テレビアニメ「夜のクラゲは泳げない」を見ました。
2024年4月から6月までの2024春クールにTOKYO MXなどで放送されたアニメオリジナル作品で、主要スタッフは、監督:竹下良平、シリーズ構成・脚本:屋久ユウキ、キャラクターデザイン:谷口淳一郎、総作画監督:、谷口淳一郎・豊田暁子・鈴木明日香、メインアニメーター:太田慎之介・Saurabh Singh・中尾和麻、アニメーション制作:動画工房 など。
試しに録画してみたところ、期待に違わず良さそうな感じだったので、最後まで見ることになりました。
公式サイトのイントロダクションでは、
<”自分の好きを見つけたい”
アイデンティティに溢れる街、渋谷。
夜の渋谷を、プカプカと漂っては何者にもなれずにいる少女は、ひとつの特別な出会いをきっかけに変わり始める。
創立50周年を迎えた動画工房が贈る、監督・竹下良平×シリーズ構成&脚本・屋久ユウキによる青春群像劇。
はじめて創作に触れる少女たちの、匿名クリエイティブ活動が始まる―—―>
・・・と紹介されています。
公式サイトで紹介されている主な登場人物とキャストは、次のとおりです。< >内はそのキャラクターが登場(声優が出演)する放送回です。
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光月 まひる[こうづき まひる]【伊藤 美来】:ことなかれ主義の量産型女子高生。感受性が強すぎるきらいがあり、人に心から寄り添える一方で小さなことでも傷つきやすいところがある。幼少期はイラストレーター「海月ヨル」として活動していたが、とある出来事が原因で活動休止に追い込まれる。それゆえに特別であることにトラウマがあり、できるだけ普通であろうと日々を過ごしていた。しかし、花音との出会いがきっかけとなり、彼女の日常はまた特別へと向かっていく。<第1~12話>
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山ノ内 花音[やまのうち かの]【高橋 李依】:やりたいことに一直線な元アイドル。自分の意見を強く持っており、他人の意見に流されないタイプ。かつてはアイドルグループ「サンフラワードールズ」のセンター「橘ののか」として活動していたが、ある炎上をきっかけに卒業。本当にやりたいことをするために、その道を模索し始める。その最中、自分の価値観を変えるきっかけになったクラゲの壁画の作者=海月ヨルと出会ったことで、自分らしくできることを見つけていく。<第1~12話>
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渡瀬 キウイ[わたせ きうい]【富田 美憂】:まひるの幼なじみ。Vtuber「竜ヶ崎ノクス」として活動しており、自分が最強の存在という己の信条を発信し続けている。すぐに何でもそつなくこなせるようになるタイプで、Vtuberとして披露している技術は全て本人のもの。だがそういったズレが彼女が周囲に馴染みきれない原因の一旦となっている。まひるが過去を気にせず語り合える唯一の存在で、大切な友人である彼女のためなら協力は惜しまない。<第1~12話>
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高梨・キム・アヌーク・めい[たかなし きむ あぬーく めい]【島袋 美由利】:音大附属高校に通うお嬢様。幼少から音楽の英才教育を受けており、コンクールで数々の賞を貰っている逸材。ドイツ人とのミックスであるその容姿と他人と必要以上おに距離を詰めない性格からひとりになりがちだったのだが、ひょんなことから橘ののかのファンとなり、熱烈なファンの一人として最後まで追っかけ活動を続けていた。推しの引退で途方に暮れていたところ、ありのままの花音と出会ったことで複雑な感情が芽生えはじめる。<第2~12話>
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馬場 静江[ばば しずえ](みー子)【上坂 すみれ】:銀河系最強アイドルの卵を自称するアイドル。「JELEE」の大事な場面に居合わせることが多い。活動歴は長く、いつもやる気と根気に溢れ、笑顔を絶やさない。<第1~3・6・10・12話>
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瀬藤 メロ[せとう めろ]【岡咲 美保】:活動再開したアイドルユニット「サンフラワードールズ」の現センター。全方向に愛嬌を振りまく天使のような女の子。プロデューサーである雪音を信頼しており、彼女のためには努力を惜しまない。花音とは同じユニットの仲間だったが、今は良好とはいえない関係。<第1・2・4・9~12話>
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柳 桃子[やなぎ ももこ]【首藤 志奈】:サンフラワードールズのメンバー。ユニットの中で最年長であり、そのことを気にしている。<第4・9・12話>
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鈴村 あかり[すずむら あかり]【天城 サリー】:サンフラワードールズのメンバー。他のメンバーに対して一歩引いたところもある。<第4・9・12話>
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光月 佳歩[こうづき かほ]【松浦 愛弓】:まひるの妹で動画配信などに興味津々な今どきの小学五年生。まひるのことを量産型と無邪気に皮肉を言うこともあるが、家族として大事に思っている。<第1~3・5・12話>
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早川 美音[はやかわ みおん]【安済 知佳】:花音の姉。現在は花音と同居している。社会人としては抜けたところが多く、花音に世話を焼かれてばかり。好きなものは酒。担当ホストに夢中。<第4・5・8・10話>
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馬場 亜璃恵瑠[ばば ありえる]【東山 奈央】:みー子の愛娘。明るく無邪気だが、シングルマザーであるみー子と暮らしているのも影響し、見た目よりも大人びた対応を見せることも。母親のことが本当に大好きで、みー子のファンでもある。<第6・10・12話>
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小春[こはる]【瀬戸 麻沙美】:バイクの免許合宿に行った花音とキウイが出会った、不思議な雰囲気を持つ女性。オタク知識が豊富でキウイと同等に語り合えるレベル。<第7・12話>
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早川 雪音[はやかわ ゆきね]【甲斐田 裕子】:サンフラワードールズが所属する芸能事務所「早川プロダクション」の代表兼プロデューサーを務める女性。花音の母親で、実の娘をアイドルとしてプロデュースしていた。<第4・8~12話>
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保奈美[ほなみ]店長【椎名 へきる】:まひるや花音たちばバイトするカラオケバーの店長。バイトというには自由にしすぎている彼女たちに対して、呆れることが多いながらも活動を応援している。<第2・10話>
そのほか、劇中で登場する、個別に名前などが付いているキャラクターとしては、次のような人たちがいます。< >内はそのキャラクターが登場(声優が出演)する放送回です。
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えみ【川井田 夏海】:まひるのクラスメイト。<第1・5・7話>
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さおり【田中 有紀】:まひるのクラスメイト。<第1・3・5・7話>
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チエピ【赤尾 ひかる】:まひるのクラスメイト。<第1・3・5・7・10・12話>
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めいの父【平林 剛】:めいの父。<第2話>
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めいの母【寺依 沙織】:めいの母。<第2話>
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ニシダ【西田 和平】:?<第2話>
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村西先生【美斉津 恵友】:まひるの高校の担任教師。<第3話>
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山ノ内 章太郎【興津 和幸】:花音の父親。<第8話>
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濱内【坂 泰斗】:まひるとキウイが大宮のゲームセンターでばったり遭遇した中学時代の同級生。<第11話>
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真弓【結川 あさき】:まひるとキウイが大宮のゲームセンターでばったり遭遇した中学時代の同級生。<第11話>
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元気【葉山 翔太】:まひるとキウイが大宮のゲームセンターでばったり遭遇した中学時代の同級生。<第11話>
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ゆこち【大平 あひる】:宮下パークで行われたJELLYが出演するイベントの司会。<第12話>
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水族館のおじさん【興津 和幸】:幼い頃のまひるにクラゲの解説をしてくれた水族館のおじさん。<第1話>
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部長【平林 剛】:まひるがOLになった将来の自分を想像した際に登場した上司の部長。<第1話>
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記者【白石 兼斗】:かつて橘ののかの炎上時に質問を投げかけた記者。<第1・2話>
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DJポリス【八木 岳】:ハロウィーンの渋谷で交通整理をしていた警察官。<第1話>
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校長先生【所河 ひとみ】:めいが通う東京音響芸術大付属音響高校の校長先生。<第2話>
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マネージャー【佐藤 里緒】:サンフラワードールズのマネージャー。<第4・11話>
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CDショップ店長【伊原 正明】:再始動したサンフラワードールズのダブルA面シングル発売時に販促に協力してくれたCDショップの店長。<第4話>
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番組司会【山橋 正臣】:サンフラワードールズが出演したテレビ番組の司会者。<第4話>
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大御所芸能人【越後屋 コースケ】:再始動したサンフラワードールズが楽屋に挨拶に行った大御所芸能人。<第4話>
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ライブハウス店長【小林 康介】:みー子たちがライブに出演したライブハウス「Tornado」の店長。<第6・8話>
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立北中学教師【中村 源太】:中学生時代、学校になじめなくなっていたキウイが面談した担任教師。<第7話>
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配信者【北沢 力】:花音がかつての橘ののかだと気づいたネット配信者。<第8話>
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虹色少女メンバー【飯沼 南実】:喫煙現場が暴露され、謝罪を行ったアイドルグループのメンバー。<第9話>
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美容師【司 薫】:花音がサンフラワードールズの卒業後に髪の毛をイメチェンしたときの美容師。<第10話>
公式サイトのストーリーで紹介されているあらすじは、次のとおりです。
<”私”も誰かみたいに輝きたい。
明日話すべき話題も、今週買うべき洋服も、全部スマホ(トレンド)が教えてくれる。何者かになってみたい―—そんな願いを持つ間もないほどこの世界は忙しい。
活動休止中のイラストレーター”海月ヨル”
歌で見返したい元・アイドルの”橘ののか”
自称・最強Vtuber”竜ヶ崎ノノクス”
推しを支えたい謎の作曲家”木村ちゃん”
世界から少しだけはみ出した少女たちは匿名アーティスト”JELEE”を新する。
自分じゃない”私たち”なら―—輝けるかもしれない>
第1話「夜のクラゲ」
<ごく普通の女子高生、光月まひる。
イラストレーター「海月ヨル」として活動していたこともあったが、周りに流されてすっかり量産型女子になっていた。
ある日、まひるはハロウィンが迫る夜の渋谷で不思議な少女、山ノ内花音と出会う。
渋谷に残り続けるまひるのトラウマ——クラゲの絵を好きと言う彼女にどこか惹かれるまひる。
自分の好きを貫くため、匿名シンガーとして活動する花音は、この特別な出会いをきっかけにまひるを仲間に誘う。>
夜の渋谷を歩くことが好きなまひる。かつてはイラストレーター「海月ヨル」として活動し、自分が描いたクラゲの絵が渋谷の壁画の原画にも選ばれていたが、友だちに変な絵だと言われたことがトラウマになって絵を描くのを止め、ごく普通の女子高生となっていた。
その壁画の前では、壁画の上に貼り紙をして、地下アイドルのみー子が歌っていたが、そこに、絵を汚さないで、と叫ぶ花音が現れる。まひるが花音を追いかけ、自分が壁画を描いたことを話すと、花音は大ファンだと目を輝かせ、コラボしようとまひるを誘うが、まひるはそれを断る。
キウイと話すまひるは、花音がかつてアイドルグループの一員として活動していたが、ネットでの炎上がきっかけで卒業し、今は匿名でSNSに動画を投稿して活動していることを知る。
ハロウィンの日、天使のコスプレをして友だちと渋谷に来たまひるは花音を見かけ、気になってその後を追っていくと、花音はクラゲの絵の前で路上ライブをしていたみー子が絵の上にポスターを貼っていたことに文句を言い、ライブを乗っ取ってしまう。その姿に、まひるは花音とコラボすることを決める。
第2話「めいの推しごと」
<「JELEE」の活動に協力することを決めたまひる。
早速MV用のイラスト制作を進めていくが、肝心の作曲をできる人がおらず困っていた。
そんな中、2人がバイトするカラオケバーに現れたのは、アイドル時代の花音を推してくれていた少女、高梨・キム・アヌーク・めい。
動画を見て覆面シンガーが花音だと特定しためいは、会うなり「解釈違い」だと今の花音を否定するような言葉をぶつける。>
まひるは花音と「JELEE」の活動をしていくことになり、イラストを作り始めるが、花音は作詞はするものの、作曲してくれる人がいなかった。そんなとき、まひると花音のバイト先に、アイドル時代の花音・橘ののか推しだった女の子・めいが姿を現す。めいが作曲ができると知った花音は仲間に誘うが、めいは橘ののかはもういないと言う花音に初めは拒絶反応を示す。しかし、花音が「橘ののか」時代にめいとしていた約束を果たし、めいの演奏を聞きに来たことで、めいの心が動き、一緒に活動することになる。
第3話「渡瀬キウイ」
<めいが仲間に加わり、新曲の制作へ向け準備が整っていく「JELEE」。
だが、花音がMVを静止画ではなく動画にしたいと言い出し、新たに動画編集できるメンバーが必要に。
そこでまひるが閃いたのは、人気Vtuber「竜ヶ崎ノクス」として活動する幼なじみの少女、渡瀬キウイの存在だった。
「JELEE」に興味を持ったキウイの協力を取り付けて安心するまひるだったが、ひょんなことからキウイの秘密に気づいてしまい……>
花音は「JELEE」のMVを動画にしたいと提案したことで、動画編集ができるメンバーが必要となり、まひるは人気Vtuber「竜ヶ崎ノクス」として活動する幼なじみの渡瀬キウイを仲間に誘い、その協力を取り付ける。キウイは、配信では、進学校で生徒会長をしていることを装っていたが、実際は、自分らしく振る舞う中で周囲との間に壁ができ、不登校になってしまっていた。まひるはあるきかっけでそれに気付いてしまうが、文化祭でキウイに自分が出演する演劇を見てもらって仲直りする。
第4話「両A面」
<ようやく「JELEE」の新動画が公開され、反響に喜ぶまひると花音。
そこにDTMソフトの操作がわからず困り果てためいがやってきた。
キウイに協力を仰ぐが、花音がせっかくだから直接集まろうと言い出して、4人で花音の家で作業することになる。
騒がしい花音の姉、美音に出迎えられながら、楽しい時間を過ごすまひるたち。
だが、何かに焦るような花音の発言から4人の意見はすれ違いはじめてしまう。>
まひるたち4人は初めてみんなで直接集まって花音の家で作業することになる。だが、サンフラワードールズの再デビューによって完成を焦る花音と他の3人の間ですれ違いが起きてしまう。それでも戻った花音を3人は明るく迎え入れ、夜通し編集作業を行い、ついにMVをアップする。
第5話「コメント欄」
<新しいMVが思いもよらない方向でバズり、困惑を隠せないまひるたち。
だが、それをきっかけに「JELEE」のSNSフォロワーは一気に増えていた。
爆発的に増えたコメントの中で、まひるはイラストに対する辛辣な意見を見つけてしまう。
特別な才能を持つメンバーの中で、自分だけが普通なのではないか——落ち込むまひるへ追い打ちをかけるかのように、人気イラストレーターが描いた「JELEEちゃん」のファンアートが公開されるのだった。>
まひるたちがアップしたMVは思いもよらぬことが原因でバズり、JELEEのフォロワーは増えていく。そんな中、まひるは自分のイラストに対する辛辣なコメントを見つけてしまい落ち込み、人気イラストレーターが投稿したJELEEのファンアートも話題となったことで、悩んでしまうが、花音の励ましもあり立ち直る。そして、まひるは自分だけ置いて行かれたくないと必死に勉強し始める。
第6話「31(サーティーワン)」
<冬休み、新しい動画制作のためにいつものメンバーで宮下パークに集まる「JELEE」。
曲は出来ているものの、花音の作詞はスランプ真っ只中のため、できあがるのを待つことに決まる。
そんな中、せっかくだからとキウイが切り出したのは公式アカウントに送られてきた楽曲制作の依頼について。
依頼してきたのはまひるたちと少しだけ因縁のある相手——自称銀河系最強アイドルの卵、みー子だった。>
みー子がJELEEに楽曲の制作を依頼してくる。MVを作るためにみー子に密着する4人は、みー子が子持ちということを知る。娘の馬場亜璃恵瑠は、母親が大好きでアイドル活動も応援していた。みー子が出演するライブの日、亜璃恵瑠は、めいの言葉を受けて母親の作った衣装で友達と遊びに行くが、男子につかまってからかわれ、それを知ったみー子は本番前に飛び出し娘のもとに走る。その間、JELEEの4人が場をつなぎ、亜璃恵瑠の言葉に感動してライブに戻ったみー子は、31歳のバツイチ子持ちであることをカミングアウトするが、その動画はバズる。
第7話「夜明け」
<春、三年生に進級したまひるたち。
進路を決める時期になり、「JELEE」のみんなで集まっても自然とその話題が多くなっていた。
キウイは進学に備えて、近くバイクの免許合宿に行くと話すと、花音は自分も行きたいと言い出すのだった。
いざ訪れた合宿の日——なんなく教習を突破し、苦戦中の花音を見守っていたキウイは、不思議な雰囲気を持つ女性、小春に声をかけられる。>
まひるたちは3年生となって進路の話となるが、学校にほとんど行っていない花音は、進学に備えてバイクの免許合宿に行くというキウイに付いて自分も合宿に参加する。バイクの実技に苦戦する花音を見守っていたキウイは、小春という不思議な雰囲気の女性に声をかけられる。小春に気に入られたキウイは、合宿を終えて別れる際に連絡先を交換する。花音は学科試験に苦戦するものの、何とかバイクの免許を取得してまひるに会いに行き、2人乗りで海に行く。しかし、その帰り、警察官に見つかって1年間は2人乗りできないと知らされ、涙目になる。
第8話「カソウライブ」
<夏真っ盛りの八月、二ヶ月後には結成一周年を控えた「JELEE」。
自分たちの声をファンに直接届けたいという花音の提案で一周年記念の仮装ライブを行うことに。
だが、それにはライブ用の新曲作成に会場の選定とやることだらけ。
そこで一気に片付けてしまおうというまひるの提案で4人で合宿をすることになる。
いざやってきた合宿の日、会場を予約しためいに案内されたのは……>
JELEEは仮装ライブを行うことにして、合宿を行って準備することになる。めいが予約したのはラブホテルで、最初は戸惑うが、準備を進めていく。だが、ある配信者がJELLYがかつての橘ののかであることに気付いて炎上してしまい、ライブを行う予定だったライブハウスからは開催中止を告げられる。しかし、諦められない4人は、無観客ライブのネット配信を行い、歌を届けることに成功する。そんな中、まひるに雪音から連絡が入る。
第9話「現実見ろ」
<ついに目標のフォロワー10万人を達成した「JELEE」。
有名になったことはともかく、今まで通りファンの期待に応えたいという花音にまひるは違和感を覚えていた。
そんな中、まひるにサンフラワードールズのイベント用イラストの仕事が舞い込んでくる。
キウイの後押しもあり、絵が上手くなるきっかけになればと雪音から話を聞くことを決めたまひるだが、花音はそれに複雑な気持ちを抱いており……>
まひるに雪音から舞い込んだのは、サンフラワードールズのイベントでのイラストの仕事だった。まひるは、キウイにも相談し、自分を試したい、もっとうまくなりたいとその仕事を引き受けるが、雪音に複雑な気持ちを抱く花音とすれ違ってしまう。
第10話「推される側」
<まひると花音のすれ違いから「JELEE」は活動休止に陥ってしまった。
まひるが雪音の企画で動けない今、めいはキウイとこの場所を守ろうと誓い合う。
手始めに少しでも「JELEE」の名前を覚えている人が増えるようにとティッシュ配りを始める。
その途中、ティッシュを受け取った女の子がサンドーのメロだと気づいためいは、思わず声をかけるのだった。
一方、キウイも何かできないかとみー子の元を訪れていて……>
連絡を絶った花音。めいとキウイはできることをしようとカフェのバイトを始め、ティッシュ配りや配達をするが、めいはサンフラワードールズの今のセンター・メロと出会い、キウイが配達で訪れた家はみー子こと静江の家だった。めいは花音の本音を聞こうと家の前で待って会うと、花音は雪音に利用されていたと恨んでいたのに、母親と同じようにまひるを利用しようとしていたと、JELEEの解散を考えていたと知る。JELEEを解散させたくないめいは、配信で歌って想いをぶつける。それを聞いた花音はもう一度歌いたいと戻る。
第11話「好きなもの」
<「JELEE」のアカウントで配信されためいの動画が、脅威の220万再生を記録した。
彼女の必死な姿に心を動かされた花音は、まだ未完成であるこの曲を完成させたいと提案する。
まだ歌えるかわからないけど、挑戦したい——そんな花音の想いに答えるため、「JELEE」は再始動するのだった。
一方、まひるは雪音からのリテイクに悩み続けていた。
タイムリミットが近づく中、まひるはキウイとかつて通っていた絵画教室を訪れる。>
めいの動画は脅威の220万再生を記録し、その姿に心が動かされた花音は、曲を最後まで完成させたいと話し、JELEEは再始動する。一方、まひるは、描いた絵を雪音に見せても、海月ヨルの魅力がなくなっている、自分の絵のことが好きじゃないのね、ダメ出しされ、ついには、時間切れ、と告げ、指示通りに絵を修正するよう求める。まひるは、壁画の元となった絵を見ようと、大宮に向かう。そして、修正指示には従わず、自分なりの絵を描きあげて雪音にそれを見せる。雪音は、私が好きなあなたの絵よ、とそれを認めるが、まひるは、そのイベントにJELEEも出してくれないかと持ち掛ける。
第12話「JELLY」
<まひるの交渉の末に、宮下パークで行われるサンドーのイベントにゲスト参加することになった「JELEE」。
花音は出演を決意するも、気持ちはまだ揺れ動いていた。
めいとキウイに背中を押され、何のために歌うのか答えが出ていないながらもステージに上がる。>
まひるは年末のイベントにJELEEを出すよう求め、雪音はそれを受け入れる。そして迎えた本番当日、何のために歌うのか答えが出ない花音は、古巣のサンフラワードールズのステージを見て怖くなるが、水族館の映像と叫ぶまひるの激励で花音は心を立て直して歌い、ライブは成功を収める。
そして、まひるたちは卒業式を迎える。そして、集まったJELEEの5人は、クラゲの絵を塗りつぶして、壁画を描き直すのだった。
(ここまで)
海月ヨルという名前でイラストレーターとして活動していた女子高生・光月まひるが、花音たちと出会い、匿名アーティスト「JELEE」として一緒に活動していく中で、それぞれが成長していく青春群像劇。創作活動を営む中での悩み、やりがいなどが丁寧に描かれ、鮮やかな作画もあって、鮮やかな印象が残る作品でした。