兼ねて、以下、作品のあらすじを紹介します。(多少の記憶違いはあるだろうと思います)

 

城州東高校の1年生・東ゆうは、アイドルになることを夢見て、城州の「東西南北」の女の子を集めて、アイドルグループを結成する計画を立てる。

まず、「南」の星を見つけるため、「聖南テネリタス女学院」に向かったゆうは、学内を歩いていると、ある生徒を見てピンとくる。その子の姿を追って、金網越しにテニスコートの中を覗いていると、制服から城州東高校テニス部のスパイと勘違いされ、その性徒と試合をさせられる。素人のゆうはボロ負けするが、それがきっかけでその女の子・華鳥蘭子と友達になる。

次にゆうは、「西」の星を見つけるため、「西テクノ工業高等専門学校」に向かう。すれ違うのは男子生徒ばかりだが、ゆうは自転車置き場にいた男子生徒・工藤真司にロボット研究会の活動場所を尋ねる。真司はその場所まで案内してくれるが、通りかかったプールで、水上ロボットを操る目当ての女子生徒・大河くるみを見かける。真司がその仲を取り持とうとするが、警戒するくるみは立ち去ってしまう。しかし、その夜、連絡先を交換した真司からくるみが会ってくれることになったと連絡が入り、くるみと会うことができる。次のロボットコンテストに向けて水上ロボットの開発に打ち込むくるみのために、ゆうは自分の高校のプールを使わせてもらうよう掛け合うことを申し出るが、結局はお金持ちの蘭子の家のプールでロボットの開発をすることになり、3人は仲良くなる。ゆうは、工藤真司にだけは自分の計画を話し、写真好きの真司はサポートしてくれることになる。

ロボットコンテストではくるみは準優勝を果たし、「北」の星をどうするか考えるゆうだったが、偶然入った書店で、小学校時代の同級生・亀井美嘉に声を掛けられる。美嘉が城州北高校に通っていると聞き、以前とは見違えるその可愛い顔に、ゆうは美嘉を仲間に引き入れる。

ボランティア活動に励む美嘉に誘われ、ゆうはアイドルとなったときの好感度まで計算に入れて、車椅子の子どもたちの山登りをサポートするボランティアに、蘭子とくるみも強引に誘って参加する。4人一緒にボランティア活動をしている姿を写真に撮ることを目論んでいたゆうだが、集合場所で、2人ずつ別グループになると聞かされ、ゆうは4人一緒になれないと知って不機嫌になる。上り終えて配られたお弁当を持ってベンチに座るゆう。同じグループだった美嘉は不機嫌なゆうを気遣うが、そこに別グループだった蘭子とくるみもやってきて一緒にお昼を食べ、ゆうも機嫌を直す。

次にゆうは、外国人観光客が増えている地元の名所・翁琉城がテレビで取り上げられると知り、自分たちの顔を売ろうと3人を誘ってガイドボランティアになり、カナダからの帰国子女で英語がペラペラな自分の能力も発揮してガイドを行う。ゆうの狙いどおり、ほどなくして、テレビの取材が入るが、くるみが当日突然来なくなるトラブルが発生し、3人でテレビに映ることには成功したものの、その露出はゆうの期待するほどではなかった。

蘭子と美嘉と一緒に西テクノ高等工業専門学校の学園祭に行ったゆうは、3人を体育館で行われるバンドのライブに連れて行こうとするが、そこに、くるみに誘われてやってきた山登りのボランティアで出会った車椅子の女の子・水野サチが姿を見せ、3人はサチと一緒に学園祭を回ろうと歩き出し、ゆうの作戦は失敗する。お化け屋敷などを回った後、最後に「コスプレ写真館」に入ると、コスプレ姿の真司がカメラマンで、10年後の自分に着せたい服で写真を撮ることになる。最初サチはアイドル衣装を着たいと言うが、義足が露わになることに逡巡し、その服をゆうに着てほしいと言い、自分は花嫁衣裳を着て、5人で写真を撮る。写真を撮り終えた後、サチはゆうに、アイドルになってほしい、と言い、ゆうは、本当になるよ、とアイドルになることを約束する。

そんなゆうのもとに、以前翁琉城の取材に来たADから、別に担当している深夜バラエティのコーナーに4人で出てほしいと連絡が入る。「東西南北(仮)」として、4人で各地のロケに出かけることになるが、4人のキャラが評判を呼び、コーナーの企画は、いつのまにかアイドルグループ養成に変わっていた。自分の夢に近づいたゆうをはじめ、4人で踊りなどの練習に打ち込み、番組のスタジオで初めて4人で歌う。事務所にも所属し、アイドルグループとしての活動が始まるが、人前に出るのが得意でないくるみをはじめ、他の3人とゆうとの間に温度差が生じ始める。そうした矢先、美嘉と彼氏との写真が流出する。「彼氏を作らない」という条件を自らに課していたゆうは、彼氏がいると知っていたら友だちにならなかった、最悪、と吐き捨てるように言い、美嘉は泣きながら謝るが、それを機に4人の関係は気まずくなる。

そして、ついに、アイドルとしての活動が限界に達したくるみが事務所で「いやああぁぁー」と泣きわめく事件が起こる。ゆうはくるみを説得しに行こうとするが、蘭子に止められる。ゆうは蘭子と美嘉にみんなを幸せにできるとアイドル活動の意義を訴えるが、周囲の人を笑顔にできないのに、という蘭子の言葉に、頭から冷水を掛けられたゆうは、その場を立ち去る。

それを機に、ゆう以外の3人は事務所との契約解除が告げられ、ゆうたちのレギュラーコーナーは別企画に変更となる。3人の契約解除の手続が終わったことを事務所の社長から告げられ、どうするのか尋ねられたゆうも、事務所を辞めることを伝える。そのショックから立ち直れないゆうは、しばらく学校にも行かず自室にこもる。

そんなとき、ADから電話が入る。レギュラー出演していた番組のCDが出ることになり、自分たちの歌も「東西南北(仮)」として収載されるという知らせだった。
しばらくして、学校に行き始めたゆうは、美嘉を尋ねる。自己中心的な自分の行いを謝罪するゆうに、美嘉は、小学校でいじめられていたときにゆうだけが声を掛けてくれたことを話し、自分がゆうのファン第一号だと語る。

そして、番組のCDの発売日、ショップでCDを買ったゆうは、かつて4人で踊りの練習をした公園にひとりやってきて、そのCDを開封し、「東西南北(仮)」と書かれたクレジットを眺める。そこに、同じくCDを手にした美嘉、蘭子、くるみの3人がやってくる。改めて謝罪するゆうに、くるみ、華鳥、美嘉はそれぞれ違う道に進むことをゆうに告げ、ゆうも、アイドルになることを諦めきれないと話し、4人は今後も友達としての関係は続けることを約束する。

そして10年後、ゆうは、「何気なく応募したオーディションに受かったのがきっかけで…」とインタビューに答えていた。アイドルの仕事を終え、事務所を出たゆうは、3人との待ち合わせ場所に向かう。くるみは仕事、蘭子は支援活動で世界を飛び回り、美嘉は6歳の男の子に続く2人目の子どもを妊娠していた。再会した4人は、プロの写真家となっていた工藤真司の写真展の会場を訪れる。会場には、真司が世界各地で撮った美しい星空の写真が並んでいたが、その最後には、かつて西テクノ高等工業専門学校の学園祭のコスプレ写真館で撮ったゆうたち4人の写真が展示され、「トラペジウム」との題名が付けられていた。

(ここまで)

 

なお、入場者プレゼントをいただきました。


原作者の高山一実氏書き下ろしテキスト入り A5イラストカードでした。