テレビアニメ「声優ラジオのウラオモテ」を見ました。
試しに録画してみたのですが、他の2024春アニメにはない舞台で描かれる物語が意外と気に行って、最後まで見てみました。
電撃文庫で2020年2月から刊行されている二月公の同名ライトノベルを原作にテレビアニメ化され、2024年4月から6月までの2024春クールにTOKYO MXなどで放送された作品。主要スタッフは、監督:橘秀樹、シリーズ構成:大知慶一郎、キャラクターデザイン・総作画監督:滝本祥子、制作スタジオ:CONNECT など。
公式サイトでは、
「この番組は、偶然にも同じ高校、同じクラスのわたしたちふたりが、
皆さまに教室の空気をお届けするラジオ番組です!」
声優としてもクラスメイトとしても、
と〜っても仲良しなふたりのほんわか声優ラジオがスタート
……というのは「オモテ」の話。
夕陽の素顔は根暗な地味子、対するやすみは生粋のギャル。
見た目も性格も正反対なふたりは、口を開けば大ゲンカ。
「……何その眩しさ。本当びっくりするくらい普段とキャラが違うな、
いつもの根暗はどうしたよ?」
「あなたこそ、その見た目で可愛い声を出すのはやめて」
収録が終わればそこは修羅場、嫌味と罵りの嵐が吹き荒れる!
こんなやつと一緒にラジオなんて、絶対に無理!
でも、オンエアは待ってくれない……!
前途多難な声優ラジオ、どこまで続く……!?
プロ根性で世界をダマせ!バレたら終わりの青春声優エンタテインメント、NOW ON AIR!
・・・と紹介されています。
公式サイトでキャストが紹介されている主要登場人物・キャストは次のとおりです。<>内はそのキャラクターが登場(声優が出演)する放送回です。
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歌種 やすみ(うたたね やすみ)【伊藤 美来】:主人公の高校2年生。本名は佐藤 由美子(さとう ゆみこ)。元気かわいい系のキャラクター設定だが、チョコブラウニー所属。デビュー3年目だが、最近はオーディションに受からず悶々としている。父親は事故で亡くなっており、母親と2人暮らし。<第1~12回>
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夕暮 夕陽(ゆうぐれ ゆうひ)【豊田 萌絵】:やすみと同じクラスの高校2年生。本名は渡辺 千佳(わたなべ ちか)。おっとり天然系声優というキャラクター設定だが、学校では誰ともしゃべらず目立たない存在。ブルークラウン所属。デビュー2年目で、徐々に頭角を現しつつある。両親は離婚しており、母親と2人暮らし。<第1~12回>
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桜並木 乙女(さくらなみき おとめ)【長谷川 育美】:華のある容姿と確かな演技力を持つ人気声優。トリニティ所属。かつて共演したやすみが「乙女ねえさん」と慕うお姉さん的存在。<第1~7・9~12回>
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柚日咲 めくる(ゆびさき めくる)【東山 奈央】:実力派の先輩アイドル声優。夕陽と同じブルークラウン所属。プライベートでは夕陽とやすみのファン。<第4~7・10~12回>
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加賀崎 りんご(かがさき りんご)【小清水 亜美】:歌種やすみを担当するマネージャー。周囲からの信頼が厚い。<第1・2・4~9・11回>
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朝加 美玲(あさか みれい)【福圓 美里】:夕陽とやすみがパーソナリティーを務める「夕陽とやすみのコーコーセーラジオ!」を担当する放送作家。<第1~4・6~8・12回>
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川岸 若菜(かわぎし わかな)【島袋 美由利】:由美子のクラスメイトで親友。誰にでも明るく接するギャル。由美子が声優なのは知らない。<第1・4・5・8~10・12回>
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成瀬 珠里(なるせ しゅり)【藤田 咲】:夕暮夕陽を担当するマネージャー。仕事のセンスと勝負所の目利きに優れている。<第5~7回>
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由美子のママ【柚木 涼香】:由美子の母親。スナックで働いている。<第2・6・9・11回>
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千佳の母【川澄 綾子】:千佳の母親。弁護士をしている。<第3・6・7回>
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森 香織(もり かおり)【桑島 法子】:やすみが出演するアニメ「幻影機兵ファントム」で共演するベテラン声優。<第8~12回>
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大野 麻里(おおの まり)【遠藤 綾】:やすみが出演するアニメ「幻影機兵ファントム」で共演するベテラン声優。<第8~12回>
以上のほかに、個別に名前が付けられているキャラクターとしては、次の人たちがいます。<>内はそのキャラクターが登場(声優が出演)する放送回です。
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大出(おおいで)【保村 真】:ラジオ番組のディレクター。夕陽とやすみが同じ高校に通っていることを知って2人が出演するラジオ番組を企画する。<第1~4回>
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木村(きむら)【梅田 修一朗】:由美子のクラスメイトの男子でアニメや女性声優のファン。<第1・3・4・9回>
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由美子のおばあちゃん【森本 73子】:声優を目指す由美子を後押ししてくれたおばあちゃん。やすみの声優デビュー後に亡くなっている。<第11回>
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神代監督(かみしろ)【川田 紳司】:やすみが出演するアニメ「幻影機兵ファントム」の監督。実は千佳の父親。<第4・6・8・11回>
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嘉島(かしま)【佐藤 晴男】:夕陽が所属するブルークラウンの社長。<第5・6回>
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杉下(すぎした)【川島 得愛】:やすみが出演するアニメ「幻影機兵ファントム」の音響監督。<第8~12回>
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藤本 大輔(ふじもと だいすけ)【楠 大典】:やすみが出演するアニメ「幻影機兵ファントム」で共演する声優。<第8~11回>
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星空 見上(ほしぞら みあげ)【井口 裕香】:やすみが出演するアニメ「幻影機兵ファントム」で共演する声優。<第8~11回>
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清水(しみず)【橘 龍丸】:夕陽の正体に気づいた同じ高校の生徒。「夕暮の騎士」を名乗ってネットに投稿し、ライブ配信まで行う。<第4回>
各話のおおまかなあらすじは、次のとおりです。< >内は公式サイトで紹介されているストーリーです。
#01「夕陽とやすみは隠しきれない?」
<偶然にも同じ高校の同じクラスに通う仲良し声優コンビ・歌種やすみと夕暮夕陽のラジオがスタートした。ほんわかした空気がウリのラジオ番組だけど、実はやすみには大きな秘密があった。歌種やすみこと佐藤由美子は、普段は生粋のギャルだったのだ。ふたりの番組が始まるひと月前、由美子はクラスの地味な女子・渡辺千佳とちょっとしたトラブルで険悪な空気になってしまう。新たに始まる声優ラジオの打ち合わせに向かうと、なぜか千佳が現場に現れて……!?>
声優3年目の歌種やすみは、その素顔は高校生の佐藤由美子で、家族と先生以外には声優活動は秘密にしていた。オーディションに落ちまくって崖っぷちの状況のやすみは、ラジオの出演依頼が入り、スタジオに行ってみると、声優活動2年目で着実にキャリアを重ねている夕暮夕陽とのラジオ番組「コーコーセーラジオ」の企画を告げられる。その夕暮夕陽とは、同じクラスの地味な女子・渡辺千佳だった。
互いに嫌悪感を露わにしつつも、番組では声優としてのそれぞれのキャラクターを無難に演じる2人。放送作家からは、クラスメイトという感じがしない、もっと相手を知れと言われてしまう。
そうした中、番組の公開録音が行われる。由美子は、千佳が観客を前にして緊張しているのに気づき、お客さんを怖がらないようわざと千佳を慌てさせ、公開録音が始まる。
しかし、終了後、由美子のいたずらに機嫌を損ねた千佳は、由美子の事務所を訴えると言い出し、二度としないよう求める。
#02「夕陽とやすみとユニットと」
<今日も始まった「コーコーセーラジオ」。だが、ある話題で夕陽が赤っ恥をかいてしまう。夕陽は精肉店でコロッケが売られていることを知らなかったのだ。「今度一緒に行く」という約束を“一応”果たすため、放課後、由美子を連れて精肉店へ向かう千佳。そこでふたりは、お互いの意外な事情を知る。一方、由美子はTVアニメの準主役を射止めていた。メインキャストでユニットを組み、OPテーマを歌うことになるのだが……。>
ラジオ番組で視聴者からの質問に答えていく中で、夕陽がお肉屋さんでコロッケを売っていることを知らないことが明らかになる。由美子は千佳をお肉屋さんに連れていくことになり、千佳は揚げたてのコロッケを食べて感動する。
そんな中、やすみは「紫色の空の下」の準主役をゲットし、メインキャストの桜並木乙女、夕陽と3人でユニットを組むことになる。
収録をしながら、3人のユニットでイベントに出演することになるが、乙女が倒れてしまい、やすみと夕陽は2人でステージに立つ。2人はダンスで盛り上げるが、乙女が抜けた大きな穴を実感した2人は、乙女を超えると決意するのだった。
#03「夕陽とやすみとお泊まりと」
<ラジオでの会話をきっかけに、千佳の家でお泊まり会をすることになったふたり。千佳のお金持ちっぷりに驚きながらも、由美子は手際よく夕食を振る舞い、目を輝かせる千佳を見て満足げな表情を浮かべるのだが……。なぜか、ふたりで一緒にお風呂に入ることになってしまう。いやいや、どうしてこうなった!? 戸惑う由美子に、千佳が語る。「女性声優が一緒にお風呂に入ったりするでしょう?」。千佳はさらに距離を縮めようとしてきて……!?>
ラジオ番組での会話をきっかけに、千佳は嘘を増やさないためだと言っ由美子を招いてお泊まり会をする。千佳は由美子の料理をおいしいと言い、女性声優が一緒にお風呂に入るのは普通だと言って積極的にくっついてくる。千佳に声優を目指したきっかけを尋ねられ、由美子はプリティアシリーズが好きで憧れを持ったと話し、千佳は父がアニメーターで、父の作った作品に声を吹き込みたいと思ったが母親にはいい顔はされなかったと話す。
その夜、帰宅した千佳の母は、声優はとてもいい仕事ではない、あれで一生食べていくのはぞっとすると話すが、由美子は、あいつは生き抜いていけると断言する。
そんな中、ラジオはあと4回で打切りだと告げられ、ショックを受ける由美子だったが、乙女からの電話で、千佳がネットで炎上していることを知らされる。
#04「夕陽とやすみは隠しきれない」
<監督への裏営業を疑われ、音信不通になった千佳。心配する由美子の前で、“夕姫”の正体を追っていたクラスメイトの木村が、夕陽について何かを語ろうとするのだが……。そこへ運悪く千佳が現れ、さらに夕陽の正体に気づいた「夕暮の騎士」を名乗る生徒までもが教室に乱入してくる。いきなりライブ配信を始め、裏営業について千佳を“尋問”する「夕暮の騎士」。由美子まで正体をバラされそうになったとき、千佳の怒りが爆発する!>
夕陽の裏営業疑惑がネットで拡散するが、やすみは絶対に違うと断言する。そんな中、学校で、「夕暮れの騎士」と自称する清水が現れて千佳たちの動画を撮影する事態まで発生し、千佳は声優を辞めると涙を流す。
そんな中始まったラジオ番組で、由美子は自分と千佳の本当の姿をカミングアウトする。そこに現れた神代監督は、夕陽が実の娘であることを明かし、オーディションの様子を見せることでコネ疑惑を否定する。注目を集めたことで、最終回のはずだったラジオ番組は続くことになる。
#05「夕陽とやすみはまだまだ続く?」
<先の配信のけじめをつけるために、由美子と加賀崎が夕陽の所属事務所まで謝罪に向かう。事務所の嘉島社長から知らされたのは、由美子が行動を起こさなくても、夕陽は問題なくアイドル声優を続けられていたという事実。由美子はそれでもその行動を後悔していないと話すが、その言葉に嘉島が眉をひそめ……。その帰り際、由美子たちは夕陽の先輩・柚日咲めくるに遭遇し、普段はかわいらしい彼女から予想外のひと言を放たれる。>
千佳の本当の姿を暴露してしまったことで、やすみはマネージャーに叱られ、夕陽の事務所に謝罪に行くとのことになる。厳しいことも言われるやすみだったが、夕陽のマネージャーには感謝される。
イメージダウンした夕陽たちは、素のキャラクターを売りにして活動することになり、乙女も協力するということだったが、最初にめくると共演することになってしまう。
#06「夕陽とやすみは絶体絶命?」
<ハートタルトとしてのプロモーションを強化することになった千佳と由美子。だが、最初にゲスト出演しためくるのラジオ番組で、収録前に露骨な嫌味を言われてしまう。悔しさを滲ませる由美子だが、めくるの進行の上手さと知識量に圧倒され、学ぶことがたくさんあると痛感。しかし、秘訣を尋ねても拒絶されてしまう。めくるの態度に何か引っかかるものがあり……。>
やすみと夕陽はめくるのラジオにゲスト出演することになるが、収録前にめくるから応援してくれる人を敵に回したと責められる。悔しく思うやすみだったが、番組が始まると、めくるの上手さに圧倒される。
批判的なメールは減っていたが、夕陽は素の自分を演じることに息苦しさを感じるようになる。そんな中、夕陽は事務所に呼び出される。やすみも一緒に行くと、押しかけてきていた千佳の母親は、自宅が特定されたと、声優を辞めることを求める。千佳はファンに引導を渡されるなら諦めもつくと言うが、由美子はどうすればいいのかわからなくなってしまう。
#07「夕陽とやすみは諦めきれない」
<千佳の母親が出した条件をクリアできなければ、声優活動を休止しなければならない――。未来の見えない恐怖に震える千佳。由美子はそれでも目の前の仕事をきっちりやろうと背中を押し、ハートタルトのお渡し会に全力を尽くそうとする。乙女のおかげでイベントは和やかに進行するが、由美子は“素”を出しているはずなのに、息苦しさを感じていた。その違和感は、熱量の高い女性ファンが告げたひと言によってピークを迎える。>
千佳は、声優を辞めることになったら誰からも必要とされなくなる、忘れられてしまうのが怖い、と恐怖に震える。
そして、やすみたちは、声をかけられなければ勝ちという条件で商店街を歩くことになる。
だまされたと批判し声をかけようとするファンを別のファンが2人に声をかけないよう止めに入り、プライベートでは2人のファンであるめくるも、大嫌いだけど大好きだと2人をかばってゴールさせる。由美子と千佳は、絶対やめない、ありがとうと叫ぶ。
そして迎えたラジオ番組、素のキャラで話をした後、2人は元のキャラで話し始め、それを聞いためくるは涙を流す。
#08「夕陽とやすみと不機嫌と」
<声優活動を懸けた挑戦から数週間後――。これまで色々な迷惑をかけたお詫びとして、朝加の家でおもてなしをする由美子と千佳。ふたりを取り巻く状況も大きく変わり、結果的に夕陽とやすみへの批判は沈静化した。由美子は新たなオーディションに向けて気合いを入れるのだが、それは同じキャラクターを受ける千佳も同様だった。オーディション当日、音響監督から唐突に別の役を振られる由美子。慣れない役どころに戸惑いを隠しきれず……。>
いつしか夕陽たちへの批判は沈静化していく。そして、「幻影機兵ファントム」のオーディションに臨むやすみ。やすみは悪役の「白百合メイ」役で合格し、夕陽とともに出演することになる。
収録が始まり、プリティアにも出演したベテランの先輩俳優もいて緊張するやすみは、何度もダメ出しされ、先輩からも厳しい言葉を投げられ、その帰り、1人になったやすみは号泣する。
#09「夕陽とやすみとクリスマス」
<リテイク地獄の悔しさを噛みしめる由美子は、そのまま事務所へ向かい、加賀崎にアドバイスを求める。杉下の求める演技とは何か。オーディションのときの演技を思い出し、手がかりを探ろうとする由美子。その一方で、加賀崎から根を詰めすぎないよう釘を刺され、クリスマスイブはクラスの友人たちとカラオケへ。強引に巻き込んだ千佳は普段よりも機嫌がよさそうだが……。千佳にも歌ってもらおうと、由美子が大胆な挑発を仕掛ける!>
相次ぐリテイクで打ちのめされるやすみだったが、ほどほどに休むよう言われ、クラスメイトに誘われたカラオケに千佳も一緒に行く。
そして、収録も一発でOKをもらえるようになるが、ここで満足しないでくださいと言われ、まだ越えなければならない壁があると感じるやすみだった。
#10「夕陽とやすみとめくると乙女」
<『幻影機兵ファントム』のアフレコは順調だったが、由美子はまだまだ自分の演技に納得できなかった。モヤモヤを抱えながら挑むことになった、めくる、乙女とのラジオ合同イベント。由美子と千佳は、3番組が対決するゲームコーナーに闘志を燃やしていた。なんとしても優勝賞品がほしい!最初の対決は……告白シチュエーションの実演。「コーコーセーラジオ」からは夕陽が参戦し、3人による“愛の告白”対決が始まる!>
リテイクが多いながらも収録は順調に進む中、やすみは、夕陽、めくる、乙女と合同でイベントに参加し、高級焼肉店の食事券を賭けて争うが、乙女が優勝して食事券をゲットする。
その食事券で4人で焼肉店に行く。やすみは演技に詰まったときにどうすればいいか質問すると、乙女は準備が足りなかったと指摘し、めくるはやすみの演技がよかったのはデビュー作の頃だと言う。
#11「夕陽とやすみとアフレコと」
<歌種やすみが演じるシラユリ・メイは、次の収録で壮絶な最期を遂げる――。由美子は杉下から「魂の演技」を求められ、ベテランの森からは他の誰でもなくシラユリこそが次回の主役だと念を押される。森の言葉は大きなプレッシャーとなり、由美子はますます自分を追い込んでしまう。ラジオに投稿された「苦境の乗り越え方」の質問にも答えられなかった。そうして、由美子にとって最後となる『幻影機兵ファントム』の収録が始まる。>
やすみは、最後の出演となる話の収録を迎える。それは、やすみが演じる白百合メイが最期を遂げる回で、杉下や先輩たちから、次は本当に大事な回、あなたの演技次第で左右される、と言われてプレッシャーがかかる。
一週間後の最後の収録の日、やすみの演技は保留扱いとなってしまい、居残りで収録するものの、満足のいく演技ができず、別録りを求められ、夕陽との差を改めて実感してしまう。
マネージャーからは今の由美子には勢いが必要だと言われ、勢いを失っていたことを自覚したやすみは、プライドを捨てて夕陽に頭を下げて、アドバイスを求める。
#12「夕陽とやすみは突き抜けたい」
<由美子に協力することになった千佳は、彼女の演技で「気に掛かっていたこと」をはっきりと告げる。それは、由美子がこの現場でずっと抱えてきた問題だった。自信たっぷりの千佳に背中を押され、改めてそのかっこよさを実感する由美子。しかも、千佳は抜き録りにまで同行してくれる。その千佳と杉下から教えられる、周囲が向ける歌種やすみへの“期待”の大きさ。その言葉に驚いていると、スタジオに思いがけない人物が現れて……。>
夕陽は、周りの人への意識が下手、いつまで経っても自分の演技ができない、気概でも負けてどうするのかと叱咤激励する。
そして迎えた別録りの日、思いがけず先輩たちも来てくれて収録に臨んだやすみは、見せつけてやる、と開き直って演じる。必死に臨んだ収録を終えると、監督は一発でOKを出し、先輩声優も、3年目の17歳でこれではやってられないと言われる。夕陽は、あんたのそういうところが嫌い、最終回までにあんたの演技を越えてみせる、と宣言される。
そして、ラジオ番組では、仲が悪いとの指摘も出るようになっていたため、朝加は、互いを褒め合う「イチャラブ大作戦」という企画を提案する。千佳の何を褒めればいいのか分からない由美子だったが、ラジオ番組の本番では、2人は邪悪なオーラを出しながらも互いに褒め合い、本番が終わると、口ではいつもありがとうと言いながら、テーブルの下では相手の足を蹴り合うのだった。
(ここまで)
アニメの声でよく接する声優さんたちですが、その業界を舞台にした作品は新鮮でした。現実の声優業界の実情がどこまで反映されているのか、あるいはどのくらい乖離があるのかはわかりませんが、高校生の主人公の成長も描かれて、なかなかいい作品だったと思いました。